探索しましょ!
さて、寮を出たは良いけど何処へ向かうべきか…
あまり遠出して夕飯の時間に間に合わなきゃイナンナに悪いしな…
中庭でもぶらつくか
そうと決めたら中庭に向かう。
中庭なら寮に向かう途中にあったし迷いはしない。
向かう途中、俺と同じ新入生とすれ違った。
獣人やら普通の出で立ちの人やら見るからに貴族っぽいのとか。
…見るからに貴族っぽいのには気を付けよう、絡まれないように。
面倒だし。
手近なベンチの雪を《風魔法》で払い乾かす。
特にやる事無いんだけどな、と、とりあえず座って人間観察でもする。
制服を抱えた新入生は楽しそうに寮へ向かい、制服を着込んだ在校生は準備に忙しいのかバタバタしている。
時々、妖精種がひらひらと行ったり来たりしているのが見えた。
制服着てないし…教師か?
取り留めもなくそんな事を考える。
まあ、それより…
魔族さんちょいちょい居るんだなあ…
と、初めて見る魔族に視線が釘付けだった。
失礼ながら《鑑定眼》を使用してガン見させていただくと
種族:魔族(三つ目種)
等と表記されていた、ちなみに三つ目種の人は額にもう一つ目があった。
他には
妖鬼種(黒い角が二本あり2メートルくらいの巨体)
水妖種(耳が魚のヒレみたいな形で色白美人)
天魔種(背中から羽出てた)
やらと、結構多種多彩だった。
あ〜獣耳とは違うベクトルでテンション高まるわぁ〜
てか俺獣耳フェチなんかな?
あ、いや、二足歩行タイプの獣人も好きだよ?抱きついたらモフモフしそうだし…
あれ、何で言い訳してんだろう俺。
ぼんやり眺めていたら空気が変わった。
新入生も在校生も立ち止まり道を開けて、一点を見つめている。
?何、だ………?
皆の視線を追い見た先には二人の女性魔族がいた。
1人は薄紫の花が描かれた白い着物を纏った、青色の髪に翡翠の瞳の水妖種。
もう1人は赤紫色の髪に琥珀の瞳、額から15cmほどの純白の角が生えた一角種。
水妖種を従えた彼女は悠然と歩む。
どこか気品を漂わせて堂々と。
他の皆と同じように俺も彼女を見つめてしまった。
……13歳………だと…!!?
正確には彼女達のステータスだが。
貫禄を漂わせて、一角種の彼女なんかはキャバ嬢レベルの露出ド派手服着てるのに…同い年だと……!!?
え?魔族って…え?
雰囲気も体形も成人越えなのに…老け顔?
混乱しながら(確実に)他の皆とは全く違う事を考えて突っ込んでいた。




