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第39話『大ガエル掃討作戦』

 作戦決行の合図である夕暮れまでの間、レンリエッタは特に何かするわけでもなく、退屈な村の風景を眺めているだけで時間は過ぎて行った。エラフィンも同じく暇そうにただ待ち侘び、他のスレイヤー達も退屈そうであった。

 しかしそれも夕暮れまでの話…空が蜂蜜色へ変わるにつれて各スレイヤー達は武器を手に取り、戦いに備え始めた。

 今回集まったスレイヤーはレンリエッタを含んで5人…結局、二人の後には誰も来ず、このメンバーで挑む事となった…ちなみにエラフィンはあくまでも監督役なので除外している。


「さて、そろそろだね…準備は万全だろうね。」

「もちろん!だって私の武器と言えばこのペンデュラムだけだもん。」

「それもそうだったね。そんじゃ、始まる前に虫除け呪文でも掛けてやるよ、ここの蚊は結構ヤバイ病気を運んで来るんだ。」

「ありがとう…でも、出来ればもうちょっと早くに掛けてほしかったなぁ…」


 触媒であるペンデュラム以外に武器を持たないレンリエッタはエラフィンから虫除けの呪文を唱えてもらうだけで準備は終わった。皆、スレイヤーらしく各々の武器を携えているのでかなり浮いている気がしなくもない…

