ホラーの洋館にはよくある話
「ぴょわっ!?」
廊下を踏みしめた瞬間に響いた床板の軋む音にエヴァーが悲鳴を上げて飛び上がる。
人間(魔族)驚くと本当に飛び上がるんだね。
「帰りたい!」
「ダメ」
俺の腕を掴んでプルプルするエヴァーさんは余程前回のアレが怖かったんですね☆
現在森の中の洋館を2チームに分かれて探検中です。
俺とエヴァーチームと、クラウスとルナとイナンナチームとでね!
この2つに分かれた理由?
まずはアンデットに有効な火を使う二人を分け、次に水を使える二人を分けました。
エヴァーとルナが組めば良かったのにね……戦力的な話で俺とエヴァーになったのよ、あとストッパーとしてね。
でも戦力云々ならエヴァーと俺のコンビって攻撃力かなり高くね?パワーバランスおかしくね?
ルナさん貴方面倒押し付けたんじゃ(ry
とにもかくにも、今回のクエストは森の中の洋館調査となります。
数十年前に何か事件があった洋館で、住む人も使う人も居なくて朽ち果ててたんだけどね。
最近この近辺にレアな薬草が生えてる事が分かって人が寄り付くようになったんだが……
洋館から呻き声が聞こえた悲鳴が聞こえた、人影が見えたゴーストが飛んでたとの話があがり……調査の依頼が入りました。
魔物が居たら討伐も、との事であります。
「何も出ないな……」
「だねぇ……」
つーか異常無いね……でも知ってるか?
「こちらは異常ありませんでした。しかし……」
「ルナも気付いた?」
合流したルナ達と情報を突き合わせる。
二階は特に無かったんだが、一階がね、
「「隠し部屋」」
って洋館とかの定番だよね!ワクワクすっぞ!
「隠し部屋!?」
「マジ?いつ気付いたんだよー」
「そう言えば入る前洋館の周りを探索してましたね……」
そうです!
ちゃんと洋館の周りを探索して窓の位置とか広さ確認したのよ?
結果、隠し部屋があるんじゃないかとの結論になりました!
ルナさんも言うなら確実だね。
「左側の小窓部分に当たる部屋が無くてさ……」
「どこかに隠し扉がありますね、しかし仕掛けは……」
仕掛け?問題無いです。
何の変哲もない壁に縦に一線、一ヶ所に突きを入れてぇ!蹴る!
そうするとあら不思議、壁っぽかった場所が長方形型で倒れていくよ〜
まあ何したかと言うと《見抜》スキルで隠し扉の蝶番とあの……ノブ回すと引っ込む場所?アレを見つけて壊したんだよね!
そこさえ壊しちゃえばイケるイケる☆
仕掛け?何それ美味しいの?
数十年使われなかったからか隠し部屋スッゴい埃っぽゴホゲフ……
ルナさんが《風魔法》で埃飛ばしてくれたからちょっとマシになったわ。
……研究室?みたいな?
何かよーわからん数式書いてあるんだが…異質なのは白いベール被って白いドレス着た骸骨だよね、背中に骨の翼付いてる。
でけーんだが、普通に人サイズの骸骨だしこの骨の翼も……どんだけデカイ鳥の翼の骸骨使ったの?
てか、これマジもんの人の骨??
「月天神……?」
おん?イナンナ嬢ご存知?
月天神って事は神様っすか?でもこんな骸骨が神様って良い予感はしねーな
「はい、邪教です。」
やっぱりっすか。
神徒は太陽神を信仰している、まあポピュラーな宗教なんだけど。
月天神を信仰している天使(天の使い(笑))は内容がアレで邪教らしい。
まあ魔法使うのに生け贄を捧げなきゃいけない時点でアウトだよね!
ねーよ、アウトだよ、超邪教だよ。
まあつまり洋館の主は邪教を信仰してた人って事だよね(真顔)
数十年の事件もソレ関係のきな臭いもんだったんじゃないだろうか。
「……オーリ様、この資料を」
ルナからテーブルに置いてあった資料らしき紙の束を手渡される。
何々………
「何の紙?」
クラウスとイナンナが横から覗き込む。
近いわ、てか小窓しか灯り無いから暗い。
「……簡単に説明しますと、人工的にスポットを作り出す実験についてまとめられた資料のようです。」
は?
「え?……人工的にスポットを、作る……?」
「は?何ソレ?」ぽかんとする俺等にルナが言葉を続ける。
「スポットは自然の魔力の吹き溜まりです。
人の魔力でも集めれば擬似的なスポットが作り出せるのでは無いか、との実験を行っていたようです。」
いやいやいや……何それ、とんでもないな。
つか、
「スポット一つ出来上がるのにスゲー魔力必要じゃなかった……?」
スポット一つ出来るのに自然界の魔力数年分の吹き溜まりが必要なんだけど……
「はい、その為ここの家主は……人を誘拐して、その人から魔力を……」
成る程、数十年前の事件はそれか。
人を誘拐し何らかの方法で無理矢理魔力を吸い取り蓄めた、と。
「胸くそ悪いな」
クラウスが呟く。
まったく持ってその通りだ。
「この実験……成功したんでしょうか?」
「分かりません、資料の最後に試すような事は書かれていたんですが……」
ガシャン!と、何かが壊れる音がした。
びっくりして音の先に視線を向けるとエヴァーが……おま、骸骨壊しおった……
一気にシリアスな空気が吹っ飛んだんだが……
「す、すまん……」
……そんな叱られた犬みたいな顔をされると困るんだが、いや、いいや。
この重苦しい空気を吹き飛ばした事については褒めようか?
それぞれ苦笑しながらエヴァーに声をかける中、ふと骸骨が立て掛けられていた壁に視線を向ける。
唐突に思い出したのだ、
エヴァーの引きの良さを
「ははっ……ビーンゴ………」
何の変哲もない壁の一部を押したら地下に続く隠し階段が出てきました。
隠し階段も定番だよね。




