表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/117

魔剣に魅入られた女

「ベガ、何している!? こいつを殺せ!! その次はあの小娘2人だ!!」

 アルタイルが吠える。手足が折られてもなお虚勢を張る姿がみじめであった。

「お前は俺の部下だ!! 何しているくそ女!! 俺のために働け!! その剣技も体も、俺の欲望のためにあるんだ!! そうだろ!!」

 アルタイルが傲慢な暴言を叫んだ瞬間、彼の首が体から離れていた。コラプサーを手にしたベガが、アルタイルの首めがけて剣閃を放ったのだ。

「?」

 何が起こったのか分からない、という表情のままアルタイルの首は宙に舞い、木の幹にぶつかって地面に落ちた。顔面が自身の血のりで濡れていた。

「きゃああああああ!!」

 スピカが叫んだ。目の前で予想外の殺人が起き、激しく動揺してしまったのだ。

「ベガ…お前、何を!!」

 シリウスが顔を青ざめながら言った。ベガにとっては盗賊団の首領であり、愛する男ではなかったのか!?

「ふっ、あんな器の小さい男、すでに見限っているわ!」

 ベガが伏せていた顔を上げた。その目は血走り、口角が上がって狂気に満ちている。

(まずい! コラプサーに魅入られた!!)

 魔剣・コラプサーは、持ち主が死んだら天狼の祠に帰るはずだ。しかし、持ち主の手から別の人間の手に直接渡った直後、前の持ち主を殺してしまったのだ。持ち主を破滅させ、人から人に渡る文字通りの魔剣……このままにしていては、さらに不幸が続く。

――この剣、ここで破壊しなければ!!

 しかし、ベガはすさまじい剣閃を繰り出してくる。速さはアルタイルと互角、技量はもっと高い。しかも得物は伝説の魔剣だ。新しい七星剣といえど、防御に回るのが手一杯だった。このままではやられる…!!

「シリウス!!」

 天漢癒の膜からスピカが飛び出し、ベガめがけて石を投げつけた。魔剣に魅入られた彼女は、予想外のけん制に一瞬ひるむ。その隙を、シリウスは見逃さなかった――。

「七の秘剣・文綾の星!」

 空気の渦がベガを吹き飛ばす。敵が倒れ込み、さらに2、3秒の余裕が生まれた。

――今しかない!!

「八の秘剣・北落師門!!」

 シリウスがついに実践で奥義を発動させた。七星剣から黄緑色の星鏡が外れ、ベガを囲むように落ちて光の壁を作った。

「ふん、こんなもの!!」

 コラプサーで斬り付けた瞬間、その威力がベガに跳ね返る。さらに、自身の殺気が赤い刃となって襲いかかってきた。

「きゃあああっ!!」

 跳ね返った威力も赤い刃も、フォマルハウトやアルコルの時に見たものとは比べものにならない。相手の力や敵意が強いほど、北落師門の威力は増すことになる。すさまじい攻撃が10秒間続くと、やがて光の壁が消えた。

 シリウスは七星剣を構えて星鏡を回収する。この10秒間、他の秘剣を使えない。早く回収しなければ……。

 ベガは立てないようだ。これなら大丈夫……と思ったら、3秒ほどでムクリと立ち上がり始めた。しかもすぐに立ち上がり、狂気に満ちた表情でコラプサーを握り直した。

(まずい!)

 ベガが裂けんばかりに口角を上げ、シリウスに突進してきた。

 5秒、6秒、7秒…あと3秒だがベガが間合いに入ってくる。コラプサーの剣閃をかわし、さらに2秒、あと1秒――。

 しかし次の瞬間、コラプサーが戻ってきた。峰で攻撃してきたのだ。

「くっ!!」

 ガキイン、という音が響いた。

「シリウス!!」

 スピカとミラの声が交叉する。果たして――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