 少なくとも武器を持った集団の中に首から宝石ぶら下げた子供がひとり紛れ込んでいる状況では誰がどう見ても異常だと感じるだろう。

 そんな風に考えていると、レンリエッタへいけ好かない男ことハイントールが話しかけて来た。


「ようレンリエッタ、もうすぐ始まるけど大丈夫か?」

「うん大丈夫。でもわざわざ言いに来てくれたの?」

「まぁな、俺は初心者に優しいって評判なんだよ。」

「そうなんだ……ねぇ、ハイントールの武器は槍なんだね。」

「おうよ。カエルみたいなブヨブヨしたヤツには槍をズバッとしてやるのがよく効くんだぜ。」


 ハイントールの武器は飾り気のない鋼鉄の槍だ。カエル退治には鋭い武器がよく効くらしいので良いチョイスである。

 しかし、レンリエッタは後ろでエラフィンが鼻で笑うのを決して聞き逃さなかった。どうやら彼女からすれば取るに足らないものらしい…哀れ、ハイントール…


「レンリエッタは魔法か…珍しいな、魔法使いなのにスレイヤーを目指すのか?」

「別にスレイヤーを目指したいわけじゃ無いけど…私は私らしく戦うだけだよ。魔法はまだまだカラッキシだけど、先生が私なら出来るって言うから来たの。」

「そうか…まぁせいぜい死なないように頑張れよ、もしもの時は真っ先に逃げるんだぞ?」

「逃げるって?まぁさか、うちのレンリエッタは逃げるなんて事はしないよ!」

「ちょ、ちょっと先生…(私の逃げ道を潰さないで…!)」

「はーっはっはっは!そいつは楽しみだな!そんならすげー活躍、期待しておくぜ!」


 エラフィンの後押しにより、逃げ道を断たれたレンリエッタは少し心配気味な気持ちが大きくなって来た…

 弟子を目立たせるのは良いが、本人からすれば背水も良いところである。だがそれほどに信頼してくれるなら自分の腕前を存分に振るうべきだろうとレンリエッタは意気込んだ。

 どういう幸運か、今回の依頼は名高いスレイヤーばかりな上にバックにはエラフィンも居るので危機感はそれほど感じなかった。


「ところで…私達が戦ってる間先生はどうするの?」

「上から見せさせてもらうよ。いざという時はきちんと助けてやるから安心しな。」

「でも出来るだけ先生の手は煩わせないようにするよ」

「ほーう!言うね、なら私も期待しようじゃないか。アンタなら出来るよ、精一杯頑張りな。」


 彼女の後押しする言葉にレンリエッタは一層とやる気を燃やし、闘志を滾らせた。今なら火山を吹き飛ばすような魔法だって使えそうな気分だ。

 そんな感じで意気込んでいると、村長が家から出て、皆の視線が彼へと集中した。


【さて…時間ですぞ…皆様、準備はよろしいでしょうかね】

「あぁ村長、俺達ゃ準備万端だぜ!」

「さっさと始めましょうよ。」

「わ、私も…やる気は充分です!」


 ハイントール、ジクルート、レンリエッタはやる気を見せたが、後の2人は特に何か言うまでも無く、黙って武器を携えた。

 その様子を見て村長はふむふむと頷くと、【少しお待ちを】と言い、懐から取り出した角笛を勢いよく吹いた。ブォーンッという武器な低音が村中へ響き渡る…

 すると、村の中に居た兵士たちが村長宅の前へと集まり出した。皆、武装しており、松明を手に持っていた。


【彼らの案内に従って外の誘導地点まで向かってくだされ。いざという時は兵士達も助けになりましょうぞ。】

【えぇー!?お、俺達も戦うんですか村長…】

「なぁに、俺達スレイヤーが居るんだ。出る番は無いと思ってくれても良いぜ!」

【そりゃ頼もしい言葉だぜ……村長、俺が死んだらカミさんの面倒はアンタが見てくださいね…】

【う、うぅ…む……検討しておこう……では諸君!健闘を祈るぞい!…あが!こ、腰が…】


 村長が腰を痛めたところで、スレイヤー達と村の兵士達は動き出した。

 エラフィンは直ぐに杖で飛び立ち、上から皆を眺め始めたが、その様子を見た兵士の一人が【良いなぁ…】と言葉を漏らしていた。

 レンリエッタも胸をドキドキとせわしなく騒がせながら皆の後へ付いて行く…思えば誰かに付いて回る毎日である。





【着いたぞ、此処が誘導地点だ。】


 しばらく歩き、一行は村から少し離れた丘までやって来た。丘の上には不気味な模様が彫られた大きな鐘が一つ置かれており、これを鳴らせば一斉にウチョロッグたちがやって来るのだ。

 しかし……どこを見てもウチョロッグの姿は見えず、見えるのはただひたすらに周囲に広がる殺風景な泥地帯である。



「此処がそうなの?周りには何も無さそうだけど…」

「ウチョロッグってのは普段、泥の中に潜って動かないんだ。俺達が歩いて来た道にも、そこら辺にうじゃうじゃ居るぞ。」

「だから炙り出さないといけないのよ。爆弾が使えれば早いんだけどね…」

【悪いが火薬をポンポン使えるほど俺達の土地は強くないんでね…】

【くだらん話はどうでもいい、さっさと始めろ。】


 ここで初めてズニョポンは口を開いた。相変わらずのドスの利いた声に三人共ギュッと口を閉じてしまい、兵士もわざとらしく咳ばらいをした後に小さな金槌を手に取った。


【さて…始めるぞ、皆準備は良いな?】

「あぁ…始めようじゃねぇか…ばっちこいってんだ!」

「言っとくけどすぐやられたりしないでよね、アンタ達……あとレンリエッタも。」

「私だけ名指し……ええい!私も準備は出来てるよ!」

【よし!これよりウチョロッグ狩りを始めるぞ!!】


 兵士の言葉に皆、武器を構えた。レンリエッタは武器こそ持っていなかったが、それっぽくポーズを決めてみた。

 そして兵士が手に持っていた金槌で鐘を激しく叩くと、クォーンッという奇妙でどこか気持ちの悪い音が周囲に響き渡った。

 しばらくの間、静かな時間が過ぎた……誰も何も言わず、周囲へ視線を配らせる…


「………ッ!」


 レンリエッタが額に流れる汗を感じていると、やがて周囲の光景に異変が生じ始めた。

 丘の周りの地面が次から次へボコボコと膨れ上がり始めたのだ。まるで大きなニキビのように膨れ上がる地面…泥が盛り上がる音と共にとても強烈な音も聞こえ始めた…


【ググポポポポ…】

【ひ、ひぃ!奴らが来るぞ!何とかしてくれぇ!!】


 空気を破裂させるような鳴き声…その主たちはすぐに地面をボコンッ!と突き破り地上へ現れた。


【グオップゥ~…】

「あ、あれがウチョロッグ…!」

「あぁそうだともよ!一度奴らが食う気になったら殺すか食われるかだ!」


 泥をまき散らしながら現れたのはウチョロッグ…その姿は苔むした巨大な球体に大きなヒレ付きの後ろ足と、短い前足をくっ付けたような、なんとも間の抜けたものだった。

 しかしつぶらな瞳は一点にこちらを見つめており、大きな口を開いては巨大な舌をべろべろと動かしている…そのようなカエルが一匹二匹…どころではなく十匹、ニ十匹という集団でこちらに狙いを定めているのだ…

 レンリエッタはここ最近で何度目か分からない命の危険を感じた。だが、そんな余裕など殆ど無かった!


【グゴォ!!】

「うっ!?ディフェクトス!!」


 一匹が突如としてレンリエッタの方へ舌を伸ばして来たのだ。すぐにディフェクトスで防壁を作り出したので舌はドガァンッ!!と大きな音を立てて光の壁に衝突した…

 その舌の太さはまるで丸太の様であり、さらにはその速度と長さも尋常では無かった…そして、攻撃を防いだくらいではウチョロッグは諦めず、舌を一旦口の中へ仕舞いこむと、またしても伸ばして来た。


