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青い鳥の沈黙  作者: 住友
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 僕たちは警察署に到着し、中に入った。

「人の気配がまるでしないよ・・・本当に大丈夫?」

僕はその建物の静かさのあまり不安になる。

「大丈夫だってば。警察なら事情も知ってるだろうし、

なにより警察には一般市民を保護する義務があるもの。」

姫榁は楽観的だ。

「義務って言ったって、姫榁、警察の手に負えないことには・・・」

「すいませーん、誰かいませんかー?・・・ほら、治も手伝って。」

「はあ・・・すいませーん、どなたかおいでませんかー?」

何やっているんだろうと思いつつ

奥のオフィスに進んでいくと、あるものに足をとられた。

「あぶなっ、何だこんなところに段差が・・・」

僕は照明のスイッチを探し、点けた。電気は来ている様だ。

照明に照らし出されたものを見て僕は驚愕した。

警察官の死体だ。沢山の死体だ。

「酷い・・・これってゾンビの仕業・・・じゃあないよね・・・」

縦に真っ二つに割られたものや、横に裂かれたもの、首を失ったものが

オフィスのあちこちに散乱している。

僕は真っ先に学校を襲ったあの男を思い出した。

「あいつだ・・・あいつがやったんだ・・・」

僕はその男と一度対峙している。

その時僕は逃げることに精一杯で、何もできなかった。

強い罪悪感を感じる。自分には何もできないと分かっていても。

「治、これ。」

姫榁が何かを投げてくる。

キャッチしてみると、それは拳銃だった。

「使えるものは使わないと。治もその辺りの死体調べて。」

姫榁が冷静なのが不気味だ。

「姫榁は強いね。」

「は?」

「何でもない。」

僕は拳銃を構えてみた。

(これであの男を・・・)

「治、パソコンが使える。」

「パソコン?」

「インターネットで情報が手に入るかも。」

僕はパソコンの画面を姫榁の肩越しに覗き込んだ。

「・・・もう世界中にゾンビが溢れているみたい。

どこへも逃げられないってことね・・・

安全地帯があったとしてもその場所をめぐって争いが起きるかも。」

「なるほど、地獄だな。」

「すでにアメリカ合衆国は国として機能していないって。

他にもえーと・・・この災害はアメリカの陰謀?

ゾンビは走れるとか走れないとか

・・・これじゃあどれがデマでどれがそうでないのか分からないじゃない。」

「今の僕たちに役立つ情報は調べられないの?」

姫榁がキーボードを器用に叩く。

(姫榁はいつも通りだ・・・なんでこんなに落ち着いていられるんだろう?)

「ちょっと待ってね・・・拳銃の使い方とか。」

「それは重要だね。なになに・・・」

「・・・」

「・・・」

「まあ簡単だよね。要はこの部分を起こして引き金を引けばいいんだから。」

「そうだよね。じゃあ他のことを調べよう。どこに逃げたらいいかとか。」

「えーと・・・いろいろ出てきた。

デパートとかコンビニとかホームセンターとか・・・」

「人が集まる公共の施設は危ないんじゃないかな。

人が集まっているとゾンビも集まるだろうし・・・」

「でも民家も危ないかも・・・山奥とかはどう?」

「たぶん食料とかが尽きてアウトだと思う。」

「うーんどうすれば・・・」

僕たちはしばらくうんうん唸りあれこれ考えたがいい案は思い浮かばず

結局今日はこの警察署で夜を過ごすことにした。

「どこの部屋が安全かな?」

「留置所とか?」

「そうか、留置所か・・・よし、行こう。」

その時だった。

「待て・・・」

「!」

「!?」

僕でも姫榁でもない、第三者の声が僕たち二人を呼び止めた。

僕は声のした方へ振り向いた。

(人がいる・・・?)

柱の角から、見覚えのある人物がふらりと姿を現す。

金髪に碧眼、黒いスーツ。間違いない、

学校の裏山の廃ビルで怪物に襲われていた僕を助けてくれたあの少女だ。

ただ、今の彼女は相当酷い怪我をしているようで、

衣服も血に塗れてずたずたに破かれている。

「君は・・・その怪我、大丈夫なの?」

「とりあえずその辺に座って、私、救急箱探してくる!」

「駄目だ、奥へは行くな!奴らが・・・実験動物がうろついている。」

「実験動物?」

「説明している時間はない・・・急いでこの警察署から出るんだ!」

「とりあえず落ち着いて・・・」

「ォオオオオオオォォォォッッッ!!!」

「!」

「!!」

聞き覚えのある吼え声。奴だ。かなり近い。

「姫榁、走るぞ!」

僕は少女に肩を貸し、正面玄関から外へ飛び出す。

「裏山で追いかけてきたあいつ!?」

「ああ!」

再び咆哮が轟く。今度はすぐ近くだ。

「離せ・・・私を置いていけ・・・」

「何言ってるんだ!そんなことできない!」

「三人とも殺されるぞ、いいから行くんだ・・・」

「治!来た!」

「!」

僕は振り向いた。

もう何度も遭遇した見覚えのある怪物がそこにいた。

奴は唸り今にも飛びかかってきそうな体勢で僕たちを睨みつける。

「・・・」

「早く行け!私が食い止める!」

「治!行きましょう!」

僕は静かに怪物を見据え、あるものを取り出した。

「治!?まさか・・・」

「やめろ・・・無理だ・・・」

僕はそれを構え、怪物の眉間に狙いをつける。

「戦う。逃げられないなら戦うしかない。」

僕はそれを、拳銃を、撃った。

すごい音が出た。閃光が疾った。


話が思いつかない・・・

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