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新入生歓迎会と言う名の性格矯正会

この迷宮学園には貴族の次男三男とか騎士希望の生徒が多く通っている。


そのため貴族の位を振りかざす者も居る、かと思ったが…



「おい、オーリ。どうやって魔石から素材にするんだ?」


「クラウス、その石から出るのは今必要な素材じゃないよ。」


「そうなのか?ありがとうイナンナ。」


「どういたしまして」



貴族の位?何それ美味しいの?

レベルで矯正されます。






――――――――――






入学式はつつがなく終了した。

理事長が某魔法学校の校長を彷彿とさせる雰囲気だった事以外は特筆すべき点は無かった。


大会議室に移動させられ何故か森でのサバイバルの仕方について説明が始まった…何故か


あれ?凄く嫌な予感。


各自武器を取りに部屋に戻され、集合場所の中庭に向かうと藍色のブレスレットと何かが入ったリュックを渡される。


「はーい!皆さん武器は持ちましたかぁ〜?ブレスレットおーけー?」


妖精種の教師が声をかける。


「入学前に保護者と自分の署名した書類はちゃあ〜んと学園に届いてるかなっ?届いてるから良いよねっ!」


書類っすか、そうっすね、確か《何があろうと自己責任、後でクレームしないでね☆(※命の保証だけはします)》的な書類に署名しましたよ…うん…


「死にそうになったら学園に戻されるから安心してね!

1週間経過したら学園に転移されまーす!






それじゃあ新入生歓迎会スタートっ!!!」






の叫びと同時に、






気付いたら一人森の中でしたよ☆


大規模な《転移魔法》だね…

いや、この魔法道具のおかげなの?


皆バラバラに飛ばされたのかにゃー…

とりあえず1週間…頑張れってこと?どの辺が歓迎会??


まずは水場確保と出来たらイナンナと合流かね…



こりゃ性格矯正されるわ、こんな手荒な歓迎されたら、ね。






――――――――――






運良くイナンナは近場に居たので即合流、水場確保!


二人で悩んでみたがどの辺の森かは不明だった。

まあ俺は村か町付近の森しか知らんしイナンナも同じようなもんだし。


リュックには水と食料数日分、火種、薄くて暖かな毛布等々…


まあサバイバル用品的なのがあって助かりました。


身一つで森に放り出されたのを考えればもう…ね!




イナンナも狩りをした事かあるということなので、交代で狩りと見張りをしながら水場を拠点に活動すると決める。


水場に向かう途中遭遇した魔物や獣は比較的危険度が低いので命の危険はないが、数が多めなので一人だと寝るのも気を抜けないよな…


歓迎会ってか交流?

遭遇した新入生同士力を合わせろってやつなのかねぇ…?

野営の準備をしながらそう思う三日目。


「―――――〜〜!!?」


……空耳か


「…………あの、」


…チッ、空耳には出来んかったか。


「悲鳴っぽいね、一応見に行ってくる」


刀を手に立ち上がる。

一応魔法袋に装備はあるけど、他の新入生と同じ条件で1週間過ごす予定なのでブーツ以外は装備しない。


「お願いします。何か用意しときますか?」


「あー、昼の準備?とか?ちょっと多めで。」


「了解しました。」


それだけ頼んで走りだす。悲鳴はそれほど遠くなかった気がするんだよな。


み・つ・け・たっ!


視界の先、少し開けた場所でがむしゃらに剣を奮う少年と数体のゴブリンが見える。

《風魔法》で速度を上げ、ゴブリンに飛び蹴りを食らわす。


「おん?やりすぎた。」


一発で頭が吹き飛んだ。

着地しながら刀を鞘から抜き、横にいたゴブリンを切り捨てる。


「は、え?」


状況が読めずポカンとしている少年は邪魔なので腕を掴み背後に投げ飛ばしておいた。

少し離れた位置にいるゴブリンを雷の檻で囲み一気に放電する。


サクサクっと戦闘を終了させ少年の方を向くと、彼は腰を抜かしていた。



…あれ?いつぞやの貴族っぽい彼じゃないですか。



立ち上がれないらしいので引きずって拠点に帰りました、背負え?知らんヤローを背負う趣味は無いよ?


連れ帰ってもらえるだけ感謝しろよ☆






――――――――――






イナンナが作ってくれた昼飯を食べ人心地がついた貴族っぽい彼、クラウスが話すには、


一日目はウルフに襲われ荷物を無くし二日目はさ迷い歩き、三日目の今日はゴブリンに襲われ散々だったらしい。


…不運な


マナーって何だと聞きたい勢いで兎肉に食らい付いてるクラウスをイナンナが苦笑して眺めている。


剣持ってるけど《剣術》スキル初級だし…《火魔法》一応中級だけど使用してなかったな…つか戦闘した事無いのかね…


コイツどうしよう、とボロボロだったクラウスに水浴びさせている間に相談した結果、


「一人で放り出したら野垂れ死にしそうですよね。

とりあえず死なない程度にサバイバル術をたたき込むのでどうですか?」


と言われたので、乗り掛かった船だしと思いそうする事にした。



結果が冒頭である。



この子貴族だよね?馴染むの早くね?

あ、素直なのか。






むしろ死にかけて価値観変わったのかしらん。


良い事(?)である。

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