【ググポ!!】

「ディフェクトス!ええい…ピラリカッ!!」

【ゲゲゲググ…!?】


 再度伸ばされた舌をまたしても防いだレンリエッタは一瞬の隙を突いてピラリカを浴びせてやれば、直ぐに舌はこんがりと焼け爛れ、たまらずウチョロッグも絶命した。

 初の討伐だがそんな事を一々喜んでいる暇も無い…皆、既に各々で戦いを始めている…


「ウラァッ!!こんの…泥団子がよぉ!!」

【グブペェッ!?】


 ハイントールは伸ばされた舌を飛んで回避すると槍を突き刺し、本体を引き寄せてから滅多刺しにしていた。その槍の速度とはまさに目にも止まらぬ速さである。


「イサエゴルレンスト!はぁッ!!」

【ギュググ…】

【ゴゲェッ…!】


 ジクルートは自身の矢に魔法を掛けると頭上へ打ち出し、氷柱の雨を降らせて一度に大量のウチョロッグを始末している。魔法の使い手であるが、その利用方法も極めて個性的であった。

 そして、ダイミンとズニョポンは…


【オウラァアア!!ドリャウアァアアア!!】

『……ッ!…ッ!!』


 二人とも群れのド真ん中へ飛び込み、ズニョポンは鎌で斬り裂き、ダイミンはハンマーでひたすらに叩き潰している…その戦いぶりはある種の狂気すら感じられた。

 特にズニョポンは巨体ながらあり得ない程の素早さで鎌を操り、飛んで来た舌先やウチョロッグ本体をとてつもない勢いでなます切りにしている…最強スレイヤーと謡われるだけの実力はある様だ…

 ちなみに兵士たちはすっかり怯えて鐘の近くで震えている始末…なんだか気の毒だ。


「私も……ピラリカ!ピラリカ!!…ツ、ツツリカ!!」

【ゲベペェフゥ…】


 レンリエッタも負けじと戦いに没頭し始めた。

 ピラリカを放ち、カエルをこんがりと焼け焦がしつつ、まだ未完成のショボショボなツツリカを交えながら必死に戦い抜いた。火球はまだ未完成だが、それでも致命傷を与えられるほどの威力はあるのだ。

 時間が経てば太陽も沈み、辺りは暗くなったが、エラフィンが光魔法で照明を作り出してくれたので視界には困らなかった。




「はぁ…はぁ……うぅっ…ピラリカッ…!」


 しばしの時間が流れ、ひたすらに戦いに明け暮れていたレンリエッタに次第に限界が訪れ始めた。

 ウチョロッグというのは大した事のない相手なのだが、如何せん倒しても次から次へと際限なく湧き出て来るのだ。倒せば地面から新たな個体が湧き出て、それを倒してもさらに地面から新たな個体が…

 いくら一撃で倒せても、こうも続けば体力はどんどん無くなって行く…


「はぁ…あ、あとどのくらい残ってるの!?」

「分からねぇ…けどこいつら…無限に出て来やがるぜ!この調子じゃまだまだ居るだろうよ!オラァ!!」

「ウソでしょ…はぁ…はぁッ…!うぅ!ディフェクトス!!ピラリカ!」


 レンリエッタは荒く息を吐きながら防壁で己に迫る舌を弾き、ピラリカで燃やした。魔法は一々呪文を唱える必要があるので口の中がパサついて、仕方がない…

 てっきり多くとも百匹程度だと思っていたのだが、その予想を遥かに超えたウチョロッグたちの死体が丘の周囲に築かれている…それでも後からドンドン増援がやって来る…

 他のスレイヤー達も疲れが隠せず、皆息を深く吸っては吐いて、必死に戦っている。ズニョポンは相変わらずだが、いつの間にか…ハンマーでカエルを叩き潰す音は止んでいた。


「くぅッ…!ララ…はぁ!ララ・ギガス…レンスト!」

【ググゲェー!!】

「キャァアアア!!……う゛…」

「くそ!ジクルートがやられたぞ!」

「そんな…!……ディフェクトス!ツツリカ!ツツリカーッ!!」


 ついにスレイヤーの一人、ジクルートがカエルの舌に絡め取られてバクンッと捕食されてしまい、姿を消した。レンリエッタは慌ててその個体を狙おうとしたがすぐに地面へ潜り込んでしまったのでどうしようも出来なかった。

