表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/116

紫微垣の試練⑨――武曲の祠

 星鏡は五つ、その他のアイテムは星金、塩、炭、そして本だ。残す祠はあと二つ――。

 シリウス、ミラ、スピカの3人は六番目の武曲の祠に着いた。この祠は直接、北辰の祠に続く道がある。また、シリウスの庵が近いこともあり、馴染みの深い祠だ。

 3人は祠にお参りをし、しばらく待った。日が傾いて夕暮れが近づいている。日没まではあと1時間というところか。

「来た……」

 シリウスは七星剣を構える。祠の陰から何者かが出てきた。ここまでさまざまな試練を体験してきた。もはや驚くこともあるまい……そう思っていたのだが。

「な!?」

「え!!」

「そんな!!」

 3人とも驚愕した。現れたのは――シリウスそっくりの人物だ。

「…シリウス、あなた1人っ子よね?」

 スピカが耳打ちする。

「ああ、親からも施設の大人からも、兄弟がいたって話は聞いたことがない。隠し子がいれば話は別だが……」

 するとミラがシリウスの腕につかまってきた。

「誰なの、あの人?」

 13歳にしては大きめの胸が、シリウスの腕に当たっている。それを見たスピカはまたもやもやしてきた。

(この子、何なのよ……)

 試練もクライマックスに近づいているのに――ミラの行動と自分の心の動揺に苛立ちを募らせるスピカ。

 一方、シリウスは剣の柄を上にした。防御のために七の秘剣・文綾の星を発動できるようにしたのだ。

「…ソンナモノイラナイヨ」

 シリウスらしき人物は、機械が割れるような耳障りな声を出した。

「何者だお前」

 シリウスがにらみつけると、シリウスもどきは右手を挙げて人差し指をかざした。その瞬間、3人の足元に闇ができ、引きずり込まれていった。


「ってて……ここは?」

 シリウスは目を覚ました。闇に引きずり込まれたところまでは覚えている。ここは別次元の空間か何かか?

「シリウス」

「スピカ、そっちか」

 スピカの声がした方に、手探りで腕を伸ばす。すると何かに当たった。

「それ……私の胸……」

 スピカの恥ずかしそうな声がして「す、すまん!」と慌てて離す。

「シリウスー!」

 ミラの声もする。3人とも無事か。3人が相互に肉眼で確認できる距離に来た時、さっきのシリウスもどきが現れた。

「ヨウコソ、ココロノヤミノクウカンニ」

「こころの…やみ?」

 ミラがきょとんとした。「心の闇の空間」ということか。

「キミタチハ、シビエンニナルタメニガンバッテイル。ケド、ソレゾレニタイシテヤミをカカエテイル」

 シリウスもどきは「ニイィイ」と口が裂けんばかりに口角を上げる。

「くだらん。さっさとここから出せ。さもなければ……」

 シリウスは一の秘剣・魚釣り星を闇に向けて放つ。しかし、空を切るだけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