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秘密の会話


「囲まれている・・・か」


俺達にそのナイフ投げれば良かったのに。

ダメージが入ったどうかは別として。


「まったく、どうしてこんなやつがエリート集団である僕達と共にいたのか・・・。」


「仕方ありますまい、こやつは公爵家の五男坊。箔付けのためだけに我等の部隊にいたのですから。」


五男坊とはいえ、公爵家の人間を躊躇いもなく殺しやがった。

諜報部隊って貴族の集まりなのか?


「はぁ、どうする?おとなしく縄につくなら、痛い思いしなくて済むけど?」


「それはこっちの台詞だ。こっちの指定する人間だけおいて去るなら、他のやつは逃がしてやるぞ?」


俺が何か言う前に、ユーマが舌戦を始めた。

すごいな、ユーマ。

目の前で人死んだのに。

俺吐きそうなんだけど。


「今回の召喚は間違いなく失敗だなぁ。リーリア嬢は責任を問われるよ?エンディールにいる間は何度も肌を重ねたのだろう?情というものはないのかい?」


なぁにぃ!ゆうううまあああああああ!!手前やっぱりやってんじゃあねええかあああ!それを女神ラズちゃんにまで手ぇ出そうってのかこの野郎!ふざけんじゃねえぞごらあ!こいつら片付け終わったら中央大陸に行く前にお前の話をじっくり聞く必要がありそうじゃあねえかおい!


「勇者殿が我等とエンディールに帰るというなら、御友人に手出しいたしません。それで如何ですかな?」


「おいおい、僕に決定権あるんだから、余計なこと言わないでくれよ。」


「そうは言いましても、元々勇者殿は友情に厚い方ですぞ。一番心配なのは御友人のことでしょう。それを保障するというのは当然の譲歩と言えます。」


なんか長髪のなよなよした男とじじいが喋ってるけど、そんなことどうでもいい。

俺とユーマは今目線でやり取りをしている最中なのだ。


ユーマの言い分は、言おうと思っていたけど、そのチャンスがなかったってところかな。

そんなのことないだろう、言うチャンスは意外と多くあったはずだ的な目線を送る。

俺にも責任はあった、そんな目線を送ってくる。


ええい、間怠っこしい!

ゲームなら内緒話用チャットがあったのに!


そういえば、内緒チャットは魔法って設定じゃなかったっけ?

全プレイヤーが使える、唯一の魔法。

魔法を使いたい相手を見て、内緒チャットと口を動かすだけで発動する。

試しにユーマに使ってみよう。

使えたらラッキー程度だけど。


『聞こえるか、ユーマ?』


ユーマは俺の方にバッと顔を向ける。

あれ?これ成功したか?


『聞こえるのか?』


首をブンブンと縦に振る。


『内緒チャットだ。使い方おぼえてるか?』


『こうか?聞こえるか?』


『ああ、聞こえる。さあて、じっくり聞かせてもらおうか!』


『まてまて、こいつらどうにかしてからだろ!』


『お前ならどうにでもできるだろ?勇者様なんだから。』


『・・・いつ気付いたんだ?』


『ドラフバルで色んな本読んだ時だ。最初は意味わからなかったんだけどな。読めば読むほど、俺は勇者じゃないって説明されてるみたいだった。』


『そうか・・・』


『まあ、味のないスープと硬いパンを出された時点で気付くべきだったよ。』


『すまん・・・』


『話は中央大陸で、だろ?こいつらからも色々聞き出さないといけないし。』


『ああ、さっさと終わらせよう。』


「絶望して現実逃避したいのはわかるんだけど、もう少し怯えたり強がったりしてもいいんだよ?君達みたいな野蛮で粗雑な存在のそういう顔こそ、僕の望むものなんだから。」


「え?何?聞いてなかった。」


ユーマが素で返すと、それが本心だと理解したなよなよ男は、瞼をピクピクさせていた。

すっげえ気持ち悪いんだけど。


ユーマは抜刀術の構えをとり、威嚇する。

俺も念のために武器を構える。

たぶん俺のところまでこないと思うけどね。


「愚かな選択を。僕達の案に乗っていれば、少しは長生きできたのに。」


『さっき喋ってたなよなよ男とじじい以外はいらないぞ。』


ユーマに作戦とも呼べない方向性だけ知らせておく。


「刀技、抜刀術、神速峰打ち、遠当て。」


お?

新技か?

勇者ってばらしたらいきなり新技か。

気を使わせていたのかもな。


広がって俺達を逃がさないようにしていた諜報員。

ユーマは一番遠い奴らから攻撃した。

逃がさないために。


自分が狙われたとは、思ってもいなかった端っこのやつらは、あっと言う間に意識が刈り取られたようだ。

何も喋ることすらなく倒れた。


倒れる音で、その隣にいた諜報員が気付く。

気付くとすかさず、


「刀技、抜刀術、神速峰打ち、遠当て。」


で、また声を出す間もなく倒れる。


抜刀術とは言えども、本来なら攻撃のモーションがある。

俺にはユーマが攻撃しているところがバッチリ見えているんだけど、目の前にいる諜報員達には見えていないらしい。


ユーマが何かしているんだろう。

勇者について、ユーマで色々調べる必要があるな。


半分は倒れた。

なのに、いまだに余裕たっぷりの顔をしているなよなよ男。


「ん~、どうしたんだい?構えてからまったく動いてないけど、緊張して動けなくなったのかな?」


あらら、ガチで気付いてないぞ。


『お話はどこでする?このまま全員気絶させることもできるから、気絶させてから運ぶか?』


ふむ、必要なのは2人だけだしな。


『全員倒していいぞ。マジックボックス内に何か良い物ないか探しておく。』


ユーマは頷くと、スピードを上げたようだ。

横目で見てるだけだが、さっきより腕の振りがはやい。


本気を出したユーマは、俺がマジックボックスの中身を確認する時間すら与えてくれなかった。

気絶させた全員を縛り上げ、とんでもない身体能力で木に登って吊るしたり、穴を掘って首まで埋めたりしている。


なよ男とじじいを引き摺って、この場所から離れる。

気がついて騒がれても面倒だしね。


まずはじじいからかな。

なよ男を首から上だけだして地面に埋める。


俺もユーマも非人道的なことするのに躊躇なくなってきた気がするな。

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