 丘の上を守るスレイヤーがひとり減ったことにより、着実にウチョロッグの前線が迫り始めた…ズニョポンも全力で戦っているが、死体が多くなったせいで動きづらそうだ…


「ま、まずいぞ…押されてるじゃねぇか…!」

「ええい!ピラリカ!ピラリカ…!うわ!ディフェクトス…!」

【ひぇえ~!もうダメだ!く、食われちまう…!】

「おい!情けない事言って無いで戦ったらどうだ…うぐッ!兵士なら戦え!」

【無茶言うなよ!俺達の専門はモンスターじゃねぇんだよ…】


 情けない声の兵士達にレンリエッタも文句を言おうとしたが、いざ迫って来るウチョロッグたちを見れば責める気など起きるハズも無く、むしろ同じ恐怖に襲われた。

 もし食われてしまったらどうなるのだろうか…丸呑みにされ、地中でじわじわと溶かされてしまうのだろうか……考えるだけで恐ろしい…

 だが、この状況に見兼ねたのか、上空から救いの声が聞こえて来た。


「レンリエッタ!随分と押されてるじゃないか、手を貸そうか?」

「せ、先生…!うぅ……た、助けてください!このままじゃみんな食べられちゃうよ…!」

「よし来た!ちょうど暴れたかったんだ…加勢してやるよ!」

「なんだか知らねぇけど戦えるならやってくれ!じゃないと俺達全員胃袋の中だぜ!」


 この状況では流石に手を貸してもらう他なく、レンリエッタはエラフィンに助けを求めた。

 すると彼女は直ぐに杖から飛び降り、丘の上に降り立つと落ちて来た杖をパシッと手に取って構えた。それから迫りくる大群目掛け…


「イサレレツェス!串刺しになっちまいな!!」


 氷の呪文を放つと、凄まじい量の氷柱が飛び散り、瞬く間にウチョロッグたちを針山へと変えてしまった。その威力も範囲も恐るべきものであり、騒がしかった周囲は直ぐに静寂に包まれた…

 これには死体の陰から顔を覗かせるズニョポンも呆れたようにこちらを眺めて来る始末…


「どうよ、所詮はただのカエル…取るに足らない両生類どもよ!」

「す、すげぇ……一瞬でぶっ殺しちまった…」

「ありがとう先生……私もうダメかと…」

「はっはっは!やっぱりアンタは私が居ないと駄目だねぇ………うん?地面が…」

「うわ!?じ、地震!?」


 すっかり上機嫌に笑うエラフィンだったが……その時、突如として周囲の地面が強く揺れ動いた。地震とは違い、何か地中で大きな物体が動いている様な振動だ。

 全員すぐに身構え、周囲を警戒し始めた……明らかに様子がおかしい、先ほどまで湧きに湧いていたウチョロッグたちが不自然なくらいに出て来なくなっている…

 しかし遠くで眺めていたズニョポンは落ち着いて足取りでこちらへやって来て言った。


【なるほど…この事だったのか…】

「ズニョポン……この事って一体…?」

【デケェ獲物が来るぜ……構えろ!】


 ズニョポンがそう言い終えた途端、突如としてドカーンッ!!という地を裂くような爆音が鳴り響き、少し遠い地面から何かが飛び出して来た…

 照明があっても暗くてよく分からず、そのシルエットは丸っこい…巨大な岩の様である…それも、ギラリと鋭く光る瞳孔が浮かぶ…ブヨブヨとした……巨大ウチョロッグだ…


【グググゲェェブ…!】

「うわぁああ!!で、でかい…!デカすぎるよ!」

「なんだこいつ!?こんな奴が居たのか!?」

「なるほど…大発生の原因はコイツかい…」

【ああ…ウチョロッグの親玉…クインロッグだ…!】


 雷鳴のような鳴き声と共に姿を現したのはウチョロッグの親玉個体、通称クインロッグ。

 大食いを体現したかのような身体は凄まじいほどに大きく、まるで山の様だ。脚はあるが巨体故に思うように動けないのか、ずりずりと後ろ足で泥と子分の死体を掻き分けながらこちらへ近付いて来る…


「どうしよう!こっちに来るよ!何とかしないと!?」

「こいつは…私でも骨が折れるねぇ…」

「ち、ちくしょう!こんなの聞いてねぇぞ!クインロッグの危険度は団級以上(超ヤバイ)じゃねぇか!」

【落ち着け。お前等は下がってろ、俺がやる……やれるかどうかは知らんがな…】


 その圧倒的な巨体にエラフィンですら挑む事を躊躇したが、ズニョポンはたった一人(一匹?)で鎌を手に立ち向かって行った。

 流石は豪級スレイヤーだ……その背中にはとてつもない安心感がある…!


【さぁ来い!この肥えた巨大な…】

【グォオオン!!】

【なっ!跳べ…】


 プチッ…


「なんてこった!ズニョポンがやられちまったぞ!」

「この人でなし!……カエルだけど…」


 ズニョポンは無惨にもクインロッグに押し潰されてしまった。

 かなり情けない最期だったが、彼の犠牲を惜しむ暇など無い。クインロッグはこちらへ近付いて来ている…着実にゆっくりと…


【ゴポポポポ!】

「どうしよう!ホントにどうしよう!?アレをやっつけないと!」

「ならそうするしか無いじゃないか!やるよレンリエッタ!」

「う、うん!そうだよね…や、やってやる…!」

「いい返事!そんじゃ、そっちのアンタ達は後ろに下がってな!」

「普段は絶対にこんな事は言わないが…俺は後ろの方で隠れてるから頑張ってくれー!」

【恩に着ますスレイヤー殿!】


 クインロッグが相手となれば槍を持った程度の者では太刀打ちできないので、ここはレンリエッタとエラフィンが対処する事となった。初級魔法が効くような相手には見えないが、それでも戦わなければ自分達はもちろん…村もただでは済まないので挑む他ないのだ。

