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第36話『雷獣魚と火球魔法』

 リージャスト街の一件から翌日、レンリエッタは自宅にてロッズルの飼育に励んでいた。昨日帰り際に購入した耐電ガラスの水槽へ放電布を敷き詰め、水槽の中には金属製のよく回る滑車と餌皿、それから何となく齧り木も設置すれば素敵なお部屋の出来上がり。

 慎重に水槽へ向け、ロッズルを解き放ってみると…パチパチと音を立てながらロッズルは水槽の中を暴れ始めた。四方八方へ飛ぼうとしては壁にバチンッと当たり、せわしない様子…


【ギシャ!パチィィ!!】

「まだおうちに慣れてないんだね…大丈夫、此処には全部揃ってるよ!遊べる滑車と、ご飯と…それから枝も!うーんとエンジョイしてね!」

【パチャァアア!!ギッシィィィイ!!】


 そうは言っても、ロッズルからすればこの水槽は狭いとしか言いようがないだろう。なんたって水槽は横に80㎝、奥に40㎝、高さはたったの60㎝しか無いのだ…空に比べて、途方も無いくらいにこの中は狭い…

 しかし最初は抵抗していたロッズルは次第に自身の置かれた環境を理解したのか、しばらくすると壁に当たる事を止め、滑車を勢いよく回し始めた。ガラガラガラ!と鳴り響く音がやかましいが、早速遊んでくれたようでレンリエッタは大満足である。


【フッー!フッー!!ピチチチチ!!】

「あは!気に入ってくれたのかな!よかったぁ!」

【アンギャー!…ビビビビ!】


 ロッズルはしばらく滑車を回すと、疲れたのかマジックペレットに噛り付いた。こちらも気に入ってくれたらしく、ガリガリと夢中で貪っている。

 ちなみにマジックペレットとは魔力食性の生物専用の固形餌である。見た目は小さなガラス玉と言えば良いのだろうか…とてもじゃないが人間から見れば食べ物には見えない代物だ。

 それでもロッズルはペレットを大いに食し、満腹になるとまた滑車を回し始めた。

 こうしてじっくり眺めてみると、妙に愛らしく思えて来る…せっかくなのでレンリエッタは早速名前を付けてやることにした。


「名前…何が良いかなぁ…ネズミみたいな顔でピカピカ光ってるから…チュウピカ?それとも逆にピカチ…いや、しっくりこない気がする…うーん…」

【パリリリ!ピギャァアア!!】

「ごめんねぇ、私名前つけるの苦手だからさ…」


 レンリエッタは幾つか名前の候補を上げてみた。

 ミリカ、バリリン、ラインハルト、ゲロゲロ等々……どれもこれもパッとしないので、レンリエッタは己のネーミングセンスに憂いを感じた。というより、性別も分からないのだ…これじゃあ名前の付けようなど無かった。

 今一度、レンリエッタは『かしこい精霊飼育法103選』に目を通してみたが…雌雄の判別方法の記載は無い…


「あなたってどっち?オスなの?メスなの?」

【パリギャァア!!】

「じゃあ私が決める!あなたは今から女の子!女同士、ルームメイトとして頑張ろう!」


 結局分からなかったのでレンリエッタはこのロッズルはメスだと無理やり自分に言い聞かせる事にした。確率は2分の1なので、半分合ってるようなものだろう。

 確認するまで分からないなら二つの可能性が交差して一つになっている……なんだか猫みたいである。


「……そうだ!エヴィ!あなたの名前はエヴィにしてあげる!私が知ってる中で一番偉そうな人の名前!」

【パギギ?】

「うんうん、それが良いよ…エヴィ!これからよろしくね!」

【ギッシャァァアアア!!】


 というわけでレンリエッタはロッズルの名前を『エヴィ』に決めた。随分と昔、学校で習った物理学者の名前である…エヴィも心なしか嬉しそうだ。

 愉快なルームメイトの名前を決めたところで、レンリエッタが椅子に座ってエヴィの様子を眺めていると、下の階から声が響いて来た…


『レンリエッタ―!ちょっと来なー!』

「エラフィン先生だ…はーい!…じゃあねエヴィ、また後で!」

【ギパパパパ!】


 声の主はエラフィンであり、呼ばれたレンリエッタはすぐに下へ降りようとしたが、一旦部屋に引き返すとベッド横のスタンドに掛けられていたペンデュラムを手に取って首に掛けた。

