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大火の薬③

「はあっ!?」

 フォマルハウトたちは驚愕する。かければ人体を黒焦げにする薬だぞ!? ましてや飲んでしまったら――。

「うううぅうぅうぅ……」

 シャウラが前屈みに体を抑える。苦しいのか? と思ったら、彼女の体がボコボコと沸騰するように膨らみ始めた。

「があああああああああああああああ!!」

 服が破れた。シャウラの体が2倍になったのだ。肌は赤くて目は金色に光っている。頭部がエイリアンのように尖り、腕や足は筋肉隆々となる。

「ううぅうぅうう……」

 あの美しいシャウラが…あっという間に醜い化け物になってしまった。何てことだよ、そうまでしてあの男に入れ込んでいたのか?

 シャウラが腕を一振りすると炎の風が起こり、近くにいた兵たちを焼き尽くした。

「ぐああああああ!」

「まずい! 来るぞ!!」

 突進してきたシャウラは、鋭い爪で兵たちを引き裂く。

「よっしゃ、さすがシャウラ!」

「これで形勢逆転だぜ!!」

「アンタレスをたぶらかした時は腹立ったけどよ、これでチャラにしてやるぜ!!」

 この様子を見ていた党員たちが手を挙げて喜ぶ。そういえば、シャウラは後から加入してアンタレスの寵愛を受けていたから、他の党員が快く思っていなかったって、アクラブが言っていたな。

 しかし――シャウラは歓声を上げたその党員たちに突進すると、爪で身体を真っ二つに引き裂いてしまった。

「なっ!!」

 まさか――敵と味方の区別がつかなくなっている!?

「…アン…タレス…」

 シャウラが辛うじて声を絞るようにつぶやいた。

「ははっ、どうやら…僕以外の全員を殺すつもりらしい。いいよシャウラ、君の純粋な心、確かに受け取ったよ。君に殺されれば仲間たちも本望だよ。僕と一緒に、病気のない理想郷を作ろう!!」

 こいつら、ここまで狂っているとは――!!

「ちいっ!!」

 ルクバトは隙を見て、斗宿の矢をフルチャージにして放った。が、体をえぐったのに、瞬く間に再生する。

「まじかよ…」

 ルクバトはフォマルハウトをちらっと見た。「お前が何とかしろ」という目線だった。

 ――簡単に言ってくれるなよ…

 魚釣り星、螺旋昴、三連突きを次々と繰り出すが、シャウラの体に致命傷を与えられない。それ以前に、フォマルハウトの腕力では太刀打ちすることも難しいのである。

 フォマルハウトはシャウラの爪と切り結んだ。が、シャウラが腕を一振りしてあっという間に吹き飛ばされる。宙に舞いつつも何とか両足で着地した。

(どうすれば…)

 その時、不思議な光景が脳裏をよぎった。七つの星が何かを取り囲み、封じる光景だった。何だ、今のは――!?

 シャウラの炎を避けながら考える。もしかして、新しい秘剣か!?

 フォマルハウトは目をつむり、イメージを練り上げる。

「おい、何やってんだ!! 来るぞ!!」

 ルクバトの声でとっさに炎をかわす。そして、シャウラと対峙して七星剣を構えた。

「啓示が来た。新しい秘剣だ。これでだめならおしまいだろう」

「新しい秘剣?」

 カペラが首をかしげる。

「何でもいい、早くやれ!!」

 ルクバトが叫ぶ間にも、シャウラがフォマルハウトに突進していく。

「まだだ、ギリギリまで引きつける」

 初めて使う秘剣だ。失敗すれば自分もカペラもルクバトも死ぬ。確実に成功させなければ……。

 シャウラの爪が空を切った瞬間、フォマルハウトは秘剣を発動させた。

「秘剣・北落師門!!」

 すると、七星剣の星鏡がはずれ、シャウラの周りに魚のような形に落ちる。さらに、その星鏡から光が立ち上がる。光の壁がシャウラを取り囲んだ。

「ううううううぅううぅうう!!」

 シャウラは壁に爪を立てるが、その威力がそのまま自身に跳ね返った。さらに、無数の赤い刃が現れて、シャウラめがけて襲いかかる。

「ぎゃあああああああああああ!!」

 シャウラは胸に爪を受け、体に赤い刃が刺さって膝を崩した。そして、そのままうつぶせに倒れた。


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