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八話 血襖

第八話です。

初夏の頃に筑波山に登山に行った時、湧き水が流れ出てる岩場みたいな所にデカいピンク色の寒天みたいな物が見えて、気になって近づいて行った事があります。近付くにつれ、それは2m四方くらいの板状の寒天みたいな物体だと分かり、水の流れによってか自分で揺れているのか、ブルブルと揺れていて、そして何より腐った生肉みたいなくっさい臭いが漂っていました。

最初、それがなんだか分からなくてもう少し近付くと、その巨大なゼリーの中にはちぎれた人の腕や目玉が抜けた人の頭部などが入っているのが見え、私は慌てて登山口にあった売店まで駆け降りて店の人に報告しました。

しかし、店の人は『そりゃ血襖っつう妖怪だっぺな。悪りぃごだはしねがだいじだ。』と言って笑い飛ばされました。

しかし、ちぎれた人体の一部を見てしまったため、私は一応自分で110番通報して警察に来て貰いました。すると、やはりそれは滑落した登山者の遺体であり、警察の話によると、山で滑落死した遺体などは山に生える野草などに含まれる寒天質の凝固成分と人体に含まれる血液などの液体が気候などの条件が揃うと稀に寒天状に固まって大きな寒天ゼリーみたいになる事があるとのことで、そんなに珍しくもないとのこと。

昔の人はそれを柔らかいヌリカベみたいな妖怪だと認識していたようですが、あれはホントに妖怪やモノノケの類いであってくれた方が良かったと思えるような物体でした。

第八話

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