新しい転生(じんせい)
早速だが俺が転生して10年、え?話が早いって?
まあ早くもなるだろう、思い出したくない諸々があるしな。
主に幼児期。
排泄とかご飯とか……赤ん坊時は諦めるけどさ……ある程度成長してから……
変じゃないようにわざと失敗したり、ね?目立ちたくないじゃん?
ある意味精神的羞恥プレイでした、ハハハ…
そんな諸々の苦難を乗り越え!俺は!成長!したよ!!!
主に精神的に!
まあ、そんなこんなでこの10年、色々判明した。
この世界にある大陸は菱形のような形をしている。
菱形の上部は魔帝領、魔族と呼ばれる種族が住み、左側が獣人が住む獣王領、右側が人間のすむ王侯領、そして下部に様々な種族が住む教皇領が存在する。
教皇領は簡単に言えばバチカンのようなものだが、今重要では無いので説明は省略する。
俺が住んでいるのは王侯領の端の端、魔帝領近くにあるカッツェという村だ。
魔帝領の近くだが、魔族は他種族と好んで交流をしないらしく見た事はない。
家族は父、母、兄2人の5人家族。
地位は領主だが、小さな村の領主なので凄く裕福なワケでもなく貧乏でもないフツーの暮らしだ。
父は村の自警団トップで腕がたつらしく、森に魔物が出るとよく駆り出される。
母は村の学校で勉強を教え、長男は村民と一緒に毎日畑を耕し、次男は商売に興味があるのか村一番の商人の下で修行中である。
……次期領主が村民と毎日畑を耕す……
閑かだなあ……
――――――――――
転生して俺は考えた。
何をしようかと。
領主は長男が継ぐだろう、その前に最初から選択肢に無かったが。
次男は商人になるつもりだと宣言していた。
じゃあ俺は?と考えてたどり着いたのは
冒険者である。
せっかくの異世界!
楽しまなきゃ損!
ってなばかりにチョイスし七歳の時に父に告げると、地獄の特訓が待っていました。
素手でフルボッコにされ剣でフルボッコにされ魔法でフルボッコにされ…
あれ?親父って田舎の領主だよね?
それとなく自警団のメンバーに聞いてみたら、この辺は冒険者ギルドのランクで言うとB級の魔物が出るらしい。
冒険者ギルドのランクは上からS級→A級→B級→C級→D級→E級→F級であり…
親父かなり強いじゃん!
と衝撃を受けた。
しかしまあ、そんな地獄の特訓のおかげでスキルアップが出来たのだが……
今じゃ自警団メンバーに余裕で勝てるよ!
そんな俺のステータスは今、こうなっている
名前:オーリ・カッツェ
種族:人間
年齢:十歳
性別:男
使用武器:木刀
スキル:《鑑定眼》(固定)
《器用貧乏》(固定)
《剣術》《体術》
《雷魔法》《風魔法》《氷魔法》《回復魔法》etc...
神様、スキル名はどうにかならんかったのですか?