第一話 死への執着
第一章の内容を再構成したものを、10話で投稿しなおします。
一度読んだ下さった方ももう一度読んでみてください。
※11/15 加筆修正
新暦 2630年
大陸西部にあるフェルス帝国
フェルス帝国の帝都は北、北西、北東の三方向を大きな山脈で守られている。
そんな、帝都は大きく三つの区画に分かれていた。
北には皇帝の住まう王城が。東には将来を担う子供達が通う学園都市が。西には商会や娯楽などの集まる商業都市がある。
そして、フェルス帝国は王城『ベルダンディ城』を中心として三つの壁で成り立っていた。
一つ目は帝都の外周を覆う様に山脈まで聳え立つ壁。
この壁は帝都に住む全ての民を守る為の壁だ。
二つ目は更に内側、学園都市、商業都市に住む住人を守る為に築かれた壁だ。
最後に、三つ目は帝都の最深に聳え立つ立派な城を守る城壁。三つ目の壁は言わずもがな皇帝を守る為の壁だ。
そんな、強固な壁に守られ平和な帝都にも影は存在する。それが、『スラム街』だ。
一つ目の壁の内側、一般市民が暮らす場所から少し離れた外周にスラム街は存在する。
スラム街にあるのは、ボロボロになった木造の建物、生きているのかも定かではない人や何かを暗躍する人間。
そして最も多いのが、その日を生きるのに必死な子供達だ。
帝都にあるスラム街の住人は前皇帝の時代に税などにより生活が苦しくなり、スラムに落ちた者やその子供が殆どだった。
そんなスラムの道端で一人の少年が眠っていた。
年は六歳程だろうか。体は痩せ細り、食事などロクに取っていないのが目に見えて分かる程、痩せておりボロボロのフード付きマントを深く被った少年だった。
少年は、息を荒げ大量の汗を流していた。
「っ……ふぅ…………」
(熱い……うるさい……うるさい……)
少年は、自分の脈の音で目を覚まし、鉛の様に重い瞼をゆっくりと持ち上げる。
眼を開けると周りを見渡し、自分の居る場所を確認する。
崩れかけの石で出来た家らしきものや、完全に倒壊した木造の小屋跡などが目に入る。
(はぁ……誘拐はされていないか)
少年は、自分の居る場所を把握すると、大きく息を吸い呼吸を整える。
少年の名は、アストルフォ=ジャネット=フェルス
「また……これか」
少年は一人そう呟き、少しずれたフードを被りなおす。
少年にここ三年間まともに眠れた記憶は無かった。
ただ、どうやって生きていくのか……
ただ、なぜ生きているのか……
だた、自分の存在とは何か……
だた、何故まだ自分が生きているのか……
それらをひたすら考えるだけの日々。
少年は何度も死のうとした。
しかし、死ななかった。死ねなかった。死ぬことが出来なかった。
ある時は、自分の意志が死ぬことを踏みとどまる。
ある時は、他人に助けられ死ぬことが出来なかった。
「はぁ……」
自分の存在に嫌気がさした少年は深いため息を吐く。
すると、路地の奥から汚い声が響き渡る。
「おい!アルクちょっと来い」
そんな下卑た声を掛けたのはスラムに居るとは思えない程、肥えた腹をした男だった。
「……」
アルクは内心、面倒と思うと足に力を入れゆっくりと立ち上がろうとした。
しかし、大量の汗をかいた所為かアルクは、脱水症状の様な症状になっており、自力で立つのが難しかった。
「っく……」
それどころか体を動かす事すら難しく、その場に倒れ込んでしまう。
そんなアルクの姿を見た、小太りの男の子分が業を煮やしたのかアルクの胸倉を掴み持ち上げる。
「兄貴が早く来いと言っているんだ!早く立て!」
そう言われたアルクだが立てない物は如何しようも無く、子分の表情がみるみる不機嫌になっていく。
「おい、そいつを連れて来い」
そんな中、小太りの男は冷静な声でアルクを連れてくるよう、子分に命令をする。
アルクはその言葉を聴くと、内心ため息をつく。
「はぁ……」
それは、今まで何かとアルクを憂さ晴らしのサンドバックにしたり、犯罪に巻き込もうとしてきたからだ。
その度にアルクは無理やり逃げていたが今回はそれが出来そうになかった。それ程、今のアルクは衰弱していたのだ。
アルクは、子分の男に引きずられるような形でスラム街の広場まで連れて来られた。
