旅人その13
注意!!少し残酷な部分があるので15歳未満の方たちは飛ばしてください!!それでもいい、べつに大丈夫、15歳から上や、15歳の方たちは引き続き読んでください。
何かの冗談だよね??
殺す?あたしを??
ロロと祭歌が異世界のスパイ??
世界を...消す???
これは悪夢なのかもしれない。
ついちょっとまで憧れてた祭歌
初めて出来た、心から信頼できる本当の友人ロロ。
その二人がへんな組織に入ってて、ブルー何とか言う力の者を探して抹殺すると言う命令をされてて、なぜかアタシが疑われて、その力があるかどうか見極めるためにロロはあたしと仲良くなった...
冗談だよね?
そうでなきゃ、あたしはただ
...利用されただけだ
また...繰り返すのか。
そうか、たとえ本当のあたしを披露してみても、あたしの周りは―――
偽りばっかり。
プツン
あたしの中の何かが切れて、訳分からない何かが放出されたような気がした。
「うわああああああああああああ!!!!!」
「なっ?!こ、この力は?!」
「...ブルーサファイアではないけれど...面白い素質をもってたみたいね?」
気ずいたら洞窟が吹き飛んでた。体が燃えるような感覚がおきて、爆発がおきたと思ったらアタシの中から凄まじいエネルギーが出てくる。
「...紅い...夕日みたいな色だ...」
「なるほど、だからあのお方はまだこの世界を見逃してるのね。こんな素晴らしい力が手に入ればブルーサファイアでも簡単に始末できそう。」
「なっ?!手に入れる?!摂りこむつもりなのか??!」
「私はできないけど、あのお方ならね。さてと、まずは気絶してもらいますか!」
そう言って祭歌は素早く夕歌の背後をとり、手を首元に叩きつけ、夕歌を気絶させようとした。
「?!避けられた?!」
手を振りかざしたままそこにもういない相手を探す。と、そこに薄れた気配を感じ取った祭歌は素早く身をかわす。夕歌の攻撃が当たるか否かのスレスレでかわせたが、すでに夕歌は移動していた。またもや祭歌の後ろに。
「くっ!何てスピードなの!!避けるのに精一杯!!」
途端に夕歌の髪の色が目が赤く染まっていく...その瞬間とてつもない魔力の渦が発生した。それはまるで、彼女の怒り、悲しみが表へ出てきて行き場を失ったかのようにウネリ、ねじり、周りへ影響をほどこしていく!!
「イナクなれええええ!!!!!」
そう言って彼女が手を振りかざす。途端に爆風がおき、もの凄い熱風が二人を襲う。それに何とかこらえた二人が見たのは炎を帯びた夕歌がこちらに突っ込んでくる所だった。そのスピードは素早く、目でやっと追えるか追えないか。そして一撃目のパンチが放たれる。
ボワフッ!!
そのパワーは重く、凄まじい威力。反動で吹き飛ばされそうになる。だが祭歌はとどまる事に成功した、しかし...
「あちちっ!や、火傷?!なんなのよ、この子は...気絶させられない...オマケに逃げられないじゃない!!」
ここで祭歌は今まで見せなかった自身の魔法を使う事を余儀なくされ、彼女の振りかざした人差し指から小さな光が集まり始める。その光は薄暗く、怪しげに黒く光っていて、段々と大きくなる。
「これでも喰らいなさい!!黒砲魔弾タイプA!!」
青黒い炎がその指からもの凄い速さで放たれた。それをもろに食らった夕歌は離れた所まで吹き飛ぶ。地面に接触したが最後、暴発した。
ドッカーーーン!!!
