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救出


どうすればいい?

どうすればこいつらを逃がさず、俺も死なずに済む?

わからん。

いくら考えても良い案なんて思いつかない。

死なばもろともって考えで特攻すれば引き止めることはできる。

だけど俺はまだ死にたくない。

多分、俺が死ぬとこの世界終わると思うけどね。

最強の2人が俺の心配してるわけだし。


だとしても、死にたくはない。

仇討ちしてもらっても、俺が生き返るわけじゃないし。


「勇者が真っ直ぐこちらに飛んできています!」


「うろたえるな!ここが知られたとは限らないんだ!冷静に対処しろ!自滅だけは笑えんからな!」


部下は冷静に行動しようと心掛けてるみたいだな。

それなのにボスはそうでもない。


「僕が世界丸ごと封印してやる!そうすれば何もなかったことになるはずさ!僕は選ばれた人間なんだからぁ!はっはははははは!」


あれはもう壊れてるんじゃないか?

壊れてるよね?

壊れてると嬉しいなぁ。


「光龍が海に突っ込みました!これはばれている可能性が高いと判断します!」


「封印結界はそのままにして、閣下を最優先に転移!少しでも時間を稼げ!研究所は自爆させるのでそのつもりで動け!」


おいおい。

誰も俺を見てないぞ。

絶対置いていくつもりだろ。


「僕が僕が僕が僕が!ふふ封印してやるううらあああああ!」


怖!

有名な悪霊退治映画みたいな動きしてるんだけど!


「閣下にお薬と魔法を!手荷物は持つな!全て破棄!実験動物共を檻から出して通路に放て!時間稼ぎに調度良いだろう!」


「この異世界人はどうしますか!?」


お!

俺に気付いた奴がいるぞ!

拘束だけ解いてくれたらいいからね。

後は自分で何とかするから!


「拘束具を増やして更に拘束魔法もかけておけ!こいつが最後の時間稼ぎの道具だ!ゴブリンより使い物にならなかったゴミだけど、勇者相手には囮になる!罠魔法も大量に仕掛けておけ!」


手前この野郎!生きて出ることが出来たら覚えてろよ!絶対に復讐してやるからな!無駄に拷問解説本とか読んでねえぞこら!皮膚をゆっくりと剥ぎながら指の関節1つずつ切り落としてやるからな!!


「できました!半径5mに入らないように!罠魔法をこれでもかってくらい仕掛けましたので!」


くそがああ!

仕事早すぎるだろうが!


「勇者と魔王と光龍が海底トンネルに侵入しました!現在門を閉めて雑魚を向かわせていますが、あまりもたないと思われます!あ、もう門突破されました!」


早い。

ユーマもゆうなちゃんもガチだな。

ここだよ!

君達のシュウはここにいるよ!


「通路を爆破しました!2分は稼げたかと!今のうちに閣下を!」


「閣下、どうぞこちらへ!大丈夫です!我々が最後まで着いて行きますぞ!」


あんなクソガキにも忠臣っているんだな。

一蓮托生っぽいから仕方なくだと思うけど。


「勇者と魔王が分かれました!このままでは囮が足りません!何かありませんか!」


「魔物を全部だせ!ワイバーンもキマイラもマンティコアも全部だ!100体はいるんだから時間稼ぎくらいできる!」


「こ、光龍がブレスを!魔物は全滅!繰り返します!魔物は全滅!」


キャー!

リューサン、カッコイイー!


「ゴーレムはどうした!壁にはなるだろう!」


「ゴーレムは魔王が魔法で吹き飛ばしました!全て砂になっています!」


「くそぅ!化け物共めぇ!」


いやいやいや。

絶対君達の方が悪いこと沢山してるよね?

俺達巻き込まれただけの被害者だよね?

ユーマとゆうなちゃんを化け物って言うけど、そうしたの君達だよね?

光龍に関しては知らん。

状況報告だけだと充分化け物なんだろうけど。


「ダメです!来ます!」


壁が3箇所吹っ飛んだ。

驚いたのは、誰も正規のルートであろう場所から現れなかったことだ。

大きめの扉は無傷なのに、壁に大穴が空いている。

誰か1人くらいは扉から来いよ!


「このクソ共があああ!皆殺しにしてやるうわあ!」


魔王だ。

紛う事なき魔王だ。

あんなに可愛い顔してたのに、今は魔族の頂点って顔してる。


「グルルウ!グガアアアアア!」


あれが光龍か。

叫びながら施設壊しまくってる。

俺に当たりそうで怖い。


「刀技、抜刀術、次元断ち。」


何それ!?

新技!?


「閣下あああ!」


背後から爆発音がした。

ユーマは最初からボスっぽいの狙ったな。

あいつらしい。


「閣下転送完了してます!幹部の方たちもお早く!」


「我々が壁となります!閣下を、閣下をよろしくお願いしますぞ!化け物めぇ!死んでもここから逃がさんぞお!」


クソガキは逃がしたか・・・。

死なないために動かなかったけど、失敗だったかなぁ。


「魔王、光龍、雑魚を頼む。シュウ、待たせたな!」


やばいやばい!

首を必死に振って近づくなと合図する。

罠だらけなんだよここ!


「ん?ああ、そういうことか。それなら、刀技、魔断ち。」


あれ。

また新技。

ユーマ君、新技多すぎじゃないですかね?


「シュウ、もう大丈夫だ。魔断ちは魔法効果を全部斬るから、罠も拘束も解いたぞ。後はその拘束具だけだな。」


ユーマは言いながらも金属でできた拘束具をさくさく斬っていく。

斬鉄ってレベルじゃねえなこれ。


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