鶴をおるよ、ひいろちゃん!
「自称世界の美少女、ひいろだよ!」
「ひいろの被害者でツッコミ役の、のんです」
「今日もそんな感じで始めるよ、私とのんちゃんのラブラブコメディ!」
「嘘つけ。ラブラブのラの字もないわ」
「じゃあ、メロメロメロン?」
「こんな感じの、おいてけぼりギャグコメディ、始まるよ!」
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カタン、キィ。カタン、キィ…
「ひいろさん、アナタ授業中になにしてるの?」
「鶴を織ってます」
「あら、美しいデザインだわ」
「先生、惑わされないで」
「ん、おっほん。ひいろさん、駄目じゃない授業中に鶴を織っちゃ」
「すみません。千羽鶴をおりたくて」
「ひいろ、千羽鶴ってそうじゃない」
「え? じゃあ、今すぐ狩りに行ってきます!」
「千羽!?」
「ひいろさん、駄目じゃない。銃刀法違反よ」
「先生、そこじゃない」
「千羽鶴って、どうすればおれるの?」
「そもそも、なんで千羽鶴を折ろうと思ったの?」
「うん、病院…にいる、婆やの為にね」
「そっか、じゃあ、折り方教えるね」
「アナタたち、今、授業中よ?」
授業終了後
「先ずはかみを用意します」
「天照大神の髪でいい?」
「やれるものならどうぞ」
「こうして、三角に折ったら、折り目をつけて、」
「あー、難しいいーーー」
「うん、そのわりには、私には折れそうもない立体的なリアルな鶴は折れるんだね」
「これは簡単なの」
「基準が分かんない」
「面白味もないので中略だよ!」
「飽きたので、踊る鶴を折ったよ!」
「無駄に凄い」
「いやー、照れるなぁ」
「大きさも形も素材すらばらばらの鶴が、999羽…」
「よし、これで並べれば完成だね!」
「え?」
「婆やの名前が鶴子なんだー」
「本当に大きさも形も素材もばらばらだな!」
「お婆さん元気になるといいね」
「婆やは、整形しただけなんだけどね!」
「私達の努力!!」