 それから急いで階段を下り、広間へ向かってみれば、エラフィンがソファに座り込んでいた。随分と疲れている様子だ。


「先生、何か用事?なんか疲れてるみたいだけど…」

「ちょっとばかり倉庫をひっくり返してね……ほら、アンタに丁度良さそうな本を見つけて来たんだ。」

「うーん?」


 エラフィンの言葉にレンリエッタがソファ前のテーブルへ視線を移してみると、埃っぽい本が置かれているのに気が付いた。かなり年季が入っており、古めかしい本である。

 こんなものが丁度いいなんて一体何の事なのだろうと、レンリエッタは考えながら本を手に取り、埃をフ―ッと吹き飛ばせば…直ぐに表紙に書かれた文字が見えて来た。


「魔術…装具製法?ねぇこれって…!」

「ああ、魔術装具の本さ。基本的な装具のレシピが載ってるよ。」

「わぁ!すごいや!でもなんでこんなものが!?」

「結構昔に装具を作ろうかと思って買ったんだけど……はは!そのまま忘れちまってたのさ!」


 本の正体はグレイン・テンペッツ著の『魔術装具製法:基本編』であった。中身を表す題名を見ればどのような本なのかは一目瞭然…まさにレンリエッタが欲していた本そのものだ。

 こんなに素晴らしい本が邸宅に眠っていたとは思いもしなかった。レンリエッタは早速埃を叩き落とすと、開いて中身を読んでみた。

 パラパラとページを捲るだけで様々な装具についての情報が入って来る!竜頭兜(バンズヘルム)変身(トランス)ケープ、眩ましのマント(ミラーベール)と言った恐ろしく制作難度が高そうなものから、帰巣指輪(マグリング)倍歩(ツイン)シューズという作るのが簡単そうな代物までより取り見取りだ。


「すっごいなぁ…!ありがとう先生!」

「せっかくペンデュラムが手に入ったんだ、これから中級魔法の習得に加えてモノリスと糸魔法の勉強もやってもらおうじゃないか。うーんと忙しくなるよ?」

「えっへへ!任せてよ!根性だけならあるから!」


 こんなに素晴らしい本を貰ったからには期待に応えるべきだろう。レンリエッタはえっへんと言ったようにさほど無い胸を張ってみせた。


「ほほう、やる気は充分あるね。そんなら早速幾つか宿題を出そうじゃないか!」

「しゅ、宿題?まぁ…出来そうなものなら良いかな…まさか薬の調合じゃ無いよね?」

「それはこの前やっただろう?今回のはちょっと違うのにしよう。」


 そんなレンリエッタへエラフィンは宿題を幾つか出してくれるようだ。宿題と言えばいつぞやの調剤が思い浮かぶが、今回は薬の宿題は無い模様。

 エラフィンは指をパチンッと鳴らし、部屋の片隅から空飛ぶクリップボードを手元へ呼び寄せると、そこへ何かしらを書き込んだ。レンリエッタが興味ありげに待っていると、クリップボードを見せながらエラフィンは言った。


「まず最初に中級呪文、ツツリカの会得。全てを燃やし尽くす火球魔法を習得するべし!」

「やったぁ!早速新しい呪文!」

「次にモノリス魔法での造形。最低でも1㎝の立方体、重さ1万モンド以上の物を作ってね!」

「1万モンド?よ、よく分かんないよ…」

「最後に魔術装具を等級問わず1つ作成。糸魔法を使わない装具もあるし、それから始めると良いよ。」

「早速魔術装具の作成…やる事が多いなぁ…」


 というわけで以上の3つが今回の宿題…というより課題である。

 中級呪文の習得、モノリス魔法の使用、魔術装具の作成…こんなに一気に課題を出されてはレンリエッタの頭はパンクしてしまいそうだが…幸いにも期限は無いので焦る必要も無い。


