表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/138

それでは、しばしのお別れを

迷宮学園は王侯領の首都ゾンネにある。

学園に通うため首都にお引っ越しである。


宿にはそれほど物を置いていないので簡単に片付く。

何時もの装備を付け刀と魔法袋を腰に下げ、部屋を出た。


階段を下りると宿の女主人が待ち構えていた。


「マリアンヌさん、お世話になりました。」


この女主人には3年間大変お世話になったものだ…


美味いご飯に快適な部屋、体調を崩したらしっかり看病をしてくれて…

家族のように良くしてくれた…


「オーリ、あんた向こうに行っても元気でやるんだよ!」


熱い抱擁にちょっと涙が出そうになった。

ギッシリ中身の詰まったお弁当に礼を告げ、宿を後にした。



まだまだ挨拶しなくてはいけない人達が居るからガンガン行かなきゃな!






――――――――――





グランツさんの所に行ったら餞別にナイフを貰った。


薄くて軽くて鋭い、素晴らしい作りのナイフだ…くそっ、流石グランツさん!

ナイフの美しさに惚れ惚れすんぜ!


ネロさんからは炎の魔法石を貰ったので、お礼に近くの小洒落た店のタダ券をあげた(デートにどうぞと)。


三人組からは高級な良い酒を(※この世界で飲酒は18歳から)


馴染みの店からは長期保存の効く食料、日用品をもらった。


そんな感じで巡りにめぐって最終的に辿り着いたのは冒険者ギルド!


ハンナさんには3年間お世話になりました。

お別れはキチンとしなきゃね!


「こんにちはー」


入ってすぐに俺に気付いたハンナさんが、冒険者の相手を止めてこちらに近付いて来てくれた。


相手しなくて良いんすか


嬉しかったので心の中で突っ込むのに留める。


「行っちゃうんですね…寂しくなります。」


伏せた耳と垂れた尻尾が可愛いですねチクショウ!

行きたくないわぁ…


「俺も寂しいです…ハンナさんとお別れするの」


ラブ的な意味じゃないよライクだよ!


俺の言葉にハンナさんが微笑んだ。


「向こうに行っても頑張ってくださいね。」


「坊主、元気でな!」


「殺り過ぎ注意ですよ」


「またね!殲m…オーリくん!」


「殲滅しろよ!」


ギルド職員やギルド内に居た冒険者が次々声をかけてくれる。


おい、誰だ殲滅しろよって言ったヤツ。


しかしこんな風にお見送りされると照れるな…目蓋が熱くなるわ。


ギルド内の皆に向けて声を張り上げる。


「お世話になりましたっ!





行ってきます!」






「「「いってらっしゃい!」」」







最高の人達のおかげで俺は最高の笑顔でこの町を後に出来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