 ハイントールと兵士達も逃げて行ったのを確認すると、二人は構えてクインロッグと対峙した。


【ゲゲベプ~】

「こいつは…はは、近くで見るとさらに大きいね…」

「ど、どうするの先生…私…勝てる気しないけど…」

「簡単な事よ、目を狙って火球を放ってちょうだい。その間は私が囮になる。」

「でもそれじゃ危険だよ!もしものことがあったら…」

「なぁに、やられたりはしないよ!安心しな!(レンのアレに賭けてみようかね…)」


 エラフィンの提案した作戦は自身が囮となり、その間にレンリエッタが目を狙うという恐ろしく非効率であり、危険なものであった。

 当然そのような作戦が上手くいくとは思えず、レンリエッタは別の作戦を提案しようとしたが時すでに遅し…エラフィンはクインロッグに向けて小さな氷塊を幾つか飛ばしながら大声で挑発し始めた。


「この苔むした牛糞団子め!アンタの舌を便所掃除のブラシにしてやるよ!」

【グムムムム……ゲプゥ~!!】

「レンリエッタ!今よ、こいつの目にとっておきの火球を浴びせてやりな!!」

「え、えぇい!こうなったら…ツツリカァッ!!」


 レンリエッタは半ばヤケクソ気味でツツリカを唱えると、クインロッグの小さな目を狙って全力で投げ飛ばした。火球はヘロヘロとした情けない動きで飛んで行くと、上手く相手の目元でドカンッと爆発。

 手応えアリ…と思われたが、煙から現れたのはレンリエッタを睨む恐ろしく無傷の瞳孔であった…目の周りが少し焦げ付いた程度であまり効いていない…

 ギロリと睨まれる感覚にレンリエッタは背筋をゾクッとさせ、思わず凍り付いてしまった。


【ググプ…!】

「ひぃい!?こっち見てる!すごく怒ってるよ…!」

「ちょっと!アンタの相手は私だよ!こっち見な!このヘドロガエル!」


 エラフィンはクインロッグに対して声高らかに挑発しながら足元の泥を手に持ち、目へと投げつけた。情けない火球とは打って変わり、こちらはべちゃッと目へと直撃。

 クインロッグはうなり声を上げながら再度エラフィンへターゲットを移すと、大きく怒りの声を荒げた。


【グオウウウウウッ!!】

「おっと怒ったのかい?たかが目に入っただけじゃないか、全身に浴びてるのに今更…」

【グアァァアア!!】

「あぁッ!!先生!!危ないっ!!」


 ついにクインロッグの怒りが頂点へ達した様だ…凄まじい怒声を吐き出しながら太い後ろ足でビョーンっと飛び立つと、エラフィンを圧し潰そうとした。

 レンリエッタは咄嗟に声をかけて助けようとしたが…


「ふーむ…これは予想外…」


 ドチャァッ!!


「…っ!!」

【グムムムゥ…】

「せ、せんせっ…い……」


 されるがままに、エラフィンはクインロッグに潰されてしまった。

 とてつもないほどの衝撃が地を揺らし、レンリエッタは絶望と衝撃で地面にへたれ込んだ。上空に形成されていた光球は消え去り、周囲は暗闇に包まれる…

 クインロッグは満足そうに腹を擦ると、今度はレンリエッタへ狙いを定めた。自分の目を焦がそうとした愚かな下等生物へ徹底した裁きを下すために…


【グププゥ…】

「…はぁーっ……はぁーっ!!…くっ…!」


 レンリエッタは己へ迫りくるクインロッグを睨みながら歯を食いしばり、震える息を口から吐いた。

 心の中に燃え滾るこの感情は恐れや悲しみではない……間違いなく【怒り】そのものだ。

 目の前の生物に対する圧倒的な怒りがレンリエッタの体中を燃やすように煮え滾っている。体の底から湧き出るような感情がつい、口から漏れる…


「くぅっ…うあぁ゛ああああああ゛あああっ!!」


 レンリエッタは立ち上がり、体中の感情を吐き出すように叫び狂った。体が、脳が、手足がまるで燃えるように熱い…

 クインロッグに対する怒りが増すにつれて、熱は増して行き…


「くぅああああ゛っ!!!」

【グブピ…?】


 ついにはレンリエッタの両手は轟々と燃え盛る魔法の炎に包まれた!体中の怒りを具現化させたような真っ赤に燃え盛る炎はブワッと周囲を照らし、クインロッグですら思わず足を止めた。


「ぶっ殺してやるッ!!」

【グオウッ!?】


 シュビビビッ!!


