古い土管と異世界転移
至って普通の高校三年生、佐藤良太郎。学校帰りにいつも通り寄り道したところ、謎の古い土管を発見。彼はその土管に吸い込まれ...?
僕の名前は佐藤良太郎と言う。至って普通の高校三年生である。
いつものようにめんどくさい授業を受け、友達と喋りながら学校から帰るところだ。友達に「また明日なー」と挨拶を交わし、1人になる。
スマホで時間を見て、「いっけね、もうこんな時間だ」と言い、あるところへ走り出す。そこは、中古ショップである。僕は中古のアイテムを集めるのが趣味で、いつも僕は学校の帰り道に、中古ショップで物色し、家へ帰るのである。
さて今日はどのコーナーで何を買おうかなと悩んでいると、視界の端で窓の外に普段ない物が見つかった。
「なんだろう、この古い土管は...?」
覗き込もうとした途端、突然謎の力により土管に吸い込まれてしまった。
「ちょちょ、ちょっとこれどうなってんだ!?うおおおい!!誰か!助けてください!」
必死に元いた所に戻ろうとしても虚しく、しかも何故か誰にも知られず、どんどん吸い込まれていってしまった。このまま誰にも知られず死んでしまうのか...
色んなところが打ち付けられて、意識が少しずつ遠のいて...
「...丈.....すか。...丈夫...すか?大丈夫ですか?」
目が覚めると、変わった髪の女性が心配そうにしている。金髪で長い髪を後ろに結んでいる。
「目が覚めたみたいですね。あなた、変な形した石の前で倒れていたんですよ?」と、変わった女性は言う。いつの間にか僕は意識を失っていたようだ。
「...ここは何処なんだ?アンタは誰?」
たぶん僕は謎の力で異世界に来てしまったのだろう、そう考える他ないな。
「私の名前はシアンと申します。ここは、ハーフタウンと呼ばれる街の病院の一室です。貴方はこの街付近で倒れていたんですよ?」
そういえば、体に殴りつけられたかのような痕がある。土管の中であちこち打ってしまったのだろうか?
「...シアンさん、アンタがここに運んでくれたの?」
「その通りですよ。たまたま歩いていたら、貴方を見つけて...」 表情を見てみると、彼女はかなり疲れているようだ。カゴのような道具を持っているので、他の街に行商でもしに行っていたのだろう。
「助けてくれてありがとう。あのまま倒れていたら...」と言いかけた時、
「貴方、見かけない服装ですが、何処からいらしたのですか?」と問われる。そういえば自己紹介がまだだった...
「...僕の名前は佐藤良太郎。実は日本って言うところからいきなり飛ばされちゃって...」ありのまま起こった出来事を全て話す。
「ニホン...?というところからいらしたのですか...ニホンという地名は初めて聞きましたね...」
キョトンとした顔で彼女はそう言った。本当に聞いたことないようだった。
「ねえ、実はハーフタウンに来たの初めてで。色々教えてくれたりしてくれると助かるのだけれど...」
と頼み込んでみる。
「構いませんよ。」
と、彼女は二つ返事でオッケーをくれた。
窓からハーフタウンの景色を眺めてみる。まるで西洋文化が入った日本みたいで、すごく斬新だ...
「それでは、行きましょう!」
ここから僕の大冒険が始まるのであった...