第1話
今日は、アリスは家でのんびりと過ごしていた。
普段のアリスの仕事である接客は、花の収穫も配達も終わっているため、鴛鴦ローズ夫妻が仲良く会話しながら、店の方に出ていたからだ。
正確には、逃げてきたというほうが正しいかもしれない。
今日も何百回も聞かされてきた母のエメラルドが父アレキサンドに一目惚れした瞬間の馴れ初めを、また、どれだけ父親がかっこいいかを飽きもせずにアリスに聞かせようとしていたからである。
これを語らせると、1時間半はその場から動けなくなる。
上に、仕事どころではなくなるのだ。
幾度となく、その目にあってきたアリスは、そこから逃げる術を学ぶようになった。
そして、今回もどうにか説き伏せて、家に帰ってきたのである。
「新作ケーキでも開発しようかなぁ。。。」
アリスは、キッチンで必要な器具や材料を台の上にズラッと並べた。
そして、ケーキに入れる花を選ぼうと思い、温室へ行くことにした。
温室に向かおうと勝手口を引き開けると、開けているはずの視界を阻むものがあった。
勢いあまって、強打する寸前でどうにか止まったアリスは、その重いなにかを少し押して、どうにか外に出た。それは大きめの縦長の四角い箱だった。
160cmあるアリスの肩くらいの高さで、幅は1メートル・・・は、いかないくらいだった。
とりあえず、ずっしりと重いものを10分ぐらいかけて家の中に押し込んだ。
そして、上の蓋のようなものを持ち上げて、中を覗き込むと
・・・・・・赤い薔薇に囲まれた頭があった
「ぎゃあぁぁぁあぁぁぁ〜〜〜生首ぃいいぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!!!!!うっ・・・・・・げほっ」
叫びながら、箱から距離をとろうと後退したアリスは、キッチン台に思いっきり腰を打ち付けて、あまりの痛さに膝をつき、唸った。
と同時に、台の上に並べられていた材料などが、ドカドカと派手に床に落ち、アリスには見事に小麦粉の袋がクリーンヒット。
すると突然、
「なにごと!?」
と青い目をパッチリと大きく開けた、さきほどの生首と繋がっている胴体がガバァッと登場して、花が舞い落ちた。
そして、目の前の真っ白なアリスを見て、目を見開いた。
アリスはというと、みすぼらしい全身真っ白の自分の状態を忘れ、
クセのある髪と青い目が印象的で、今まで見たことの無いほど整っている中性的な顔を目の当たりにし、無遠慮に凝視していたアリスは、若者の大きく見開かれた長い睫毛が上下に動くことで、ようやく意識を取り戻し、エプロンで顔を拭きながら訊ねた
「・・・えぇっと〜〜〜〜どちら様ですか????」
すると、その人物は、
「この家のおばあさんですね!!!私をこの家の息子にして下さい!!!!!!!!」
と言い放ったのだった。
まだ、1月に考えていた内容を修正して投稿していル段階です;;
これが3話目から無くなって、投稿続けられるか自信が・・・(;^^)
投稿し続けてる方は、改めてすごいと思いました!!