大きな木
一本の大木が、目の前に横たわっている。
僕の身長の2倍くらいの大きさで、乗り越えるのは無理そうだ。
しかし、全長200kmあるらしい木のちょうど真ん中らへんにいるので、回り込むのも不可能ではないが難しい。
というより時間がかかり過ぎる。
立ち尽くしていると背後で大きな音がした。
同じ大きさの木が倒れていた。こちらの木もやはり、真ん中のあたりが僕の目の前にある。
僕はここら一帯の地図を開いて絶望する。
今、僕の行く手を(退路も)塞いでいる二本の巨木の間に、もう一本同じ大きさの木があるのだ。
倒れてきたら確実に押しつぶされるだろう。この場から逃げようと決意したときだった。
頭上にあった太陽が遮られ大きな影に覆われた。