「分からない事も多いし、1つずつやろうじゃないの。装具はともかく、ツツリカとモノリスなら教えてあげるよ。」

「うん。じゃあ……まずはツツリカっていう魔法からやってみたい!」

「よーし!良いね!そんなら手本を見せてやるよ!……だが、その前に場所を移そうかね…此処じゃ壊すには惜しい物も多いし…」


 とりあえずレンリエッタはツツリカの会得から始める事にした。エラフィンも乗り気なようで、早速手本を見せようとしたが…もちろん屋内で使うには危険過ぎるので、二人は外へと場所を移した。

 ぽかぽかと温かく、眩しい陽光が降り注ぐ庭は練習には打って付けである。天気が良いせいか、グリスも鼻歌交じりで洗濯物を干していた。


「それじゃ、改めてツツリカについて教えよう。さっきも言ったがツツリカってのは火球魔法さ。アンタが使ってた杖に入ってたのもツツリカの呪文だよ。」

「そうなんだ!でも、なんだかピラリカと名前が似てるね。」

「もちろん!どっちも同じ系統、同じ言葉で構成されてるのさ。それと、中級呪文じゃ一番簡単な部類だから緊張しなくても良いのよ。」


 ツツリカというのはとどのつまり、火球魔法である。発火呪文であるピラリカや火柱呪文のキゲリカに並んでリカ系呪文のうちのひとつであり、中級魔法では比較的オーソドックスな呪文なので取得もさほど難しくない部類に入る。


 ちなみに完全な余談だが過去の集計データによれば『ピラリカを習得した者のツツリカ習得率は約6割』という結果が出ている。意外と低く思えるかもしれないが、これはツツリカが多くの学校や養成機関で必修呪文とされていないからである。

 なぜそうなのかと言うと『中級に部類される呪文は教育機関等において必修で無くとも良い』という法律のおかげ。初級呪文は定義上魔法使いであれば誰でも詠唱は可能であるが、中級呪文からはその者の系列適正によっては発動が困難または不可能となる場合もあり得るのだ。


「いつものように手本を見せてやるよ。まず火球を出現させたい位置を何となく頭に思い浮かべるんだ…この時は利き手のひらが一番理想的なんだけど…相手によっちゃ弱点を晒すのも同然だから気を付けるように。」

「う、うん…利き手のひら…」

「それから魔法を唱える…この時のイメージは必ず静かに火が生まれるように考えるんだ。ピラリカと違って火球は繊細だからね……ツツリカッ!」


 エラフィンが右手を開いたまま、ツツリカの呪文を唱えると…静かにその手の上へ火球が現れた。ゆらゆらと浮かび、静かに燃え盛るそれは…まるで太陽だ。

 レンリエッタは火球をジィ―ッと眺めた…とても綺麗だ…しかし、不思議な事に燃え盛る見た目とは裏腹に全然熱は感じられない…顔をめいっぱい近付けても全然熱くない…


「わぁ……綺麗だね…でも全然熱くないよ?」

「当たり前さ、熱いと火傷しちまうだろ。あくまでもこの火球はイメージみたいなもんさ、ツツリカの炎は投げつけて着弾した瞬間に生まれるのさ。こうやってねッ!!」


 エラフィンはグッと構えると、まるでベースボールのように火球を近くの木へ投げつけた。火球はビュンッと飛んで行き、やがて木へ衝突するとボンッ!と爆発して周囲へ炎をまき散らした…パチパチと音を立てて煙を立てる火は紛れも無く本物である…

 つまりツツリカの炎は着弾して爆発する瞬間に初めて生まれるのだ。


 さて、グリスが「なんて事を!」と憂いながら火を消している間に一連の手本を見終えたレンリエッタはさっそくツツリカの練習を始めた。初の中級魔法…だが火球自体は幾度か使用しているので今回は自信があった。


「ツツリカッ!」


 レンリエッタは手本のように右手の中へ火球を作り出すイメージを浮かべながら呪文を唱えた。すると一瞬シュボッと火が生み出されたものの、直ぐに消えてしまった。


「勢いが弱過ぎるね、もうちょっと強めにやってみな。」

「強め強め……ツツリカ!」


 ボフンッ!!


