記憶の欠片②
注意!!!少し残酷な部分がありますので、15歳未満の方々はこのページを飛ばすことをお勧めします。べつに大丈夫というならそのまま読んでください。
バキ!
鈍い音がした後、何かがもの凄い勢いで空から一直線に道路へと叩き落された。周りはひどく、壊された後が痛々しかったが、何か不思議な力が働き、徐々に修復されていく。
叩き落されたのは巨大な青黒い鼠の体に蝙蝠の羽をつけた怪物。そいつを空中から叩き落したのは炎を全身に纏い、スピードを生かして瞬時にそいつの後ろを取りつつ蹴り上げながら紅い炎を手からそいつめがけてくりだした。そのあと蹴り下げたのだが
「くっ!やっぱ頑丈過ぎ!今ので仕留められたってーのに...まだ起き上がるか根畜生」
そいつは再び空を舞う体制をし、体がフワリと地面を離れた時
「二度とさせるかっつーの!」
ホコリを、たちあがらせながら瞬時にそいつの真上に移動する。手を広げ、腕を伸ばし飛ぶような落ちているような姿勢のまま夕歌は唱える
「地を持って空に無し!在るがままに無くせ!」
その掌がそいつの背中にトン...とだけ触れ、紅い炎が幾つもの線になりそいつの体に巻きついていく。
「動封!」
そう叫ぶと同時に夕歌も地に降り立つ。敵はそのままの状態で動かなくなっていた。片手はそいつの動きを封じる術を使っているためそのまま敵に向かったまま伸ばしてる。
「捕まえた。」
もう一つの手に体中の炎を集中させた。
「これで終わりだ。ネズミコウモリ!」
相手は避ける事すらできずに夕歌の炎の一撃で倒される――――
―――――...はずだった...
ザシュッ!
「...え...?」
よく見ると、空中で止めた怪物のその影から鋭い爪が突き出て、夕歌の左腹部辺りを見事に貫いている。
「しまっ...た...油断...した...」
そのまま彼女は力なくその場へ倒れる。かろうじて急所は避けているものの、出血が酷い。息も徐々に上がってくる。
傷口を手で押さえながら立ち上がるがフラフラだ。長期戦は不味い。そしてその夕歌の目の前にあの怪物が降り立った。影から出ている爪から腕が、徐々にそいつは影から離れていった。
「そう...か。もう一匹いたんだっけ...そいつが影の中に...潜んでたってか...?」
盲点だった。気が緩みすぎていたのだ。あの時点から。
息が上がる。自分の体から力が血と共に無くなっていく。しかし、流れ出るその赤い液体は止まることを知らない。
このままじゃ駄目だ。
これじゃあ死んでしまう。
痺れを切らしたのか、空飛ぶ怪物がその両手で夕歌を切り裂こうと攻撃を繰り出す。
すかさずその攻撃を両手で受け流すが、もう一匹が繰り出す攻撃にはさすがの夕歌も避けきれない。決死の覚悟で防御の体制をしようとするが
ズキン!!
「いっ!!」
痛みで反応が遅れてしまった。
「やばっ...!」
何を思おうと、その爪はもう目の前まで迫っている
もう駄目だ。間に合わない。
そう思い、来るべき衝撃に耐えるために目を瞑った。
ドッ!
そんな音が聞こえた。しかし、痛みは来ない。さっきの傷だけだ。
恐る恐る目を開くとそこには
「母さん?!」
威風堂々と道留がその怪物の巨大な爪を片腕だけで受け止めていた。
夕歌を振り返る道留は笑顔のままだ。
「よかったわ。間に合って。」
そう言いつつ今度は怪物のほうへと振り向く。瞬時、怪物が震え上がった。その拍子に飛び上がり距離をとる。もちろん二匹とも。
そいつらが震え上がったのには訳があった。疑問に思った夕歌が母親の顔が見れるように隣に立った事を後に後悔する事になる。
道留から既に笑顔が消え、鋭く、睨めつけていた。その眼光は正にそれだけで相手を倒せそうなほど。殺気もハンパなく吹き出ていた。
「よくも夕ちゃんに傷を...大切な愛娘一号を傷つけた酬いを受けるがいいわ...」
そう言うなり道留は素早く相手の後ろへ回った
「て、えええ?!早っ!少なくても五メートルあった距離なのに!?」
そこからはもう、そのスピードを生かした殴り蹴りの連続攻撃。一つ一つが急所に入っていて、相手は防御もする暇が無い。もう一匹が助けに回ろうとすれば、そいつも攻撃される。まるで何人もの道留に攻撃されてるような錯覚になるが、実際はそのスピードが見せる動きの残像。
そして二匹を貫いたのは黄色い長細い光。気ずけば、道留の両手には(ものすっごいカッコイイ)拳銃があった。きっとその拳銃で放ったのが今の光だろう。
「これでいいわ。しばらくは動けない。夕ちゃん、いくわよ。」
「母さん、でも、止め刺さなきゃ...」
「あなたの傷の手当が先よ。」
そう言いながら道留は早速、懐から薄い布を取り出した。包帯のように巻いていくが、若干黄色く光っている。
「母さん、この布は...?」
「気ずいたの?これはね、私の力を溜めて何時でも使える便利な母さん特殊道具の一つ、略してベカトクグよ。足止めや、攻撃、治癒を高める道具なのよ。」
「こんなもの、いつのまに...?」
「...あなた達が...戦いで傷つくようになってから、研究して編み出した私だけの道具。お留守番してる時に徐々に開発してたの。私はあなた達のように力を増幅させ、体のパラメーターを全て変えるなんてこと、出来ないから。私なりのやり方で彼方たちの手伝いしたかったし。」
「で、でも、何で今更?それに父さんの帰ってこれるように開いとく出入り口は?!母さん、それに力注ぐために一歩も出歩けないんじゃなかったっけ?」
「ふふ。私を誰だと思って?注ぎながら今ココにいるじゃない?半分も力を使ってないし、これぐらい平気になったわ。この布に力を長年溜めておいたからそれぐらいなんてことなくなったわ。」
「へ、へ~...便利だね...ものすっごく」
「それと、私達が戦う必要はもう無いみたい。」
「え?母さん、何言って...」
見れば怪物のほうに頭を抱えながら突っ立っている人物の影が。
「ソラ?!あんた何やって?!逃げなさい早く!!」
「大丈夫。後はあたしに任せて。姉さん、母さん。」
続く
ソラ「きたぁ~!!きたきたきた!!ついにアタシの出番がきたよ!!」
そだね。主人公なのに全然それらしい場面なかったし。
ソラ「バンバンいっちゃいますよ!!」
うん、まぁ、頑張って。