「夕歌!!!」
ロロが叫ぶと同時に夕歌が飛ぶように姿を現した。地面を蹴ると同時に滑るように現れ、祭歌は驚きと同時に恐怖を少しながら感じていた。
「今ので死なない上、離れた所から瞬時に移動?!何なのよ、この子の力は!!」
一定の距離を保ちつつ、黒砲魔弾タイプAを撃ちつずける祭歌。突然攻撃を放たなくなった相手の姿を確認しようと煙が収まるまで様子を見ていた。と、途端に背筋が凍るのを感じた。段々と煙が晴れていき、そこに立っている相手を恐怖の顔で見つめる。
「何て子。末恐ろしいわ。出来ればここで始末したいくらい。でも...」
そこには紅い夕歌が両手を上にかざし、その上に彼女が溜めたであろう家一軒分の大きな紅い燃えてる水晶があった。
「ムリよ。逃げるわよ、ロロ!!!!」
「止めなくていいのかよ?!?!」
「止められる訳無いじゃない!!止めようと思えば、そりゃま、大怪我しながら出来ると思うわ。けど、そこまでして止める玉じゃないし、そもそもそんな義理なんてない。とっととワープの準備して!!」
ズッッッッッッガーーーーーーーーーン!!!
凄まじい爆発。熱風があちこちの岩を少し溶かす。その衝撃はあちらこちらへ広まり、遠く離れた町のほうまで影響した。
「こうなったら、不本意だけど黒砲魔弾タイプSを使うしか...ああっ!でも...コレ使ったら殆んど力を失うのよ...迷ってる暇はないわね」
そう言うなり祭歌は自分の両腕を真っすぐ夕歌へ向けた。手の平は開いており、徐々に彼女が黒い光に包まれるのが離れているロロにも見えた。次の瞬間、彼女の体を青黒い炎が取り囲み、そこから生み出された青黒い光は手の平から光線のように真っすぐ夕歌へと送り込まれた。その途中にあった花や草は勿論あっけなく吹き飛ばされ、焼けただれ、そしてとうとう夕歌のところまでたどり着き、夕歌を燃やす。
ゴゴウ!!
「うあああああぁぁぁ...!!!」
彼女の痛みの悲鳴が離れた祭歌の所まで届くと、ロロは大声で言った。
「出来た!!いくぞ!!」
「ふう、何とか始末でき―――」
祭歌がほっと気を抜いたその時―――
炎の荒狂う龍が彼女を襲った。勿論、夕歌の攻撃。逃げようと足に力を注ごうとするも、力は上手く発動してくれない。
さっきの攻撃の負担により、体が動かない。
火龍が祭歌に届く―――
そして恐ろしい攻撃は見事的中し、あら狂う火の龍はそこら一帯を巻き込み焼き尽くした。あまりの凄まじさに当の本人も腰を抜かし、髪は元の黒い色へと戻っていく。
「あ、アタシ...もしかして―――」
殺した―――?
一面焼け野原となったかつての草原。優しい甘い匂いを出す連歌草はもうそこにはなくて、ただの焼け臭さが広がっていた。少しした所に誰か倒れている。祭歌だろう。そう思う夕歌は彼女へと近ずいていく。煙が少し収まり、見晴らしもよくなったころ、夕歌は見た。
「ロロ?」
倒れていたのは紛れも無くロロだった。息もしてない。服はボロボロに焼けていて、彼の肌も酷い火傷を負っていた。
「ロロ!!起きて!!何で...何であんたが!!あいつに向かって攻撃したのに!!!それなのに...なんであんたがココにいんだよ...!!」
彼女が叫んでもロロは目を瞑ったまま動かなかった。次第に彼女の目からは涙がこぼれ始める。
「離セ。」
そう鋭い声が聞こえてきた。
「祭歌...どうして...どうしてお前がそこにいる!!!」
「ソイツガ庇ったカラダ。ソイツノ身体ヲコチラニ渡セ」
「誰の声だ?祭歌じゃないのか??」
彼女の様子が変だ。
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暗くて酷い事になってますね
ソラ「ええ?!お姉ちゃんって、人ころしたの?」
と、思ってただけ。こいつ、生きてて前の話に出てきたじゃない
ソラ「ああ!もしかして、あの気取ったようなマジムカツクあの時の声!!」
...酷い認識のされ方だ...哀れロロ...