そこには、一つの馬車とフードを被った人物が立っていた。
「おい、こいつはどうだ?」
小太りの男がフードを被った人物に近づいていき、そう言うと首を縦に振り、頷く。
すると、フードを被った人物は懐から小さな袋を取り出し、肥えた腹の男に手渡すと『チャリン』と金属音が響く。
(売られたか……)
アルクは、金属音を聞くとそう思った。
これは、スラムではよくある事だった。金の無い大人が誰かも分からない子供を、怪しげな商人に売りさばく。スラムでは日常茶飯事だ。
当然アルクも今までに何回も売られそうになったがその度に逃げていた。
しかし、衰弱しきった体で逃げる事は叶わなかった。暴れる事すら出来ず、ただ捕まっている事しかできない。
男は、フードの人物にアルクを受け渡す。
「それじゃぁな、アルク。ぎゃぁっははははは」
そう高笑いをしながら、男たちは路地へと消えていった。
「馬車に乗れ」
男たちが見えなくなると、フードを被った低い声の男にそう言われる。アルクは体を無理やり動かし何とか馬車に乗り込むと、馬車の隅に座り込んだ。
「随分おとなしいな……」
抵抗を一切せず、馬車に乗り込んだアルクの様子を不審に思ったのか男がそう言った。
しかし、そこまで気にする事でもないと思ったのだろう、すぐに馬車の幌を閉める。
当然、最初はアルクも逃げようと考えた。しかし……
(このまま行けば、死ねるかな……)
そんな事を考えながらアルクが腰を下ろしたところで、周りを確認する。
すると、同い年から少し上くらいの子供たちがアルクを除いて15人乗っていた。
「っつ………ふぅぅ……」
馬車内の状況確認が終わると、アルクの体に再び猛烈な怠さが襲う。
(気を抜いたからか……や、ばい……)
そして、アルクの意識は急激に刈り取られた。
♰
それから、しばらくするとアルクは目を覚ました。
しかし、意識を失った時に頭を打った固さとは違い後頭部には柔らかい感触が有った。
アルクは、ゆっくりと瞼を持ち上げると優しい表情の少女の顔が現れる。
「っあ……目を覚ましましたか?」
そう声を掛けて来たのは、どう見てもスラムの人間では無く豪華な服を着ており、年齢はアルクと同い年くらいの六歳前後、白に近い紫の髪を長く伸ばした少女がアルクの顔を覗き込んでいた。
そして、意識が覚醒していくにつれ、今アルクが置かれている状況を理解していく。
「す、すいません……」
アルクは、鉄の様に重い体を慌てて起こそうとする。
しかし、少女の手によって起き上がろうとした上半身を押さえつけられてしまう。
その際に、アルクの視線にある物が映った。
少女の小さく、細い腕には似つかわしくない金属で出来ている手枷。
「だめですよ……熱が有るんですから。ゆっくりしていてください」
しかし、少女は手枷を気にする素振りを見せず、ニッコリと笑った。
すると、その少女の笑顔がある人物と重なりアルクは少女を見つめてしまう。
「ん?私の顔に何かついていますか?」
と、少し首を傾げ不思議そうな顔をする少女。
「いえ、何でもありません。ただ、かわいらしい方だと思っただけです」
その言葉は、アルクにとって適当にはぐらかしたつもりだった。
「え!?」
しかし、少女は急に言われたアルクの言葉に顔を赤くする。
あんな事を言われるとは予想していなかったのだろう。
「そ、そう言えば、まだ自己紹介をまだしていませんでしたね。私は、セレスティーナ=ジャンヌ=フェルスと言います。どうか、セレスとお呼びください」
少女は話を逸らしたかったのか唐突に自己紹介すると、体制上お辞儀する事ができず小さく会釈する。
しかし、アルクが気になったのはセレスの名前の最初、家名の部分が頭の中で引っかかる。
「フェルス……」
アルクは思わずそう呟いてしまった。
アルクも性として持つ名前。
この世界でアルクが一番大切だと思っていた人物との繋がりを持つ名。『フェルス』
「おや?気が付きましたか?」
「いや……誰でも気が付くかと……」
セレスは、何処か嬉しそうに口元を隠し笑みをこぼす。
『フェルス』それは、フェルス帝国初代皇帝の血を一番濃く引く一族のみが名乗る事を許された家名。