「うわぁちッ!?は、破裂した…!」

「今度は強すぎ。良いかい、火球は迅速に落ち着いて作り出すんだ!」

「そんな事言っても…無茶だよ、早く作ったら破裂するし、落ち着くと弱くなっちゃうし…」


 今度は勢いを強めてみたが、火球は一瞬形成された後に破裂してしまった。こういった形成する系の魔法はディフェクトスもそうだが、いい塩梅を見つける必要があるのだ。

 しかし防壁と違って調整は至難の業である…ほんの少しでも間違えれば途端に失敗してしまうので火球を作り出す段階でも一苦労。

 泣き言を漏らすレンリエッタへエラフィンは喝を入れて練習を続けさせた。


「言い訳は無用!練習あるのみ!」

「はーい!…ツツリカ!…くっ…消えちゃった……ツツリカ!!ぎゃぁあ!あっちぃ…」

「この様子じゃ球を作るだけでもしばらく掛かりそうだねぇ…」


 やはり中級とあってか、これまでの魔法に比べて格段に難しい…

 火球の形成に苦戦するレンリエッタを眺めつつエラフィンは植生魔法で木の椅子を作り出すと、その上へ座って雑誌を眺め始めた。こういったものは長い目で見るべきなのだ、今まで数多くの弟子を取ったエラフィンからすれば幾度も見た光景であった。


「お嬢様は苦戦されている様ですね…ですが大丈夫なのでしょうか、火球魔法は扱いを誤れば大変な事に…」

「大丈夫よ、レンだって自分を焦がすほどブキッチョじゃないでしょ。」


 ボンッ!!

「あっちぃ!!?」


「……まぁ、慣れが必要ではあるけど…ともかく、今後何があるか分からない状況で自分の身を守るだけの(すべ)は持たせるつもりよ。」

「つまり護身ですか……しかし…お嬢様は心のお優しい方ですから心配ですねぇ…」

「その点もこの世界に慣れて来ればきっと見違えるハズさ。なんたって私の弟子だからね、十数年後には殺法魔法のひとつかふたつ、軽く扱えるようになるよ。」

「お嬢様には他人の命を奪う術など持ってほしくありませんが……習わしには逆らえません…きっと旦那様も望んだはずでしょうし…」


 必死に練習に励むレンリエッタを眺めながらエラフィンとグリスは彼女の将来について語った。魔法使いになるという事は一般的な魔法に加えて殺戮や破壊に特化した殺法魔法も覚えなければならないのだ。

 此処は人間の世界とは違い、多くの者が魔法を扱える世界である…生き残るためには嫌でも暗い道を歩む必要があるのだ。

 それに加えて魔法貴族の一族は代々決闘術を習得するという仕来りが存在する。これは貴族同士での決闘や自身の命を狙う者に対しての防衛手段として扱われる…もちろんレンリエッタも貴族の末裔なので遅かれ早かれ習得する事になるだろうし、その時はエラフィンが教えるつもりだ。


「もちろん決闘に関しちゃ私が教えてやっても良いが、そういうのはアンタも得意だろう?」

「私めが得意とするのは剣術と杖術のみでございます。魔法による決闘は完全な専門外ですのでご遠慮させていただきます。」


 まだまだレンリエッタには教えてやるべき事が多いが…それはグリスも同じこと。魔法以外の事ではグリスが教える事も多いのだ。

 貴族としての立ち振る舞いや礼儀作法に加えて茶の淹れ方など…もちろん自身が得意とする体術なども教える事は出来るが、グリスはレンリエッタにそんな事を覚えてほしくないのである。

