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心に燻る闇


「ふむ。多少やりすぎたけど、情報源は手に入ったな。」


ゆうなちゃんは大暴れしながらも、重要そうな物や人を確保していた。

まだ諦めていない輩は光龍が死なない程度に相手をしている。

その間に最後の拘束具が壊されて、やっと自由の身になった。

手足ないけど。


「よっと、少し我慢してくれな。安全な所に移動したら完全回復薬出すからさ。」


俺を担ぎ上げ、布を出して包む。

これ見た目酷くない?

素っ裸だから布かけてくれたんだろうけど、想像以上に格好悪い気がする。


「実験体になっていた魔物や魔獣の数が多いね。どうしようか、光龍が皆殺しにするまで待ってる?」


「天井壊して生き埋めにするか?全部相手にするのも面倒だし。シュウの身体を早く元に戻してやりたいしな。」


2人の声を聞いていると安心したのかいつの間にか眠ってしまった。



目を覚ますと、見たことある天井だった。

ここってドラフバルの宿じゃねえか?

身体を起こして周りを確認すると、ずっと泊まっていた部屋だ。

懐かしい。


「お目覚めになられましたか!すぐに勇者様方を呼んで参ります!」


向いてる方と反対側か女性の声が聞こえたので振り向くと、天使が・・・いや、女神がいた。


「ラズちゃん!愛してる、結婚しよう!」


5分後、ラズちゃんの悲鳴で駆けつけたユーマやゆうなちゃんに怒鳴られた。

義父は苦笑いしていたが目は冷たかった。


「信じられない。死にかけていたのに、回復したらすぐに女性を襲うなんて、シュウも結局ただの女好きじゃないか。」


なぜかぶち切れてるゆうなちゃんはそれだけ言うと出て行った。


「シュウ、抜け駆けは許さん。正々堂々と勝負しよう。」


ユーマもラズちゃんに惚れてるんだっけ。

でもユーマはケモ耳姫やらエルフ女王とヤリまくってたんだから、ラズちゃんは俺に譲るべきじゃないか?


「さて、シュウ殿が目を覚ましたことだし、詳しいことは明日にでも決めようかね。ラズ、ご苦労だったね。ゆっくり休んでくれ。」


くっ!

流石にあんな醜態を晒したらラズちゃんとは離されるか・・・。

仕方ない。

勝負は明日からだ。


「目を覚まして最初にした事が娘に抱きつくとは、心配する必要なかったね。今日はもう遅い。明日じっくり話しあうね。」


義父の言葉が胸に刺さる・・・。

だが後悔はしていない!

柔らかかったし、良い匂いだったから後悔のしようがない!


「シュウ、手足はちゃんと動くか?」


ユーマ以外は全員帰った。

宿に泊まるのは俺とユーマだけで、ゆうなちゃんは近くにいる魔族の住処に泊まるらしい。

一緒に宿を取れば良いのにと思うけど、長居すると魔族だとばれるから仕方ないそうだ。


「ああ、大丈夫みたいだ。・・・迷惑かけたな。」


「いや、謝るのは俺の方だ。ゆうなから話は聞いたよ。荒唐無稽な話だとは思うけど、シュウを探していた時にゆうなと色々話したんだ。それで確信を得たよ。シュウの考えは当たってるってさ。」


「まだまだわかってないことが多いけどな。あの研究所から持ち帰った物を調べて少しでも答えがわかればいいんだけど。」


ゆうなちゃんは半分をドラフバルに置いて、半分を魔族の住処に持って行った。

向こうは向こうで情報収集して、こっちはこっちでする。

口裏を合わせている可能性もあるけど、こっちにはユーマがいる。

勇者スキルがばれているとは思わないが、念のために男も女も均等に分けた。

ゆうなちゃんは時間短縮のために拷問を生業にしている魔族を呼んだ。

どちらが先に終わるかわからないから、ゆうなちゃんの方が終わったら俺達の宿に伝言を預けてもらうことにした。


以上、ユーマに聞いた話。


「俺達がすることはほとんどない。ドラフバルは全面協力をしてくれると約束してくれたからな。シュウはそこの棚に入ってる資料を読んでおいてくれってさ。明日は首長の所に行くと思うけど、それ以外はこの部屋で静養してもらうからな。ドラフバルと魔族の医者がOKを出すまでは絶対に。」


俺が思っている以上に今回のことはショックだったみたいだな。

ユーマは一緒にいなかったんだから何も出来なくて当然なんだけど、ゆうなちゃんが自分の異次元同位体とわかったから余計にきつかったんだろう。

数日は言うとおりにしておこう。

怒ると怖い。


「じゃあ、俺も寝るよ。この部屋は結界が張ってあるから大丈夫だと思うけど、何かあったらすぐに内緒チャットで呼んでくれ。おやすみ。」


ユーマが部屋を出てから資料に目を通した。

内容は俺を攫った組織と勇者・魔王の関係について。

組織の方は毎日追記がされているみたいだ。

勇者・魔王の関係は全然だな。

まあ、2人が一緒にいないのに何が出来るんだって話だ。


ある程度読み終えたんでそろそろ寝ようかと思っていたら、外から視線を感じた。

流石にあのクソガキの組織が襲撃してくるとは思わないけど、エンディールがいるんだよなぁ。

あ、長老派ってのもいたか。

窓から外を見れば、こっちの様子を窺っているやつらが5人はいる。

お仕事ご苦労さん。


今回の事で俺は考え方を改めた。

東の大陸以外は滅ぼすことも視野にいれないといけない。

大量虐殺をしてでも。


先にケンカ売ってきたのはお前等だ。

もう容赦しねえぞ。

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