そして、セレスの家名がフェルスであると言う事は、この国の姫であると言う事を表していた。
(姫が誘拐か……城は大騒ぎだろうな……まぁ、俺が如何にか出来る事ではなしどうでもいいが……)
アルクがそんな事を考えていると、セレスが暗いため息を漏らした。
「はぁ……普通は気が付きませんよ。特にスラムの子供達は……」
そう言ったセレスは何処か悲しそうだった。
スラムの人間は世間や情勢にとことん疎い。それは、世間一般とは全く異なる常識や階級がスラムの中に存在するからだった。
(この国の姫として、スラムが有ると言う事が許せないのか……優しい人なのだろうな……)
熱の所為か乾いた目をしているアルクにもセレスは、優しい人物だと認識することが出来た。
しかし、それと同時にその優しさはセレス自身を苦しめるともアルクは思ってしまった。
(誰にでも優しいのはもろ刃の剣……誰かを守れた時は良かったと安心できる。しかし、誰かを守れなかった時、自身の心を擦り減らせていく……。優しい人は大抵、壊れる)
アルクはそんな事を考えながらも、セレスに自己紹介を始める。
「こんな格好で申し訳ありません。僕は、アスフォルトと申します。どうぞアルクとお呼びください。セレスティーナ様」
「ふふ」
アルクはフルネームを言わずにアストルフォと自己紹介をする。
すると、セレナは笑みをこぼす。
「どうかしましたか?」
「いえ、貴族みたいな喋り方をする方だなと思いまして。その年でそんな喋り方、貴族の子でも普通はできませんよ?私の立場に気が付いてもです」
セレスは、そう言うとアルクの過去を探ろうとするような目線を向けた。
「母に教えてもらっただけですよ……」
セレスの疑念の目線に対しアルクはそう言った。しかし、セレスはそれだけだとは到底思えなかった。
(教えてもらった?違いますよね……普通の六歳児はそこまで物覚えは良くない。私達皇族は代々、知能的な事は早くから発達しますが彼方は違う。それに……この魔力の色……いえ色が無い魔力……)
そんな思考をしていると、セレスは思わず思っている事を口に出してしまった。
「アルク君は何者ですか?」
セレスは唐突に六歳とは思えない迫力でアルクに問いかけた。
「普通の、スラムの孤児ですよ…………」
アルクは苦笑いを浮かべそう答える。しかし、セレスはアルクが普通の孤児だとは思えなかった。
「まぁ、そう言う事にしておきましょうか。今はそれどころではありませんし。それに、大丈夫ですか?また息が荒くなってきていますよ?少し、眠ってはいかがですか?」
少し、息が上がってきたアルクにセレスは優しく微笑みそう言った。
「申し訳ございません。そうさせて頂きます」
そう言うと、アルクは瞼を閉じた。
「本当にあなたは………何者なのですか?その首飾りはお母さんしか持っていないものですよ……」
と、アルクが眠ったと思ったのか少女は小さく呟いた。
しかし、まだ眠っていなかったアルクは、セレスの言葉を聞き母親の事を思い出していた。
アルクが生まれる前にアルクの父親は、冒険者の仕事に出て以降、帰って来なかった。そして、三年前にアルクの母親は、突然現れた男達によって強姦された挙句に殺された。
(気分の悪い事を思い出した……)
アルクは内心そう呟くと、眠りについた。
一時間程ゆられると突然馬車は止まり、アルクの肩がポンポンと優しく叩かれた。
「アルクさん、起きてください」
「……あぁ……すみません」
アルクはセレスの声で目を開け、重い体を動かし起き上がる。
すると、馬車の幌が開けられた。
「おい、降りてこい」
アルク達を買ったフードを被った男がそう言う。
子供達はその男の言う通り馬車から降り始める。
しかし、アルクは思う様に体が動かず、なかなか立ち上がる事が出来ず馬車の中には二人だけが残されていた。
「そこの二人も早く降りてこい!」
そんな、アルクとセレスは男に強く言われる。
しかし、身体が思う様に動かないのは如何しようも無かった。
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です」
ふらふら立ち上がったアルクを心配したセレスが、肩を貸してくれる。
「本当に?」
