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問題勃発?


ドーピングのデメリット効果は3時間ほどで終わり、獣王からクリスタルを受け取る。


「もう少し居てくれても構わんぞ?お主らに頼みたいことは多いからな。」


まだ働かせようってのか。

生活を保障されてるから、堂々と文句は言わんけど。


「東と北にも行かなければなりませんので。なるべく早く争いも終わらせたいですし。」


勇者らしく断る俺マジクール。


「それでは転移魔法陣まで案内します。どうぞこちらへ。」


見た目から魔法使いって感じのおっさんに案内される。

別に案内いらないんだけどね。

転移魔法陣はよく使うものだったから、場所憶えてるし。


魔法陣に乗り、俺達の体は光に包まれる。

光が収まると、目の前にはリーリアさんが立っていた。


「お帰りなさいませ。獣王から連絡を受けましたので、お迎えにあがりました。」


ケモ耳も良かったが、この人の色香は別物だな。

女性の甘いものは別腹ってのと同じだろう。


「まずは、ゆっくりとお休みください。これからの話は明日の昼以降にでも。」


既に夜だからな。

ゆっくり寝て、明日に備えよう。


ユーマと別れ部屋に行くと、硬いパンとうっすい味のスープが大量においてあった。

またこの食事か・・・。

ガルガンズでは倒れたこともあって、胃に優しい食べ物も多かったけど、それなりに良い物食べさせてくれたんだけどなぁ。


腹は減っていたので、綺麗に全部食ってさっさと寝た。



疲れが溜まっていたのか、昼まで熟睡したようだ。

ユーマに起こされ、いつものパンとスープで腹を満たすと中庭に行く。

日向ぼっこしながらユーマと喋っていると、ふと疑問が浮かんできた。


「思ったんだけどさ、ガルガンズに行ってから時計回りで大陸周ってくれば良かったんじゃないか?」


俺の疑問にユーマも確かにと頷く。


「戻る分時間の分無駄になったよな。帰ってきてもやることはほぼ無いし。」


確かに疲労はあるけど、移動中に休めるからわざわざ城で休む必要はない。

リーリアさんに理由を聞こうと思ったら。朝早くに出掛けたそうだ。

次の大陸に渡るための準備だろう。



夕方になるとリーリアさんは帰ってきた。

次に渡るのは東の大陸に決まった。

俺とユーマは、東の大陸でクリスタルを貰ったら、そのまま北の大陸に渡ると伝えた。

リーリアさんは激怒していた。

どっちが発案者なのかとか、俺達にはそんな力はないとか。

ユーマも驚いていたな。


「はぁ・・・、あなた方の生活は基本的に我々エンディールがみています。渡航費も出しているのは我々です。東の大陸から直接北の大陸に行くならその渡航費は出しません。あなた方が自分でドラフバル連合国と交渉して、北の大陸へ渡ってください。」


顔に『お前らにできるわけがない』と書いてある。


「わかりました。シュウ、行こう。」


ユーマもムカついてんのかね。

2人でその場を離れようとするとリーリアさんの苛立った声が届く。


「待ちなさい!気が変わりました。東の大陸に行くのも自分達で行ってください。調度良い試練になりそうですから。」


おうふ。

この人あれかな、自分の思い通りにならないとキレちゃうのかな。


「あなた達は自分達のわがままで、この世界を滅びに近づけるです。」


そう言うとさっさと出て行けと追い出された。


「シュウ、どうする?」


どうするも何も、別に俺達は手助けなんていらないんだぞ。


「俺達の対応が悪かったのかな?でも、さっさと魔王倒すべきだと思うんだよな。」


ユーマは優しいね。

あれだけ手のひらクルーされたってのに。


「この大陸と西のクリスタルは既にあるんだ。予定変更してさっさと進めよう。」


マジックボックスの中身がゲーム時と全く同じ。

これはできないことがほとんどないってことと同じ。

わざわざ船出すとか、馬車出すって言うから付き合ってあげただけなんだ。


「すぐ出発しよう。今なら夜に海辺まで辿り着けると思うし。」


ユーマは俺の案に頷く。

2人でそのまま外に出る。


案の定見張りがいるな。

城下町から着いてきてるやつもいるし、外に出ると倍に増えた。

今まで手を抜いてたことに気付いてるやついるのかな。


「東の岬に向かおう。途中で洞窟やら森やら経由すれば見張りは撒けるだろう。」


いきなり全速力で走り出す。

見張りは大慌てで、姿を隠すこともなく追いかけてきた。


途中、森の中を通り、3人ほど不意打ちして気絶させた。

残りを数えると12人。

15人で追ってきてたのね。


途中ユーマと別れてみた。

俺の方に7人。

半々にはならずか。


ユーマと合流して、気付いたことを話し合う。

意見は大体一致した。


目的地に着くまで1人ずつ気絶させていくと、流石に怒ったようで攻撃してきた。

残り4人になってから反撃してきても遅いだろうに。


「これ以上好き勝手させん!大人しく捕まらないと、こちらとしても奥の手を使わせてもらうぞ!」


そんなこと言うもんだから、止まってやった。


息切らせながら、ゆっくりと近づいてくる。

途中から本気で走るのやめたんだけどなぁ。


「さあ、城に戻ってもらうぞ!頭を下げて許しを請えば、我等の船で連れていってやる!」


ユーマの方を見ると、完全に怒ってる顔してた。


「とりあえず、あんたら見張りは信用ならん。ここで寝ててもらう。」


ユーマが威圧してる間に、気配を消して見張り達の後ろに回る。

完全にユーマのことしか見えてないので、簡単に気絶させることができた。


「さて、これで監視は全部潰したはずだし、東の大陸に行くか。」


マジックボックスの中から1人乗りのボートを取り出す。

競艇で使われるような形をしたこのボートは、海だろうと陸だろうと、浮いて移動することができる。

低いところから高いところには移動できないが、高いところから低いところなら飛べる。


「もう少し東に行けば海岸があるはずだから、ここから乗ってそこから海に出よう。」


さあ、東の大陸に出発だ。

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