旅は道連れ、
優雅な猫耳も良いですがへにゃっとした犬耳もまた良し。ばーいオーリ。
目の前で丸まっている少女を見てそう思う今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
こちら首都へ向かう馬車の中です。
《廻遊邸》の知り合いに頼んで護衛名目で乗せてもらいました。タダです。
道中学園に入学すると言う獣人の少女、イナンナに遭遇し一緒に行かないかと誘いました。
獣人は大概《体術》スキル持ちであり、子供でも中級なんだけど…
このイナンナ、どうやら《体術》スキルが無いらしい。
代わりに《弓術》スキルがあったが初級。
こんな可愛いお嬢さんに……一人旅させるの不安だよ、おいちゃん
そういったワケでお誘いした、決してハンナさんに会えなくなって獣耳成分が足りないとk
まあそんな下心も少々あったが…同級生である。
ここで知り合っとけば学園でぼっちにならないかもしれないじゃん!
なんて下心が一番大きかったよ!
心の中では勝手に女友達一号です、すまんイナンナ。
てかイナンナ毛布も無しに眠ってるけど寒くないの?
外、雪なんだが…
雪なんだよ、うん。
久々に見たわ。
うちの領内とか町の方は寒くなっても雪降らなかったんだよね〜
久々のお雪様に楽しくなっちゃうね!でも寒いっ!
炬燵欲しいわ、領内帰って炬燵持ってきたい。
領内から出るとあっこは日本人向けだったとよく分かります。
今は毛布二枚でモコモコしとるよ。
「オーリが一緒だと魔物にも山賊にも会わないな〜」
楽だぜ〜と御者席から知り合いが声をかけてくるが…会わないんじゃないよ?
会う前に対処してんのよ?
親父のせいでカンストした《気配察知》で魔物やら山賊やらの気配を事前にキャッチ☆
そして足止め☆なんだよ!
どう足止めしてるかって?
魔物も山賊も基本的に地に足着けてるじゃないですか
雪に足着けるじゃないですか
その瞬間凍らすんだよ!
ブーツが雪で凍って抜けない!で慌てる山賊さん
横目でスルーして去る、ってね!
流石に裸足で襲ってくるヤツはいないっしょ、まあ足首辺りからガッツリ凍らすから足抜けねーけど。
火魔法使えても慎重にやらなきゃ足火傷すっかもしれんしね〜
飛ぶ魔物はこの辺少ないし、居ても幌が白いから目立たんと思うし。
厄介ごとは起きる前に潰さんとね、
快適平穏な旅を送りたいからさ。




