押し掛けなんちゃら
じいちゃん先生の見舞いに行ったら
「わし、もう孫と戯れながら穏やかな余生を過ごしたいのう」
と呟きながらチラ見された今日この頃。
止めて!臨時だから!
俺臨時だから!
そんなワケで気を取り直す(?)ためにクエストするよ!
本業は冒険者なんだからねっ!……ね?
「先生!絡まった!アラクネの糸に絡まったよー!」
「バッカねえ!絡まるなんて!暴れても無駄よ、アラクネの糸は切るか燃やすのよ!」
『偉そうに言っていますが貴女も絡まっていますよね。』
『あるじさまーあいなもからまったー』
……するよ?
なのに何で引率の先生みたいな気持ちになってしまうのだろうね!
お供はアイナとテトラだけだったハズ、ハズなのに……
新入生の双子の獣人が一緒に来てるせいかな!
あるぇ?何故だ(真顔)
――――――――――
クラウスのアドバイス(?)通りに百分の一コースで新入生を鍛えてあげたよ☆
何とかやりきったけど、最後は新入生のほとんどが地面に寝転がってたけどね!
お疲れ様☆
まあ気絶せんかっただけ良い……のか??良いか。
寝転がる新入生の中、唯一膝をついた状態で耐えてたのが獣人双子でした。
根性あるね!
双子の熊の獣人、姉のリズリーと弟のシグマです!
この双子……某ケモラー令嬢の(未来の)旦那と兄弟らしいです。
世間は狭い?です(ぇ)
焦げ茶のふわふわヘアーでもふって感じで触り心地良さそうで……ちまっと丸っとした耳と尻尾で、なんか熊ってかテディベア?みたいな感じの子等です。
リズリーが強気でシグマがぼんやりしているバランスの良い双子ちゃんだね。
最初の訓練からしばらくして戦いを挑んできた姉(と巻き込まれた)弟を軽くいなし、その後もいなしていたら……
なつかれました。
あれー?
「師匠!」
「師匠ー?」
弟子をとった覚えはない、てかシグマお前は姉に巻き込まれただけなんだから別に真似しなくて良いんだからな?
「弟子をとった覚えはありませーん。一応先生と呼びなさい、先生と。」
「はーい、先生。」
「えー……はーい、師匠。」
おいリズリー、お前今師匠と書いて「せんせい」と呼んだだろ。
――――――――――
そんなワケでなついてきた二人は俺に引っ付いて冒険者に登録しクエストにも着いてきました、が、
何故ついてきた、コラ。
お前等には無理だから、俺のクエストは初心者のお前等には無理だからな!?
今日の俺はアラクネ退治中ですよ!
まあ、あれだ、絡まってれば俺の戦闘の邪魔にはならんから良いか……
絡まってる二人(とアイナ)の身の安全と護衛はテトラさんにお任せしてとりあえず退治してよう、うん。
てかアイナは絡まってるんじゃなくて絡まってる(自主的)なんやね、遊んでるね。
あ、こら、アイナ。
子蜘蛛を食べるのは止めなさい、ペッしなさい。