 初めて本当の意味を込めた物騒な言葉を吐き散らしながら、レンリエッタは手に宿る炎を解き放つように相手へ手を向けた。

 すると、驚くことに両手からは真っ赤に染まった魔法糸が何本も放出され、それらが絡み合い、一本の鋭く太い糸へと変わった。レンリエッタは本能的に、まるで知っているかのように指を動かすと、クインロッグへ素早く糸を伸ばし…


「くっ…!!」


 ズガッ!!


【グォァァアアッ!!】


 糸はクインロッグの腹部へと突き刺さり、ジューッと周囲の贅肉を焦がし始めた。

 激しい苦痛に堪らず逃走を図ろうとするクインロッグだが、もちろん糸は許さない……既に数えきれない細い糸が巨大な体中を縛り付け、一切の身動きを封じている…

 さらにレンリエッタは憎しみを込めて手へ力込めると、糸は深々と刺さりこみ、ついには貫通してしまった。


【ググ…ガガッ…!】

「木端微塵に…なれッ!!」

【グガッ!?……ッ!!?】


 そして最後にトドメの一撃としてもう少しだけ力を込め、両手をグイッと離すように動かすと…クインロッグの全身に絡まっていた糸が鋭く光り始め…


「やぁぁぁあッ!!」

【グバァッ!?】


 ブッシャァァァアアアッ!!


「はぁ…はぁ……はぁあああっ…!」


 クインロッグはそのまま糸によってバラバラに切り裂かれてしまい、肉片と化した。

 肉の欠片がボトボトと地面へ落ち、周囲は血の雨によって激しく打たれ、汚物のようなひどい匂いが充満し始めた…しかし、レンリエッタはそれらに関心を寄せる暇もなく、荒く息を吐いて膝から崩れ落ちた…

 敵は討った………だが、エラフィンは……もう…


「うぅ…せんせ、い………」





「やったねレンリエッタ!超大型モンスター撃破だよ!」

「えっ…」


 予想外の声にレンリエッタが顔を上げると、そこには誇らしそうな顔で笑うエラフィンが何事もなかったように突っ立っていた。無傷で汚れ一つなく、まるで今しがた家から出てきたばかりの様に平然としている…

