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06 俺が弱いと判明するまで

「では、みなさんステータスの出し方は分かりますか?」


王女は、そう言った。

まぁ、今のところでステータスの出し方を知っているのは俺だけ。

頭の中でステータスと念じて、ポンと出す。


「出し方は、頭の中でステータスと念じれば出ますよ!」


王女……悪女の先手を打てたことに少しだけすっきりとする。

ドヤ顔してもいいかなこれ。


「おぉ!なんか出た!」

「数字に……なんかゲームみたいだな!」


自分のステータスを今一度確認する。



『佐竹颯太』 

種族:人間(笑)

性別:男(汚物)

職業:勇者...etc

年齢:17

《ステータス》

レベル:1

体力:100

魔力:100

攻撃力:100

防御力:100

敏捷性:100

魔攻力:100

魔防力:100

運:1000

魅力:不明

《装備》

ただの私服(上着) ただの私服ズボン ただの下着 ただの靴

《スキル》

錬金術(否定された存在) ステータス隠蔽

《状態》

通常

《契約》

?(否定された存在)



平均がどれくらいか分からないけど、結構強そうな能力というのは分かる。

自分の生まれつきの異能……敵の行動が読めるってのはどれの事かわからないけど、一番可能性が高いのは契約の欄にある?だろう。


あとは、職業のエトセトラが気になる。

なんとなく指で触れてみると、あの忌まわしきエロポップアップ広告のようにポンと新しい窓が開いた。



『職業』

勇者

神を殴りし右手

王を殴りし右手

権威を恐れぬ右手

否定された存在

転生者

狙われた者



いや、なんかよくわからん。

勇者は分かるけど、俺転生なんて……、あ、死んだのか。

親父は元気かな……まぁ、意識が戻ってないんだけど。

その辺りだけが、元の世界への心残り。親父は大丈夫かな……いや、冗談抜きであの親父が意識を取り戻しても生活能力がないからいろいろまずそう。


否定された存在ってんほあ、少しばかり心が傷つく。


ッて思ったけど、このステータスって触ったら詳細が見れるんじゃないのか?

とりあえず、職業の窓の右上にある×マークを触って消し、ステータスを眺める。


まぁ、体力も分かる。魔力も分かる。

というか数字が書いてあるのは分かる。


不思議なのは、あの神からボそっと言われた否定された存在の効果。

あれって、場合によってはいろいろまずいんだが……


恐る恐る指を近づけて、『否定された存在』を触る。



『否定された存在』

この特徴のついたスキル、契約などは、他の人に詳細を知られると効果を失う。

効果を取り戻すには、知った人の消滅という手がある。



……えっと、簡単にするとこの名前がついた物は誰にも言ってはいけないという事だろう。

で、もしこの力が詳しく知られたら……その能力は使えなくなり、再び使えるようにするには……その人の消滅、いわば殺さなければいけないと。


まぁ、能ある鷹は爪を隠すならぬ、能力ある勇者は能力を隠す。

誰にも言わなければいいというのは案外簡単だろう。

ステータスが見られることは無いと思うが、まぁ、その為にステータス隠蔽というのが増えているのだろう。


まぁ、だれにも見せないしこれは放っておいて……


「あ!みなさんに合った武器とかを取り繕いたいので、今から全員のステータスをこの人に見せてください!もちろん私も見せてもらいますが!」


あ、やばい。

慌てて、ステータスの隠蔽を試みる。

ステータスの隠蔽と書かれた場所を触ると、もう一つ窓が開く。



『ステータス隠蔽』

特定のステータスの場所を消す。

この画面を出したままなぞったステータスが隠される。



書かれた通りに、契約の欄すべてと、さすがにスキルがないのはおかしいかと思い、否定された存在とステータス隠蔽を消す。最後に運の欄の0を一個消して出来上がり。あ、性別と種族の変な部分も消さないと。


