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旅人  作者: ネムのろ
第四章 あの頃は本当にバカだったよ。うん。
12/20

旅人その12




「ロロ~なんかおごれや~!」


「自分で買え」


友人のそっけない態度に夕歌はムッとして寝転がっていた野原から飛び上がるように起き上がりながら声を張り上げて堂々とした第一声を発した。


「うっさいおごれ!あたしは腹へってんだよ!!」


「んなもん知るかっ!」


「友達に飯おごらないとはなんて奴!!このダサ男!」


その言葉に平然としていた相手、ロロ・ムサイはとうとうキレたらしい。うん、理不尽すぎるよNE☆


「ダサ男じゃねぇえって何度言えばわっかるんだあ!!夕歌!!!」


叫びながらロロは回転し、その速度を一切弱らせず夕歌の肩に一発蹴りをぶちかました―――かのように見えた。彼女が目にも止まらぬ速さで上へジャンプしたのだが、あまりの速さで消えたようにしか見えなかったのだった。


「危なー!いきなり攻撃かよ!!!デリカシー無いなロロは!」


「どっちがだ!!デリカシーないのはてめぇの方だろが!!」


本心である。

そうして始まる口喧嘩&決闘モドキ。二人がいた野原は急激に地形が変わっていくその途中、ある人影がその二人を見つめながら何か考えていた。


「やはり、凄まじい攻撃力じゃ...祭歌さいか、わしはどうすれば...」


「しっかりしてください。それでもこの町の長ですか。」


「しかしのぅ...」


「分かりました。私が止めてきます。」


「い、いや、それは...」


「五月蝿い。私がわざわざ呼び出されて来てみればどうしようなんて言ってるわけ分からんアホ爺にほどなく厭きれてんの。それにあんなハンパない攻撃繰り出すあの二人をみても止めようとか思わないなんて貴方はホントに人ですか。そもそもあんたはあの夕歌とか言う餓鬼、甘やかし過ぎなんだよ。過保護にもほどがあるわ。」


「おい、わしは長じゃぞ。なんだその態度と口調は」


恐ろしい表情をぱっといつものヘラヘラ顔に戻すと祭歌はなんでもなかったかのように話し始める


「すみません。つい本音が出てしまいました。てへ v」


「まったく、夕歌といい、祭歌といい、おぬし等は本当の顔を他人に見せずして楽しむのか?」


「まさか。あんなサディストと一緒にしないでくださいな。それより、あの二人をそろそろ『本気で』止めに行きたいんですが。ここいらの地形がまったく別のものになる前に。」


「じ、じゃがな、お主の『本気で止める』は、ちと通常を超える遥かにヤバイ止めかたでのぅ...お願いしていいものやら判断しにくくての...」


「何を今更。私の貴重な時間を潰したクセに。嫌なら呼び出さないでくださいよ v」


「すまん。わしが悪かった。止めてきてくれ。お手柔らかにな」


「...ちっ」


「...本心丸解りじゃな。」


「そんな。腹いせに痛めつけてボロボロにしてやるなんて思ってもいませんよ滅相も無い。」


「...するつもりじゃったのか...」


その言葉を聴くか聴かないか、祭歌は目にも止まらない速さで決闘モドキを繰り返していた二人のうちの夕歌の背後に歩み寄り、手をグーにしながら思いっきり振りかざした。勿論、夕歌に避けられたが。


ヴォン!!!


「あっ!あぶなっっっ!!何今のスピードとパワーは?!しかもヴォンって?!普通の素振りの音じゃなかったし?!祭歌もしかして殺す気?!?!」


「うん♪」


「な、なにおう?腹いせかぁ?!ストレス発散?!」


「大当たり vご褒美あげなくちゃね♪」


飛び切りニタァと影を作りながら気色悪く笑いかけた後、祭歌は瞬間移動でもしたのではないかと思わせるほどのスピードを出しながら次々色んな危ない技を繰り出していった。


避けたと思わせ首を落す位の破壊力で肘を喉に叩き込もうとしたり


回転回し蹴りをすると思い即座にガードをすればマッハ並みのパンチをお見舞いされたり(勿論ガードしきれなくなりそのまま地べたへバタンキュウ)