 思わずレンリエッタは凍り付き、理解するのに少しの時間を要したが…すぐにハッと意識を取り戻した。


「なんで!?さっきつぶれ…えっ!?どうして!?なんでなの!?」

「はっはっは、そんなに驚くのも無理はないね…悪いが少し狸寝入りをさせてもらったよ。」

「…は?」

「要するに死んだふりをしたのさ。」


 レンリエッタのその言葉にカチンッと来たような気もしたが、それよりもエラフィンが生きているという安心感のほうが何百倍も強く、怒る気にはなれなかった。

 なので、とりあえず地面へ座り込んだまま訳を聞いてみることにした。


「なんでそんなことしたの…ひどいよ…私は本気で…」

「まさか私が?あんなカエル相手に負けるわけないでしょ!ちゃんとシールドで全身をガードして泥の中へ潜ってたのさ。」

「だからなんでそんなことするの!」

「そんなに怒らないでおくれ、別に意地悪したかったわけじゃないのよ。アンタは感情で魔法が爆発するだろう?だからちょっと試してみたのさ。」


 エラフィン曰くやられたフリをしたのはレンリエッタの『爆発力』を試してみたかったから…らしい。

 今までの事例からレンリエッタは【怒り】で感情爆発を起こし、圧倒的な魔力を発揮すると考えたエラフィンはカエルに押し潰されたフリをすることで誘爆しようとしたのだ。

 もちろん結果は大成功…エラフィンはうれしそうに笑ったが、当の本人は一切の笑みを浮かべず、苦い顔で彼女を睨んだ。


「……じゃあ先生は私で実験したってこと?」

「言い方は酷いが…まぁそうなるね…」

「だったら次からは違うやり方を考えたほうがいいよ。もう先生に何があっても私、爆発なんて絶対しないから。」

「もうしないよ、約束する…悪かったよ…だからそんなに怒らないで…ね?」

「……ホントにもうしないでね?」

「ホントにしない!これっきり止める!100万回約束してもいいよ!」


 レンリエッタは二度としない事を約束すると、とりあえず機嫌を直して立ち上がった。すっかり暗闇に包まれた周囲を眺めれば…まさに死屍累々…

 エラフィンは犠牲にならなくとも、3名のスレイヤーがやられてしまった……そう思うと悲しくて堪らない…


「ねぇ……3人とも…死んじゃったね…」

「死んだ?まさか、生きてるだろ。」

「え、えぇ!?生きてるの!?どこどこ!?」

「ほら、そこに埋まってるズニョポンはまだ息をしてるし、チビのダイミンは蛙の死体の中に隠れてる…あの女もきっと地中の巣穴の中でしょうよ。」

「そっかぁ~…よかったぁ……じゃなくて!助けないと!!」


 なんとすっかり犠牲になってしまっと思われていた3人のスレイヤーは全員生きていた。

 ズニョポンは泥の中に埋まっており、情けない自分を隠すように気絶したフリをしているし、ダイミンは死体に足を取られて動けなくなっていただけだった…

 一方でカエルに食われたジクルートだけは地中の巣穴に捕らえられていたので救出に少しの時間を要してしまった…

 だが全員死ぬことなく任務を終えることに成功したのだ。


【クインロッグを仕留めたのか…お前が…】

『手助け……ありがと…』

「私も助かったわ、あやうく死ぬところだったし…でも胃液が肌に滲みて痛いわ…」

「よかった…全員生きてて…」

「駄弁りは置いといて、村へ戻るよ。今頃は歓迎の準備でもしてるだろうし…或いは葬式の準備をね。」


 親分のクインロッグを倒したことで残党のカエル達はすっかり消え去り、任務を遂行した一行は逃げ帰ったハイントール達の待つ村へと戻るのだった…




 結果的にエラフィンの予想通り、村の人々は戻ってきた一行を歓迎した。しかし、村の中には逃げ出そうと荷物を纏めていた者も居るらしく、一部の者は生還した皆を幽霊でも見るかのようにギョッとしていた…

 村長宅に居たハイントールに至っては死亡届をビリビリに破きながらレンリエッタ達の帰還を喜んだ。


「おお!みんな生きてたのか!?」

「ええそうよ!逃げ帰ったアンタは知らないだろうけど!」

【敵前逃亡などスレイヤー失格だな。】

『腹を切れ、腹を。』

「待ってよ!逃げることは悪いことじゃないよ、そんなに責めないであげて。」


 生還した3人はもちろん逃げ帰ったハイントールを攻め立てたが、レンリエッタは一切の愚痴も漏らさず、それどころか3人を宥めようとした。

 スレイヤーとして敵前逃亡は万死に値する行為なのだが、自分の命を捨てるのは英雄的行動では無いのだ。仮にレンリエッタがスレイヤーだとして、同じ状況に陥れば間違いなく同じことをしただろう。

 しかしハイントールはしおらしく言った。


「レンリエッタ…庇ってくれる気持ちは嬉しいが俺は弱虫だぁ、スレイヤーなのにモンスターが怖いだなんて致命的だろ?」

「でも……誰だって怖いことはあるよ…怖いものから逃げるなんて当たり前なのに…」

【スレイヤーは逃げる者を手助けする存在だ。それが逃げ帰ってはどうにもならんだろう。】

「そうなんだけど……うーん、困った…反論が思いつかないや…」

「とりあえずあの爺さんに報告しようじゃないか。早いとこ帰らないとグリスの説教が余計に長引いちまうよ。」


 というわけで、村長に任務の完遂を告げようとしたエラフィンは彼の隠れている地下倉庫の扉を魔法でぶっ飛ばすと、中から本人を重力魔法で引っ張り出した。村長は一行を見て【ひぃー!】や【成仏してくれ!】などとほざいていたが、バチンッと頬を叩いてやると、ようやく落ち着いた。


【はぁー!こりゃ驚いた…てっきり幽霊が出てきたのかと…】

「報酬を払ってくれればすぐに消えてやるさ。シケた依頼だが貰うもんはきっちり貰わないとね。」

【もちろん払いますぞ!そなた達は村の英雄!惜しむ銭などありませぬからな!】


 村長は気前よく依頼料を全員に支払ってくれた。

 命を張ったにしては大した額でもないが、肝心なのは金額ではなく皮…ガマの皮である。レンリエッタは皮を手に入れるためにこのような危険な仕事を引き受けたのだから貰わないと帰れないし、帰るつもりも無いのだ。


「あの村長、ひとつ聞きたいんだけど…カエルの死体は貰ってもいいよね?」

【ええもちろん。どうぞご自由に持ち帰ってくだされ。】

「死体を持ち帰ろうなんて変わってるわね。ウチョロッグなんて外も中も大した値段にはならないのよ?」

「そうかもしれないけど私は生皮が欲しくてこの依頼を引き受けたわけだし…」

「アンタ、ホント変わってるわね…」


 正式に死体を弄り回せる許可を得たレンリエッタとエラフィンは真っ先にその場を後にしようとしたが、急ぐエラフィンとは裏腹にレンリエッタはズニョポンに呼び止められてしまった。


【おい、お前…レンリエッタと言ったな。】

「は、はい…そうですけど…」

【お前の魔法は中々の殺傷力を持ってる、よければスレイヤーになるつもりはないか?】

「えぇ!?いやだよ…私スレイヤーになんてなりたくない…」


 いったい何用かと思えば、驚くことにズニョポンはレンリエッタの魔法に関心を受けたようで、スレイヤーにならないかと提案を持ち掛けた。勧誘でなる物なのかはさておき、もちろん答えはノー。