「というわけで、騎士団長のアルデヒドだ!今から簡単にステータスの概要を説明しようと思う!自分のステータスプレートを見てくれ!職業とか装備、種族はなんとなくわかると思うから飛ばすからな!まず、数字が書いてあるところは各能力値を表している!文字の部分を触ると説明が出るから、まぁ自分たちで確認していってくれ!ちなみに勇者の平均値は100だ!次に技能!これは、基本的に生まれ持った才能のようなものだ!基本的に増えることはないが、特例で増えることはある!技能の横にレベルがあると思うが、これも使い続ければふえるからな。で、最後にレベル!これは、基本的にその人の成長度合いというのを現している。最大で100だ。まぁ、この辺りはこれから少しずつやっていく訓練で分かると思うから!何か質問はあるか?」


だれも、何も言わない。

自分のステータスを見て、笑ったり、隣のやつと教え合ったりしている。

ステータスは他人には見えないようで、口頭で言うしかないようだ。


「じゃぁ、ステータスを他の人に見せる方法をいうぞ!右上の部分の×はステータスを消すためにあるんだが、その左にある目のマークは他の人にも見えるようにするものだ!じゃぁ、全員それを押して俺に見せてくれ!」


ぞろぞろとクラスメイトはアルデヒドの前に並ぶ。アルデヒドは、ステータスをみてさまざまな感想を言っていた。


「おぉ!火の魔法のレベルがすごいじゃないか!しかも魔力が200も!さすが勇者だな!」

「降神術とは……めったに持ってる人がいない超レアすきるじゃないか!勇者がうらやましくなってくるぜ……」


わぁ、みんなつよそう。

名前からして強そう。


「……は?」


いろいろと見ていく中、アルデヒドは……一人の前で止まった。


「ちょっと待てちょっと待て、運以外オール300に?スキルを三つ持ち?光魔法に……神力に……威光……最強の勇者じゃないか!?」

「まぁ!お強いですね!燃堂様!」


うわぁ、うらやま。

なんだか、俺のスキルが弱く感じてくる。


と、前にも結構クラスメイトが並んでいるし、時間があるからと神様に言われた通り錬金術と頭で念じる。

前とおなじように前にネットショッピングの画面が移された窓が出てきた。


だけど、前と違うのは真ん中に基本設定を行ってくださいというのがもう一つの窓で出ていた。

とりあえず、『OK』のボタンを押す。すると、一旦窓は消え、直後もう一つ窓が現れた。



広告の表示をオンにしますか?

【オン】 【オフ】



衝動でオフを押そうとして……押しとどまる。

これって、意外と重要なものではないのだろうか?

どうせ、後で変更できるだろうし今はオンにすればいいだろう。

オンを押して、次に進もうとして……口があんぐりと開いた。



以上で基本設定は終わりです。

一万ポイントを追加しました。



その文字がで出て、確認した直後消えていった。

……基本設定短すぎないか?もうちょっと年齢とかアダルト商品はどうしますかとか一杯聞くことがあるだろうに。

あ、もちろん18歳以上でアダルト商品表示させるに決まってるけど。


っと、他のところで探ろうとしたら自分の順番がきた。

ステータスを開き、他の人に見られるようにする。


「……は?」


燃堂と同じ反応をされた。

まさか、錬金術ってだけでばれる?

……やばいな。場合によってはこの人を……


「すまないが見間違いだろうか……あまりにも弱過ぎではないか?」


……唖然としかできなかった。


「ステータスは平均的だが……どうにもこうにもスキルが弱過ぎではないか?」


直球な言葉が心にグサグサと刺さっていく。

クラスメイトの嘲笑の視線が刃のように心に突き刺さっていく。

もう、精神力は0よ!


「これなら、勇者じゃなくても……ってすまん!あまりにもひどかったな……」


その一言と共に……


「お、お前、弱いとかなんてことだよ」「ただのざこじゃねぇか!」「プ、プップ」


うわぁ、最悪。

でも、一番いらっときたのは、悪女(王女)の嘲笑する視線だった。

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