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1話

この世界は不完全であると誰かが言った。


時代は超加速し物理法則や神の存在を理解し始めた。


人間はこの世界に適応し快適な世界を構築し始めたが


それが神の勘に触ったのか


異常気象やウイルスの蔓延で人類は今世紀末に突入しようとしているのかも知れない。


神が作ったこの世界は神にとっては未だ未完で


今なお実験中であるということを我々は忘れている…。


俺の名前は◯◯現在24歳


ただのオタクニートだ。


親が残した遺産で働きもせず引きこもり家でゲーム三昧。


両親共に他界しているから誰にも何を言われることもない。


遺産は約10億近くある。


「社畜どもは毎日あくせく働いているのか…。」


「俺はこの人生というゲームを攻略したんだ」


数年後俺はネットバンキングをハッキングされ10億を失った。


パラダイスから突然地獄に落ちた俺は路頭をさ迷っていた。


「ありえねぇ…。こんなことがおきるのか人生は」


「まだ貯金は数ヵ月ほど持つがなにかバイトさがさねぇと…」


「ケータイのアプリで割りの良いバイトを探していたら謎のバイトが目に入った。」


「ゲームをするだけで1日10万円面接なし即採用…。」


後日俺はそのバイトに応募し待ち合わせた。


「やあ君がバイトに応募してくれた。◯◯君だね。じゃあ行こうか。」


男の車に乗せられ仕事場へと移動する。


「あのゲームで100万って何するんですか?俺そんなゲーム上手くないですけど」


「行けばわかるさ。本当に普通にゲームしてくれてるだけでいい」


数時間後


「ついたよ」


俺は謎の実験施設に連れてこられた。


軍事施設の科学実験みたいなところでとてもゲームするような場所には思えないが


「博士連れてきました。」


「ああ。よく来たな。」


そこには白衣を来た白い髭を生やした90ぐらいの老人がいた。


そしてそこにはヘルメットと謎の装置が置いてあった。


「わしはVRの研究をしておってな。」


「この世界とは別のリアルなバーチャルリアリティの空間をこの手で作り出したいと思い研究を続けてきた。」


「研究は順調に進みゲームの骨組みはできており完成に近づいている」


「後はリアルな人間にこの世界に入ってもらい。ゲームとして成り立つように微調整を加えたい。」


「依頼の内容はシンプルじゃ。ただ8時間この中に入って遊んでくれているだけでいい。それで日給10万を渡そう」


老人はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。


「まあ実験動物みたいなもんじゃな」


「はあ、わかりました。8時間vr世界に入って遊んでるだけでいいんですね。」


俺は一瞬老人からただならない狂者の雰囲気を察したが深く考えずvrマシンのヘルメットを装着した。


「では悪夢のロマンを満喫してきたまえ。」


老人がスイッチを押すと機械が作動し俺の意識はvrへと飲み込まれる。


そして脳内に機械音が流れてきた。


ライフレジスタンス0%


タイムディレイ7000倍


ペインスプレッション…ゼロ


気がつくと俺は草原の中にいた。


見るからにファンタジー世界のようだ。


すげえ俺は今ファンタジーの世界にいる。


衣装はファンタジーの衣装を催しており腰には剣がたづさえられていた。


視界にはステータスのようなアイコンが表示されていた。


レベル50


攻撃力70


ライフパラメータ300


守備力???


初期で割りとステータス高くないか。普通はレベル1からのスタートだと思うが


イージーモードによる付加要素なのか?


守備力???ってのが気になるな


まあいいや


深く考えず周囲を探検しているとスライムが出現した。


俺は腰にある剣を取り出し構えた。


「こういうシチュエーションに憧れてたんだよな。」


まさか現代でこのロマンを俺が一番最初に味わえるなんて


ん?俺が最初?なんで誰もこのバイトを受けないんだ?


まあいっか。


俺はロマンに胸踊らせ剣を振りかぶりながらスライムに切り込みにいった。


「おりゃあああああ」


「ポムッ」


それと同時にスライムが優しい効果音で突進してきた。


「バンッ」


俺の剣がスライムを切り裂くよりも先に俺の胴体に衝撃が伝わった。


「ちっ初見でリアルに戦闘すると結構難しい。」


それと同時にスライムが逃げ出した。


「逃がすかよ」


と再び攻撃体制に移ろうとしたが体が動かない。


あれ?


なんで俺の体があんなところに


「ひッ!?」


「ぎあああああああぁぁぁぁぁぁッッッ!!?」


俺はその瞬間恐怖と苦痛に襲われ


激痛に悶え苦しんでした。


どうやら先のスライムの突進で肉体がバラバラに弾け飛んだらしい。


肉片が周囲に飛散し


首はちょんぎれ地に転がっていた。


痛覚は本物であり俺はこの世で最もありえない死に方をした…。


気がつくと俺はさきほどのスタート地点に蘇生していた。


ゲームでいうところのリスポーンが設定されているらしい。


「俺は生きてるのか…?」


「忘れてた…これはゲームで今の死は現実的に死んだことにはならない。」


「それにしてもさっきのはなんだったんだ?」


俺は冷静な脳みそでこれまでの疑問を振り替える。


ライフレジスタンス0%


まさかライフレジスタンスってのは生命抵抗値のことか!?


ゲームにはhpと守備力以外に生命抵抗値というものが存在する。


生命抵抗値とは毒やダメージ、寿命。主に命の劣化に対する抵抗値のことを指す。


ゲームなどの難易度実験であえて無敵状態で鬼畜度を調整するために生命抵抗値を100にすることがある。


今は生命抵抗値が0


僅かな衝撃でも死に値する。


俺はことの事実に恐怖した。


「スライムに突進されただけで電車に轢かれるぐらいの衝撃とかありえねぇだろ…っ。」


「おい誰か!聞こえてるか!出してくれ。報酬はいらない。俺はこのゲームをリタイアする!」


外の世界では博士たちが◯◯を見物しながら会話をしていた


「博士これは少しやりすぎでは?」


「こんな鬼畜ゲームを作っても誰にも評価されませんよ。」


「ふむ…。君は死んでみたいと思ったことはないかね?」


「電車で轢かれる衝撃とはどれほどのものか。屋上から落下した痛みはどれほどのものか。生首になった状態の自分はどんな思考状態になっているのか。」


「時代が求めているのはリアルな死だ。死とはある種のロマンだよ。」


「…単純にわしが人の死を観測したいだけじゃがw」


「とは言えライフレジスタンス0%は確かにやりすぎたな。リアリティに欠ける。これだと何も起きなくても死ぬ」


「もう少し上げる必要がありそうだ。」


「現実世界を目安にするとライフレジスタンスは60%が妥当か。」







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