 執事として仕える主君が人を殴り飛ばしたり、剣で斬り刻んだりする場面など見たくも無い…


「何はともあれ今後次第だろうねぇ。今は急ぐ必要はないし、何事も最低限で行こうじゃないか。」

「是非とも危険な魔法も最低限でお願いしますよ。エラフィン様。」

「あーっはっはっは!!……どうかしらね。」


 レンリエッタの成長を思う二人はそれぞれで期待と不安に駆られるのだった…


 そして結局、レンリエッタはその日の大半を火球の生成に費やし、進歩の無い一日となった。3つ目の1つ目すら満足に成し遂げられない状況なので、課題達成は随分と遠くなるだろう…

 レンリエッタは「明日こそ!」という気持ちを抱えながらベッドの中で眠りに落ちるのだった…




 場所は変わり、クランクス王国の某所…

 じんわりとした嫌な湿気が漂い、鼻が腐れ落ちそうな匂い…そしてその元となる汚水の流れるそこは紛れも無く下水道。いつもなら点検に来た作業員か沼の怪物くらいしか訪れる事の無い汚らわしい場所なのだが、今日に限っては別である。

 ふたつの怪しげな影が不気味な下水道に佇んでいた…


【アマリリスよ、今回の失態について…どう言い訳をしてくれる?】

【全て私の偵察不足が招いた事態でございます……ご容赦くださいませ…】

【よりにもよってエラフィンに近しい者を狙うとは…それに貴様の部下も相当な無様を晒してくれたようだな…】

【既に彼等へは直々に制裁を下しております。今頃は縄に吊るされている頃でしょう…】


 ふたつの影のうち、片方は漆黒のローブに身を包んだ魔術師のアマリリスであった。そして彼?(または彼女?)が跪き、恐ろし気に話しかけるもう一方はやはり影そのものであった…


【我々の計画もまた一歩遠のいた…もうしばらくは鳴りを潜める必要がある……アマリリスよ、貴様は信徒たちへ告げよ。今しばらく刃を研いでおけと…】

【はッ!再始動に向けて万全の準備を整えておきます】

【ならばもうよい……貴様も二度と私を失望させるな、直ぐに新たな石を見つけるのだぞ…】

【必ずや貴方様のご期待の応えて見せます。新たなる指導者の刃として…】


 影は消え、アマリリスは立ち上がると足元を眺めた。

 一匹のネズミが上等な黒いブーツに群がっている…とても汚らしい、ドブネズミが…


【…ぐッ!このクズがッ!!】


 アマリリスは片足を上げるとそのままブチュッとドブネズミを潰してしまった。ネズミは叫ぶ暇も無く潰され、ズタズタのボロ雑巾のように潰れた遺体は蹴り飛ばされて下水の中へと沈み込んで行った…

 誰も居ない下水道に響くのは、怒りに満ちた声だけである…


つづく…

今回のワンポイント


【ツツリカ】(火球の呪文) 指定魔法番号:HF‐00012

構成言語:第一期上立言語、原始精霊語


引用:中級者向け魔法解説熱魔法編(著:サラマン・ファングステン)

『ツツリカは熱魔法グループに属する中級魔法の一種である。第一期上立言語で戦を意味する【ツツ】と原始精霊語で炎を意味する【リカ】で構成され、所謂リカ系呪文のひとつ。火球を形成する呪文なので投擲は含まれないが、現在の魔法実技試験では最低でも10メートルを飛ばす必要がある。中級魔法の中では比較的習得が容易な部類に入るので手始めとしてこの呪文から習得する者が多い。しかし他の魔法に漏れず適正魔法による習得難度が存在するので困難だと判断した場合は同じく魔球形成魔法の氷結系呪文【イサエゴル】や電撃系呪文【ララ・ペタス】の習得を目指した方が良いだろう。現在では主に投擲して使用するが、本来は敵の頭上に形成して破裂させる事を目的としていた。厳密な年代は不明だが、時代が進むにつれて使い方が見直され、現在のような使い方が主流になるのは魔法の中でも極めて珍しい事例である。ちなみに秋の風物詩『遠方投擲大会』は現在でこそ魔球の投擲記録を競う大会であるが、かつては鉄球を使用していたのだ。』

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