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ドラフバル


海にも魔物がいる。

が、カンストしてる俺達には、何の問題もなかった。


「まさかボートの体当りで倒せるとは・・・。」


ユーマがびっくりしてるけど、俺もびっくりだ。

ゲームだと海の魔物と戦うのは、海のダンジョンだけだったからな。


ちなみにこのボート、簡易的な物ではあるがレーダーが付いている。

方角がわかる程度だけど、迷うこともないのでありがたい。


このボートなら、エンディールが用意した船より早くドラフバル連合国に着くはずだ。

理由は簡単、スピードが違いすぎる。

最高速200キロ出るが、風の魔法で保護されてるので快適に走れる。

大型の、しかも恐らく人力の船と比べると天と地の差だ。


「この船ってドラフバルで作ったんだっけ?」


「そうだよ。ユーマも会った事あるはずだけど。生産職だけで月の課金分稼いでるのはあの人とその仲間達だけだろう。」


生産職は色んな物を作れるので、アイデア次第では一攫千金も普通だった。

だが、継続して稼ぐことができるのは本当に極一部の人間だけ。

俺が知ってるのは、このボートを作った人だけだ。


東の大陸の最南端に到着した。

できるならこのボートは知られたくないので、すぐにマジックボックスの中に入れる。


「やっぱりこれって存在しないのかな?」


「多分な。あったとしても、これより性能低いと思うぞ。ゲームと同じなら手に入れるのはかなり難しくなるはずだからな。」


ボートを作るために必要なアイテムはエンドコンテンツ内で取れる鉱石とその粉末が必要になる。

この世界でも同じなのかはわからない。

それでも面倒なことに巻き込まれるくらいなら、隠しておいた方がいいだろう。


大陸の中央に向かって走っていたが、ゲーム内でダンジョンだった洞窟を見つけた。


「確認のために入ってみるか?」


「そうだね。念のために入ってみた方が良いと思う。」


2人の意見が一致したので、洞窟に入ってみる。

構造はゲームと全く同じだな。

魔物もそこまで変化なし。

このダンジョンで手に入るアイテムは鉱石系が多かった。

壁や天井を見回すと、掘られた後がいくつもあるから、同じなのだろう。


「奥まで行くのも面倒だな。この辺で引き返そうか。」


これ以上は得ることも無さそうなので引き返す。


ダンジョンの近くには街がある。

遠くから街を観察してみたけど、戦時中って感じでもないな。

小腹はすいたけど、まだまだ走れるので移動を優先。


ダンジョン付近の街から約1時間走ると、ドラフバル連合国首都ドラフバルが見えてきた。

馬車で移動していたら、2日くらいかかるのではないだろうか・・・。


「すんなりと街に入れると思うか?」


ユーマの言うとおり、最悪敵対することもありえる。

エンディールだけでなく、ガルガンズにも確認をしてもらえるように伝えてみるか?

そんなことを考えていたら後ろから声をかけられた。


「あんたら、どこから来たんだ?この辺のやつじゃないよな?」


冒険者のチームであろう5名。

声をかけてきたのは斥候役だろう。

俺もユーマも気付いていたんだけどね。

敵意がなかったから放っておいただけだ。


「南のエンディールから来たんだ。だが、証明する物がなくてな。」


ユーマが交渉に入った。

俺は駄目だった時の作戦でも考えるか。


「念のために聞くんだが、あんたら勇者様か?」


おっと?

話が早く済みそうだぞ。


「実はそうだ。俺はユーマで彼はシュウ。エンディールに召喚されたんだけど、ちょっと意見の食い違いがあってな。」


なるほどと頷く。

そんなに簡単に信用していいのか?

こいつら大丈夫かな。


「ギルド内の映像投射魔法であんた達の姿は見てたからさ。似てるとは思ってたけど本当に本人だとはね。」


映像投射魔法って、運営がイベントの時に使ってたスクリーンの別称じゃねえか。

確かに冒険者ギルドにはあるな。


「ギルドカードとかは作ってないのか?」


そういえばそんなアイテムあったな。

でもあれは大事なものに分類されるものだ。

念のためマジックボックス内を探してみたけど、なかった。


首を横に振る俺達を見て、自分達に任せてくれと言い出した。


「勇者様に恩を売れるチャンスを逃すなんて、ただの馬鹿だからな!大船に乗ったつもりで任せておいてくれよ!」


騙すつもりならやめておいた方がいいぞと思いながらも、他に良い案もなので任せることにした。


門はすんなり通れた。

勇者達がエンディールと揉めたと説明していたが、それだけで素通りできた。

すぐに首長のところに連れて行くようにとも。


案内されるまま、街の中央に建っている会議場に向かう。

連合国であるドラフバルは城がない。

代わりに会議場に首長がいて、政治を行っている。


「エンディールから連絡は受けていたよ。ようこそドラフバルへ。」


ドラフバル連合国首長ドラフバル。

ちなみに街の名前もドラフバル。

このドワーフどれだけ自分の名前好きなんだって思う。


「エンディールからは協力しないでほしいと言われたけどね。我としては君達の考えに賛成だから拒否しておいた。北の大陸に渡るための気球は任せてくれていいよ。いくつかやってもらいたいことがあるから、それが終わればクリスタルも渡そう。」


魔物退治だろうな。


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