盟約
カイトが消えてから カイトの配下の者達は、ちりじりに里に戻ったり、戦場で経験値を稼いだりと自由奔邦に過ごしていた。国からの依頼もカイトが一括で受けていた為に兵士たちが知る由もなく、それに毎年の資金だけは確実に振り込まれるのであった。兵士の金額で無く、騎士の金額が 金貨100枚が毎年の年棒であり、普通の商家の給料が金貨50枚ぐらいだったのに平民は、35枚も稼げれば裕福な暮らしが出来るのであった。
「なぁ~兄貴、兄貴の武器を使わせてくれよ。その武器で魔獣を討伐させてくれよぅ~頼むよ」
「これは、カシラとの盟約で約束事の1つで他人に貸さないとなっている。それが身内でも同じ事だ」
「俺も兄貴みたいに 多くのスキルや魔法を使って魔獣を討伐したいんだ。だったら仲間に入れてくれよ。それなら 武器の使用も可能なのだろう」
兄貴と呼ばれる彼もまた カイトの目を見ただけで強者と弱者の違いを実感するのであった。カイトの目を見ただけで全身が震えて絶対に勝てないと思った1人である。街ではそれなりに名が通っており、有名でもあったのに突然に消えていつの間にか、とある屋敷の兵士になっていた。カイトに雇われて多くのスキルに魔法を覚えさせられて膨大な魔力まで与えられた。そして 貴族でも王族クラスにでも行かない限り手に入らないであろう。精霊の加護まで手に入れて魔法が数段に上達もするし、威力が倍加した。
彼等が動いただけで 人間など風で飛ばされた木の葉のように舞うのであった。それほどの力の差が出来てしまうのであった。それもこれもカイトとの盟約で生まれた事実である。
「わかった。今度、カシラに会う事が出来たら伝えてやる。俺の武器に触れる事は構わないが絶対に敵を倒すなよ。盟約違反は仲間内でも絶対の御法度だ。
俺1人の命で賄えないのだからな」
「何をバカな事を言っている。兄貴も兄貴の仲間も頭が可笑しいのでないのか。たかが武器だろう」
彼は何も知らなかった。カイトが作り出した武器は聖剣に近く、誰にでも扱える代物で無かった。盟約の1つで武器との契約により、限界まじかまで武器が扱いができ、武器を持ったままの状態で魔法の使用も可能、敵を倒すだけの獣にも為れてしまうのであった。その為に数度の戦闘で武器が崩壊が早まり、その都度 カイトがいる側なら武器が飛来して持ち替える事となるのであった。
不運により、1人の魔人がこの街の上空に降り立つ、そして 次元の隙間からオーク、豚顔の魔物を300体も出したと思った瞬間、街を攻め入るように命令を下した。この街にも カイトの従者が数名おり、その者達だけでも十分に狩り取れるだけの実力があった。ここで不運が起きた。
兄貴と呼ばれている。彼は、武器も持たないで街に出歩いてしまい。武器を持たないで戦闘に参加したのだが ここまでは良かった。が 次の瞬間、彼と彼の仲間たちが目にしたのは、兄貴と呼ばれている武器を使って弟がオークを倒している姿を見てしまったのだ。
上空から 魔人の頭が落ちてきた時点で残り全てのオークが切り殺されて街中に散乱した時には既に遅く、1人の少年が魔獣を従えて現れた。
弟は、武器が使いこなせる事を実感しているが 何が起きているのかも分からないでいた。それどころか、街中で
「1つ、教えてもらえないか。その武器の所有者は、死んだのか。それとも盗んだのか、どっちだ」
「ガキに分際で何を言っている。これは、兄貴の武器だ」
「身内であっても使用禁止にした筈だが」
「目の前に敵が現れれば、討伐をするに決まっているだろう。それが誰の武器でも使ってでも敵を倒す」
「君は身内だから聞いていると思うが 盟約違反がどんな処罰になるか、知っているよな」
「俺は、兄貴と同じ組織に入る事が出来るはずだ。武器を扱えたのだからな」
「それは、無理だ。貴様に扱える得物などない。諦めろ
それに その得物は、俺が貸し与えたものだ。貴様に扱える代物でもない」
「そ・そんな ま・さ・か・!」
カイトを中心に魔法陣が展開されると街全体まで拡がりを見せて 大地と空にまで多くの魔法陣が人々の目に飛び込んできた。次の瞬間、カイトと盟約を結んでいる者達の脳裏にカイトからの言葉が伝えられた。
「今回、盟約を破りし者が現れた。これを持って全ての者たちの加護、スキル、魔法を解除する。武器も回収をする。頑張って生き残れ以上だ」
弟と呼ばれている物の手に持っている武器もまた 丸くなると上空に飛んで行ってしまい。各地から多くの丸い物体が飛来してくる頃になって 兄貴と呼ばれている彼がカイトの側までやってきた。
「カシラ、俺の命と魂で仲間たちを従者にしておいてもらえませんか。お願いします」
「その必要がない。一蓮托生だ。俺もこれで この国ともオサラバできる。全ての盟約が切れた。
膨大な魔力が消えるが 元に戻るだけだ。気にするな」
そう言い残した瞬間、魔法陣が消えるのと同時にカイトとカイトが倒してオークと魔人の姿も消え去るのであった。




