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旅人  作者: ネムのろ
第五章 ソラの記憶と悲しい別れ
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旅人-番外編その1 ~夕歌とソラと道留~


そこはいたって静かな所。行きかう人々、鳥がさえずり、風が頬を気持ちよく通り過ぎる。そして、ごく普通にそこには町もあり、道もある。森もあって川もある。ただ他の世界とは確かに違う所がある。



『ソラ!そっちに行ったよ!!』



そう小さな透き通った声の持ち主はアルファインと呼ばれる人種。見た目は他の人間と変わりないが、妖精のような透き通った宝石のような羽が背中から生えていて自由に飛びまわれる。あと、アルファインたちは妖精のようには小さくないが、5歳の子供の背丈である。それぞれ違う力が具わっており、風、炎、水、氷、など主に自然の力であるが、たまに新種も見つかる。



「解ったよシュー!!そのまま追い込んで!ジュリム達は人間を餌にしてるから逃がしたら大変だよ!」



こちらはソラ。普通の人間の子供...と言えるのは外見だけで、8歳の若さでブルーサファイアと言われる不思議な力が使える。彼女が追っているのはジュリムと言われる生き物なのだが、こちらは牙や爪やらが鋭く、空を飛び回る上に人間を食する、言わば〔現れたら倒すしかない敵〕。黒い胴体に黄色いとがった目をしていて、まあ、普段は木の実などを食べるのだが



『産卵の時が今日だなんてね。』と通信するシュー



「だね。こっちは走るしかないし、おじじ様待っていてくれたらいいんだけど...」



『あの心配性のアホおじい?ははは、無理だよ。きっとソラを探してこっぴどくしかるんじゃない?なんせ今日はソラが旅人ハイゼンデの一員として違う世界へ旅立つ日だしね。』



「ぐはあ!【←吐血した】...くっ!こ、こんな時にダメージ入る言葉言わないでヨウ!」



『ごめーん【汗・笑い】』



「それより、どう?もうポイントにいるけど、ちなみに準備ばっちりだよ」



『うん。あとちょい!3匹はちゃんとソラのとこへ行ってる。あとの2匹は町に行かずに逃げたから大丈夫だとおも...』



ドガッ!!



「え?!シュー??!どうしたの!?今の音は何?!」



『いったた...だ、大丈夫だよ...逃げたと思ってたけどすき見て仕掛けられちゃったみたい。片方の羽しか動かせなくなってる。上手く飛べないけど、こいつらを誘い込むならまだ「ちょいまった。」へ?』



「作戦変更、光玉だしてあいつらの目をくらませて!その瞬間にシューはおじじ様と連絡、一応町の人たちを非難させる。解った?」



『でも、こいつらは?』



「時間無いよ。忘れたの?こいつら凶暴になってきてる。産卵が近ければ近いほど、どんどん酷くなっていって、巨大化する。一度見たはずでしょ?」



『そうだね...解った。いくよ』



シューはそう言うとくるりと回りジュリム達の前へ移動した。両手にはすでにまばゆいほどの光が手の平に圧縮された常態で玉の形をしている。



『くらえ!!光玉!!』



周りには光が錯乱し、ジュリム達は目をふさがれてしまい、あたふたしている。ソレを突いて飛び込んだのはソラ。手の平をかざしながら謳う



「我は青く澄んだ空のように世界を慈しみ、守る者!!その怒りを静め、そして」

ジュリム達の真上へクルリと移動し



「一時の眠りに身を任せ!!」



その瞬間ジュリム達は青い球体の中に閉じこまれ、そして眠りについた。しばらくしておじじ様が現れ、こっぴどく叱られ、拳骨をもらい、シューからは【哀れな】と言う眼差しを送られ、ジュルライ隊(町の皆を守る隊員)からは笑われたが



「何を笑っておる!!貴様らはジュリム達が近ずいて来ていた事さえ解らなかったのじゃから!!お前らはきつ~い修行のメニューを追加するぞ!!」



その一言で静まりかえる一同。へっ!ざま~ないね~と人を小ばかにする声がどこからとも無く聞こえる。



「?なんだあ?だれが笑ってんだ?」


「頭の上から聞こえるが」


「なんもいねーよな?」



ジュルライ隊たちは引きつずき探しているが見つからない。

一方、ソラはあきれた顔をしながらどこか(おそらく夕歌が居る所)を見つめていた。



「これ夕歌ゆうかそんな所でなにしとる。」



そのおじじの声を聞いた途端に、非常にムカつく笑い声をさらにあげ、ふぉーははははは!!と、言いながらスゥーと現れ地面に足をついてどことなくカッコよく現れたるは夕歌



「まだまだだね!!アホゾーラと、バカ隊!!修行がたりんぞ!!ふぉーははははは!!!!!」



「「だれがアホーゾラ・ バカ隊だって??!」」



「なに、しょんなこともワーカラナインでしゅかぁ~?君らに決まっておろうに!!!!!」



何気に人をコバカにする声と言葉を平気で人に叩き付ける夕歌。

びしっ!と人差し指をつき付ける黒い髪のショートヘアー女、その服装はとてもシンプルに見えてかなりラフ、おまけに防御力を上げると言う優れもの。



「けっ!!女風情が!調子こいてんじゃねー!!」



「アムム、止めた方がいいよ、夕歌はあたしよりチョイ強いから」



「だれがアムムかソラ!!アニュイム・クロリムだ!!何度言えばわかる?!」



「だから長いって、それにちゃんと名前から取ってるよアニュイム・クロリム。ね?」



「略すな!!」



「君の名前呼びにくいんだよ。アムムでいいじゃん。」



「夕歌はだまってろ!」



「【ムカッ!】ほほう、いい度胸だ...」←不気味な笑い顔

ぼかぁぁああん!!!



「ぶほお!?」



素早く回転回し蹴りをアムムと言う少年の顔にヒットさせ、すかさず飛んでいく少年の背中を先回りしながらパンチで止め、さらにはカカト落としを脳天に食らわせ、哀れアムムは反撃もできず気絶。これにより、夕歌がただの女じゃない証拠を見せ付けられた皆は【こいつだけとはかかわらないようにしよう】と、強く思うのだった。



「まったく。手加減したにもかかわらず、ちとやり過ぎではないか?」
















「「「ありで手加減?!」」」←ジュルライ隊












「ふん。油断したにもかかわらず女皆を侮辱 ⇒ 弱いくせにはむかう ⇒ 先輩であるあたしに向かって呼び捨て。結果 ⇒ 死亡フラグ。でしょうが」















『うん。それはアムム君が悪いね』




「シューの言うとおりだね。これでも夕歌にしては優しかったね。」
















「「「あれで優しい?!!?」」」











「ゆうかおねえちゃんデショガ」←夕歌












「「「えええ?!?!お姉ちゃん?!ソラの?!」」」








「うん。ちなみに夕歌、一度も魔法と、右足と右手使ってないじゃん。」



「見れなかったんじゃよ。夕歌の攻撃が早すぎて。」



「あれでもまだ遅いくらいだったんだけどねぇ、ホントに君ら弱すぎ。もう一回修行し直す事だね」



その日からは、夕歌はきちんと尊敬されるようになったとか、ならなかったとか...



続く

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