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私立誠心平等学園  作者: 黒崎玲音
1/1

0 入学資格、合格条件

ここは私立誠心平等学園。

生徒は田舎並みに少なく、1年は4人、2年も4人、3年に至っては2人しか居ない。教師も学園長と、それぞれの担任、非常勤含めて10人ほど。

だが、何故か公務員は多いという変な学園だ。

受験が存在せず、学園が独断で決めた入学が決定する生徒に合格通知がいきなり届くのだ。

全寮制であり授業の内容も他の学園、高校と同じようなもの。

だがここには、一癖も二癖もある生徒ばかりが入学している……

それとこの学園、何やらよろしくない噂もあるとかないとか……


───────


「うぅ、緊張するなぁ…」


桜の花びらが暖かい風に乗って目の前を通り過ぎていく。

僕は今、誠心平等学園の正門の前に立っている。

数ヶ月前、つまり去年の冬に親元を離れて一人暮らしをしていた僕の元に届いた一通の手紙によって、僕はここに足を運ぶことになっていた。


─────

合格通知


羽鳥祐介はとりゆうすけ

あなたは私立誠心平等学園に入学する権利を会得しました。

入学するにあたり必要なものは全てこちらが揃えますので、あなたが用意しなければならない物は何もありません。

本学は全寮制です。

ご自身が持ち込みたいものは、危険物と判断される物以外は持ち込んで構いません。

楽しいスクールライフを目標に!


入学式は行いませんが、全校生徒で行う交流会があります。

こちらの合格通知を持参して、登校してください。

日時:4月1日 午前8時30分

場所:誠心平等学園 体育館


誠心平等学園 学園長 誠心親

─────


門の前でそれを見返し、覚悟を決め敷地に足を踏み入れる。

一体どんな学園生活が待っているのだろうか。

この時の僕は、楽しい学園生活…もあるけど、あんな強烈な出来事が起こるなんて……全く想像できなかった。


━━━━━━━━


今、私を含めた大人が4人、会議席に着いている。

目の前には、なにやら威厳がありそうな紳士の男。

右を見れば、真面目そうなジャーマネっぽい男。

左を見れば、何だかイライラしている女。


「今年の新入生は皆1年だな」


目の前の紳士の男…誠心親せいしんあらた学園長が口を開く。


「はい、そして卒業生は2年から1人だけです」

「3年は今年も誰も出なかったか…まぁいい、卒業出来ること自体奇跡だからな」

「あの二人学園当初からずっといるじゃない!開校してからもう何年も経つのに一向に卒業しないわ!」


右のジャーマネ男…2年の担任兼学園長補佐、新庄戒斗しんじょうかいとが報告することを報告する。

対して左のイライラ女、3年の担任、宮内朱音みやうちあかねは不満を垂れ流す。


「大体ねぇ、あの子達は私の手には負えないの!どうにかしてちょうだい!」

「あなたが真面目にあの子達と向き合わないからそういうことになってるんじゃないですか?それと、3年はそういうものだと何回も言ってるでしょう」

「何よ戒斗、私のせいだって言いたいの!?友紀からもなんとか言ってよ!」


おっと、話を振られてしまった。

あまりこのピリピリした空間に居たくないから、私は普段会議をサボっている。

けど今回の会議は新入生の情報やらが出るので、サボる訳には行かなかった。

で、まぁこのままだと更にめんどくさくなるのは目に見えていたので、1年担任の私、稀崎友紀きざきゆきは朱音に一言。


「早く帰りたいから静かにしてくんね?」

「……友紀に聞いた私が馬鹿だったわ…珍しく出席したと思ったら…」

「だが脱線したのも事実だ、そろそろ新入生の話に移るぞ」


親学園長の言葉に皆が気を引きしめる…という訳でもなく、私は早く終わんないかなと思っている。


「今年の新入生は2人だ…それも、片方はかなりの危険人物だ」


資料が配られる。

私は2人の資料を見て思わず笑みを浮かべる。

あぁ、面白そうな(イカれた)やつがまた増えたなと。

教えがいがありそうだ。



ここは私立誠心平等(せいしんびょうとう)学園。

癖のある生徒しか来ないこの学園に入る条件は……



精神に異常をきたしている事。

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