野菜
カイトに続いて 婆さんが付いて来るとその後ろから子供達まで付いて来ていた。
扉を開けて中に入ると そこでは、夏ほどに熱くなっており、多くの野菜に実が菜っていた。婆さんと子供達が上着を脱いでほゞほゞ下着姿になると ここでも走り始めた。色々と見てみたくなって
いつの間にか、ミントがこの部屋の1番暖かい場所に転移していた。それを見た子供達が起こさないように静かに逃げ出すのであった。そんな中でも家の手伝いで毎日、野菜を見ている。大きな子供達は、野菜の出来具合を見ながら触る程度で捥ぐ事をしないで1つ1つを吟味しはじめるのであった。カイト以上に野菜の事が詳しく見ていた。
「カイトさん、俺をここで働かせてくれ 野菜の事をもっと知りたい。誰も教えてくれない事でもカイトさんなら答えが返ってきそうだ。両親に聞いても昔からそうやって来たとか、言われた事だけをやっていればいいとか、俺の疑問に答えてくれない。
カイトさんなら 教えてもらえるよな」
「済まないが知らない事の方が多いい。さすがに種を植えたら どうして芽が出て実が出来るとか言われても俺にも分からないぞ。
単純な事なら回答も出来るが まだ2週間程度の研究程度でいいなら答えるが そんな程度でも構わないのか」
カイトの言葉を聞いて地面を見てしまったが ふと気になる事が目に飛び込んできた。土の中に何か、違う物が入っている事に気が付くと土を持って
「この土って 俺達が使っている土と違うのですか」
「面白い処に気が付くね。君は! 野菜は、どうやって育つか、考えた事ってある」
「太陽に当てて 水を与えれば育つと教わった」
「普通は、そんな処だけど ここでは、太陽にも当たらないでも野菜が育つし、通常よりも大きく育っているのは何でだと思う」
色々と頭を巡らすが答えが出る訳も無く
「ここからは、少し難しい事になるけど聞いてね。この世界には浮遊している魔力ってのが在って その魔力と空気が交わると野菜の成分が出来上がる。だけど それだけでは栄養までに程遠い程に足らない。その養分を簡単に言えば分解してくれるのが太陽で在って 水であるのだがそれだけでも十分でないために それを補う為に土の中にも栄養を与えてやれば、必要以上に植物の育ちが良くなる。
人間だって 野菜だけを食べていても筋肉が付かないし、返って痩せて来る、病気にも係りやすくなるよね。それは、色々な栄養素が足らないから外部から取り入れて体内の栄養素を補充している。それは、野菜も同じで足らない栄養素を補充してあげれば、長く育ってくれるし、実も多く付けてくれる。その為に土の中にも色々と手を銜えている。まだ 研究段階だから こんな答えでもいいかな」
なるべく分かりやすく説明をしたのだが理解するには、ほど遠く無理だと判断するしかなかった。
「なんとなく分かった気がする。今までやってきた事だけでは足らないって事だよな! カイトさん、より多くの野菜を育てるって事が
それで 俺を雇ってくれるのか」
1人の少年が名乗りを上げると それに続けと他の子供達も連動するように名乗りを上げる。それ以外の子供に婆さんまでもが家にいても何もする事が無いから 毎日通いたいと言い出していた。
タクトなどは、家を継ぎたいから勉強も教えてくれとか、武器の扱いに魔法も教わりたいとか、しまいには俺みたいな魔法使いになりたいなどと言い出し始めた時点で終わりが見えた。打ち切りだ。気分展開も兼ねて昼食に持ち込んだ。
子供には、肉でも食べさせておけば問題が無いと言うほどに肉を食べさせようとすると何を思ったのか、家に持ち帰って両親にも食べさせてあげたいと言い出してしまった。仕方が無く、1人1人の子供たちの家に行き、肉と野菜と小麦を置いて行き、丁寧に断りを伝えていった。1件1件に
最後にタクトの家に立ち寄るとホコンじぃ~が出迎えて みんなの家に出した分と同等の食材を渡した処で
「まさか こんな事をしてすべての家を回って来たのか」
「そうですね。3人では、食べきれませんから」
「3人って カイトとミント以外にも誰か他の人がいるのか」
「イラ・マーリンで女の知り合いが出来まして 屋敷の地下2階に住み付いております。人間社会に出れるようになったら連れてきますよ。さすがに今の状態で連れてきたら 屋敷から出ただけで意識を失う者が続出する可能性があると思います」
「・・・・・」無言になる。
「明日、明後日は、家にいないので訪ねてきてもおりません。ちょっと野暮用が出来ました。昔の知り合いに会ってきます。面白い事をしているみたいなので」
「分かった。村人が聞いてきたら伝えて置く。それで 何処に行くつもりじゃ」
「少し遠いいので2日ほどで帰ります」
瞼を閉じて開いた時には既にカイトの姿が消えていた。辺り一面を見渡しても見当たらない。
本当に不思議な子じゃ、肝が据わっているというか、真面目というか、掴み処の無い子供じゃて!