地べたに倒れている夕歌を祭歌がそのまま見逃す訳も無く、そのままヘッドロックを仕掛けた。


「お、おいおい、流石に最後のはやりすぎだろ...夕歌、だ、大丈夫か?」


「ん~、結構本気で最後のトドメ射しちゃったから、多分、結構やばいかな?」


「祭歌!!程ほどにしとけと言うたじゃろう!!気絶通り越してもはや死の間際になっとる!!!」


「五月蝿いよロリコン爺。過保護にも程があるでしょう。」


「わしはれっきとした長じゃぞ!!言葉を慎まんか!!」


「ああ、すみません。またしても本音が口から出てました。祭歌反省 vvv」


「しとらんじゃろう」


「まさか♪」


「あ...あれ、爺、何してんの。」


「夕歌ぁ!お主大丈夫か?!怪我しとらんか?!」


「うん、まぁ、してるけど平気かな。てかなんで祭歌までこんなとこいるの?てか、さっきの新技、あたしで試したな?!」


「うん。新しい技の成果を誰かで試したくてね。あんたに実験。」



「えと、ロロに紹介しとく。う~んと、祭歌はこの町の長の辰夫たつお爺の使い人、スンゴク強いよ。手出ししないほうが身のため。」


と、そこで今まで黙っていた俊一が口を挟んできた。


「夕歌?こんな子いたっけ?」


「...父さん、いい質問くれたね。そうだな~、ちょっと早送りするか。」


そう言うなり、夕歌は指を突き出した。その時周りの映像が早くなる。少しの間経ったあと、夕歌は指をひっこめた。


「ここらへんから見て。」


そこは洞窟の中で倒れていたあのロロと言う少年の姿と、それをかばう様に突っ立っている夕歌が映っていた。


「祭歌は、違う世界から来た旅行者で、旅に疲れたからこの世界でずっと暮らしたいっていって、辰夫ジイの使い人となったんだけど、あれや、これや怪しい行動してたから、問い詰めたんだ。そしたらここの洞窟へ来いって言われてさ。憧れてたんだよ。祭歌にさ。強くて、文句付けながらだけど誰でも助けるし、だから、信じてたんだ。でさ、行こうとしたらロロが止めに来て、それでも行ったら、祭歌があたしを殺そうとした。それをモロに食らったのがロロだったんだ。あたしをかばって。」


記憶の中の夕歌は苦しそうな辛そうな顔をしている。


「どうして...?祭歌!!!どうしてこんな事を!!」


洞窟の中に響き渡る夕歌の声。


「いいじゃない。そいつは本来の役目も忘れてあんたをかばったんだし。誰が最高の友になれって言ったのよ。仲良くなれって言っただけよ?ロロ...だから今のはお仕置き。」


「...え?」


一瞬何を言っているのか分からなくなる。そこへロロが体を起こしながら言い張った。


「くっ!気が...変わったんだ。こいつはブルーサファイアの使い手じゃない!!ただの体術バカだ。だから...」



「だからなに?見逃せって言うの?...そんなことできる分けないじゃないの。」



「ちょっとまっ!...なに?あんたらグルだった...の?」


「...」


「だったら何?」


「全部...あたしが特殊なそのブルー何とかが使えるか見てて...今までのは全部...」


「芝居よ。私らはリバースと言う組織。ブルーサファイヤは今後私たちの計画の邪魔になる。探し出して抹殺せよとあの方は命令されたのよ。だから私達は忙しいの。それにね、この秘密を知る者には死よ。」


「だから、記憶を消しゃあいいだろ。なにも殺す事はない。」


「...あなた、あの方について行くと契約したじゃないの。それでこの腐った世界の人間を消すと殺気までとばしてたのに。その心変わりは何?その子に洗脳でもされたのかしら?」


「そんな事はない。無駄な殺生はしない方がいい。もし誰かがこいつがいなくなったと騒いだらスパイなんて、もうここの世界に入れられないぞ!!」


「その前にこの世界を消せばいいじゃない。まどろっこしいのよね。あの方も、あんたも。」


消す?世界を??こいつ等は一体何の話をしてるんだ?



旅人その13へ


夕「これが頑張った成果か?」


ええ、まぁ。そのつもりですが。


夕「バカじゃない?」


ええ?!お気に召さなかったの??!


夕「ま、そんな事は置いといて...」


おいとくの??!おいておいていいの?!こんな感じでいいの?!?!


夕「次回、シリアスで少し残酷な部分がありますんで、苦手な方は読まないでください。飛ばしちゃってください。」


ああっ!無視されたっ!


夕「そうだな...15歳から上の人達ならおkですんで~。」


...ページの色も黒くしますんで。




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