「……すいません」
アルクはセレス一言そう言うと、支えてもらいながら馬車を降りる。
「お前らも早くこの中に入れ」
男が指さした建物は森の木々に覆われよく見えなかったがドーム状の建物が薄っすらと奥に見えた。
建物の前には道らしきものが薄っすらあるのみで、ただの獣道にしか見えない。
ざっくりと辺りを観察したアルクは男に促され、獣道をセレスに支えて貰いながら、ゆっくりと進み建物の中に入っていく。
「お前はこっちだ」
建物に入ってすぐに男は手枷をしたセレスだけを子供達の列から外して別の道へと誘導する。
「分かりました。アルク君大丈夫ですか?」
セレスは指示した男を一瞬睨むがすぐにアルクに心配の声を掛ける。
「はい……何とか……」
セレスの支えが無くなり、アルクはフラフラと立っている。
「早く来い!」
「分かりました」
セレスは心配そうにアルクを一目見ると、それ以降は前を向いたまま男について行った。
そんな、セレスの対応は六歳前後の少女に出来るものではなく毅然とした態度で何処か手慣れているような感じすらする。
「お前はあっちだ!」
「すいません……」
セレスの行方を見ていたアルクはこの施設の入り口に居た男に注意され列の最後尾でふらふらとしながらも、ゆっくりと歩いていく。
♰
アルク達が連れていかれた場所は子供が十五人、入るには少し狭い位の部屋だった。
窓は無く、隙間から差し込む光も無い。只あるのは無機質な石を積み上げた壁と木製の扉だけ。
「ここに入れ」
男にそう言われると子供たちは暗い顔で俯き無言で部屋の中に入って行く。
アルクは部屋の中に入ると一番奥の壁際に腰を下ろす。
すると、拳くらいの大きさで尖った石がアルクの視界の端に映る。
(これがあれば……)
内心そう思うとアルクは石を手に取り地面にこすり始めた。
そして、一時間程の時間が過ぎると男が部屋の扉を開けた。
「お前、出てこい」
そう言い男はアルク…………の隣に居た少女を指さした。
「っひぃ」
少女は怯えた声を漏らす。
しかし、怯えながらもゆっくりと震える足で立ち上がると一瞬アルクに『助けて』と言う目線を向け一扉の向こうへと消えていった。
(……悪いが、俺には何の力も無い。ただ弱いだけの無力な人間なんだ……)
それから三十分ごとに一人、また一人と男に連れていかれ石が研ぎ終わる頃にはアルク一人になっていた。
(これで、やっと…………)
アルクは内心そう思うと何処かホットした。
そして、尖がった石の先端を自分の喉に押し付けようとした。その瞬間だった……
ガチャ
力を入れる寸前に男が部屋の扉を開けた。
「おい!お前、何をやっている!」
「何って……」
アルクはそう小さく呟くと石を力無く手放した。
すると、石が少し刺さっていたのだろか、首から少し血が流れた。
「はぁ……今回はとんでもないのが居たものだな。まぁ、安心しろ。もうすぐ死ねる」
男はそう言うと口角を吊り上げ笑みを浮かべた。
「さっさと出てこい」
そう言われ、アルクは部屋の外へ出る。
すると、アルクの歩くスピードが遅いと思ったのか、男に首根っこを掴まれ連れていかれた。
男にアルクが連れてこられた場所は恐らくこの建物の中心にあるドーム状の建物だろう。
その床には魔法陣の様な五芒星の溝が彫られていた。
そして、その五芒星の溝には溢れんばかりの赤黒い液体で満たされていた。
(さっきの子供達は死んだのか…………しかし、これは先程の子供達だけじゃないよな……まぁ、良いか。これでようやく俺も死ねる……でも、苦しむのは嫌だな……)
そんな事を考えていたアルクだったが今まで下を向いていたアルクがふと五芒星の中心を見るとそこには見覚えのある少女がいた。
しかし、その姿は無残なものだった。
着ていた豪華な服はボロボロになり、体中に傷があり、斜め十字架に張り付けにされていた。
「セレスティーナ……様……」
「アルク……くん?」
セレスは、アルクの言葉が聞こえたのか、アルクの言葉に反応するように名前を呼んだ。
しかし、ギリギリ意識があると言うだけでアルクを視認は出来ておらず、虚ろな目をしていた。
アルクは再び周りを見渡す。
(これは……なんの儀式だ?)
