自信満々の時は大体アウト
「そう言えば我も結婚祝いを持ってきたのだぞ!」
ドヤァ……と効果音付きで言うエヴァー。
「何……だと……!!?」
「雨、いえ、槍でも降るのかしら……」
「いや、待つんだ。ルナ嬢に言われて持って……持たされてきたのかもしれん!」
「「「それだ!」」」
いや、それだ!って……
エヴァーお前スゲー失礼な反応されてんぞ。
ドヤ顔したまんまだから気付いてねだろうーけど。
「で、どんな結婚祝いなんだ?」
持ってきたにしろ持たされたにしろ危険な予感がってか危険な気配しかしない。
せっかくの結婚祝いで事件が起きちゃいかんから俺が見極めてやろうじゃないか。
「綺麗なビンでな!香水だと思うのだが……」
思うのだがって何だ。
ってか何故結婚祝いに香水?をチョイスしたんだ……?
自信満々にエヴァーが魔法袋から取り出したのは蝶を象ったオレンジ色の小瓶。
エヴァーから小瓶を受け取り色んな方向から確認してみる。
うん、確かに綺麗なビンだな……エヴァーにしては良いセンスじゃないか?
なかなか良さそうな品……、
じゃなかった。
「おい、お前コレ何処で手に入れた……?」
「む?これはな!先日首都のゾンネで路地裏に迷いこんだときに見付けた小綺麗な店で買ったのだ!」
……路地裏の小綺麗な店
「うん、その店ってクマの人形(時限式爆弾)あるファンシーな感じじゃなかったか?」
「む?オーリも知ってるのか?≪ルイザの魔法道ぐほぁ!?」
つい持っていた小瓶をエヴァーの顔面に投げ付ける。
当たった衝撃で小瓶のフタが外れて中身がエヴァーの顔に……
「目がっ目がああぁああああ!!?」
どこのム○カだ。
てか何で目がって叫ぶだけですんでんの!?
ソレ≪鑑定眼≫で見たら中身、身体も心も溶かす魔法の液体☆って恐ろしい説明出たんだが。
硫酸か、いや、硫酸よりタチ悪いがな。
心と書いて魂て、魂も溶かすて、何ソレこわい。
しかし水に一滴入れるだけで効果ありますって代物を、原液ぶっかけられてムス○ですんでるコイツもこわい。
あれ?でも呪い毒効かないのに効いてるって事はコレってスッゲー強力なんじゃね?
『エヴァー大丈夫?』
目を押さえて床を転がり回るエヴァーを心配し、貞子が触れようとするが、
「危ないから触っちゃダメです」
多分エヴァー以外だと一発アウトだと思うんだ。
「危険物のようだ」
「エヴァーちゃんだから仕方ない」
「“触るな危険”と……」
エヴァーを心配すること無く張り紙をしてそっとしておくとは……あれっ、うちの村の人間マジ良い性格しすぎじゃね?
とりあえず小瓶は普通の小瓶だし、中身を何とか……水龍呼んで浄化してもらえば良いか……?
綺麗だし勿体ないもんな!中身はアレだけど、中身はアレだけど!
え?エヴァーはどうしたかって?
長兄が≪回復魔法≫かけてやってたよ?
エヴァーがあまりに転がり回るから、何か壊されたら大変だって理由だけどな。