 スレイヤーなんて命がけの仕事、レンリエッタのような小心者には向いていないのだ。


【ふぅむ…そうか……だが気が変わった時はギルドに来い。お前の力には興味がある…】

「そりゃどうも……ところで私…聞きたいことがあるんだけど…いい?」

【なんだ?言ってみろ。】

「クインロッグが出てきたとき、まるで知ってたみたいに言ってたでしょ?親玉が居るって最初からわかってたの?」


 レンリエッタはふと、クインロッグが出てきたときのことを思い出し、聞かずにはいられなかった。親玉が姿を現したときにズニョポンはまるで知っていたかのように【この事だったのか】と口にしていたのだ。

 ズニョポンはレンリエッタの言葉に対して少しうなるように声を漏らしたが、やがて語りだした。


【占いだ。】

「占い?」

【ああ……腕の言い占い師に予言をもらう機会があってな…せっかくだから次の依頼について聞いてみたんだ。すると奴は『またとない獲物が現れる、湿地帯のカエル退治へ迎え』と言った。俺はてっきり、()()()()()()()()()()()()だと思ったんだが……あのクインロッグがまたとない獲物の正体ってわけだ。】


「そ、そうなんだ…」


 どうやらズニョポンは予言をもとに此処へ訪れ、またとない獲物とやらを狩ろうとしていたらしい。その獲物とはまさにエラフィンなのだが…偶然にもクインロッグが出てきたくれたおかげで彼は完全にそちらを獲物とみなしたようだ。

 こればかりはミンチになったクイーンに感謝せざるを得ないが、もし正体がバレてしまった時のことを考えれば……

 レンリエッタはグッと固唾を飲み込み、安堵した。


【とんだ期待外れだったな……評判はあくまでも噂か…】

「占いなんてそんなものだよ……はは……それじゃ、私もう行くね…バイバイ、ズニョポン!」

【ああ、またな。(レンリエッタ…か…)】


 すっかり嫌な汗を掻いてしまったレンリエッタは逃げるようにその場を後にして、呑気に誘蛾灯を眺めていたエラフィンの元へと向かうなり早く行こうと急かした。


「せ、先生!早く皮を取って帰ろうよ!」

「なんだい、やけに急ぐじゃないか。まぁ早く帰りたいのは私も一緒さ、そんならさっさと帰ろうかね!」

「うん!もう杖をぶっ飛ばして帰ろうよ!」

「ははは!そいつはいいね!…それにしても、ズニョポンの野郎と何か話してたね…一体何の話をしてたんだい?」

「そんなのはあとでいいよ!いいから早く!」

「あ、ああ…そんなに帰りたいのかい…」


 やたら急かすレンリエッタにエラフィンは若干引きつつも、杖で先ほどの決戦場まで向かうとハエが集り始めた死体から皮をはぎ取り、無事に本来の目的を達成した。

 すっかり疲れ果てた二人は夜空を裂くように杖をぶっ飛ばして帰宅したのだが……夜まで外出していたのと洋服を悲惨な状態にしてしまったことで怒り心頭のグリスから長ったらしい説教を聞かされる羽目になったとさ…


つづく…

今回のワンポイント:生物解説


【ウチョロッグ】繁殖状況:5(絶滅遠し)

魔属動物界、地棲無尾目、コケカワズ科、ウチョヨフロッグ属

『主に湿地帯や沼地など多湿的な環境に棲む大型の肉食ガマ。地中と地上の両方で活動する両生類で幼体が殆ど地中で活動するという点が特徴。非常に食欲が旺盛で爬虫類から魚類までありとあらゆる動物を丸吞みにしてしまう。地中で活動する種でありながらも脚力は極めて強力であり、重さ100キロを優に超す巨体を跳ね上げるほど。筋肉の塊である重厚な舌は最高時速900ヤーディン(約300㎞)で口から射出され、生身の者に直撃すれば全身の骨が砕け散る。しかし乾燥に対してはめっぽう弱く、多湿環境であっても日中に姿を現すことはほとんどない。そのため気候魔法や火炎魔法は最大の弱点とも言えるだろう。両生類では珍しく社会性を持ち、群れで最も強い個体がクイーン個体(通称クインロッグ)となるが、強い個体がオスだった場合はキングになるのではなく、性転換をしてクイーンになる。クイーンが死亡した場合、群れは散り散りになるが数か月をかけて再構築され、また新たなクイーンが現れるのだ。原産国は南部の諸島であり、クランクスなどに生息する種は大昔に輸入された外来種である。なので無許可の飼育は法律で禁止されている。主な利用方法は製薬材料、あるいは食材…目玉は視力回復薬の材料として利用されることがあり、舌煮込みや卵の酒漬けは珍味として有名。脂の乗った前足は美味とされるが、後ろ足は臭くて硬いので食用に向かない。一般的ではないが皮を装具や鎧のケープに使用することもあり、この場合は優れた撥水性を発揮する。』

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