五芒星や赤黒い液体。そして、その中心で斜め十字架に張り付けにされているセレス。
誰がどう見ても怪しい儀式だ。
「さて、それじゃぁ、始めるぞ」
アルクを連れてきた男のその言葉で周りからフードを被った人物が十数人出てきた。
そして、その中の一人がアルクに近づくとアルクの手を取り手首を刃物で切った。
当然、血管が切れ血液が大量に噴き出す。
「っう……」
しかし、この量が一気に出ればアルクの意識は後、数秒も持たない……はずだった。
フードを被った人間の一人がアルクに何らかの呪文を問える。
すると、アルクの意識が取り戻される。
さらに、続けざまに違う呪文を唱えると今度は血液を失った事による体のだるさが薄っすらと消えていく。
しかし、痛みと元からある体のだるさが無くなることは無く、アルク自身は今すぐにでも叫びたい気分だった。
「今回のカモは随分と静かですねぇ~」
そう言いながら奥から出てきたのは、教会の司教の様な格好をした肥満体系の男だった。
「それでは、始めますよ」
「イエス・ユア・マジェスティ」
「######・$$$$$$・%%%%%…………*@/“+-#$&%‘」
アルクには聞き取れない言葉で男たちは詠唱を始めた。
「っゔ……ゔわぁぁぁぁっぁぁあああ」
すると、セレスを包むように赤黒い稲妻が走り、セレスが絶叫した。
セレスの絶叫がアルクの耳に届くとアルクの流した血液がセレスに向かって流れ始め、それを辿る様にして、アルクの体にも赤黒い稲妻と激痛が走り始めた。
「っう……」
しかし、アルクは叫びそうになる声を必死に堪えた。
別に堪える必要はない。
しかし、アルクは叫ぶことはしなかった。
「こ、これは!やっと見つけましたよ!前皇帝の隠し子を!」
(誰が、前皇帝の隠し子だ……そんなもんになった覚えは無いぞ……)
内心そう叫びながらも、歯を食いしばり痛みを必死に耐えるアルク。
「姫の方の手首も切れ!この二人を触媒に卸しますよ!」
肥満男の言葉に従いフードを被った人達の一人がセレスの近くに行き刃物でセレスの手首をきろうとした瞬間、アルクは今まで感じていた痛みを何百倍にも圧縮した様な強烈な痛みが全身を駆け巡った。
「ゔばわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
しかし、一瞬で壮絶な痛みを体感したアルクは満身創痍の状態で壮絶な脱力感が全身を襲っていた。
「はぁ……はぁ……」
そして、少し呼吸が落ち着くとアルクは、気が付いた。
周りの時が止まっている事を……。
読んでいただきありがとうございます。
徐々に改変後の一章を再投稿していこうと思っています。
それが終り次第、第二章の投稿に入りたいと思います。
最後に、読んでみて面白い、続きが気になると思ってくださった方はぜひ、ブックマーク、評価をお願いします




