ビニールハウス
「ちょ・ちょっと待ってくれ 薬師の資格を取得は、難問だと聞いた事があるのだが そんなにも簡単に取れる物なのか?」
「簡単ですよ。数百の薬草の知識を持っていて 数万の毒草の知識もあり、その場で時間以内に薬の調合やポーション作成、色々な数式の回答に古代文字の間違いを指摘して 古代数式の回答で合格が出来ます。
俺は、半日で出来てしまいましたが 他の方々は、1ヶ月以上も時間を費やして落ちた人もいたみたいです。無駄な時間を使う人が多すぎる。そんな時間があるなら俺に少しくらい分けてくれてもいいのに」
「それを簡単と言うのか?」
「少しの記憶力と計算問題が出来れば、誰でも簡単に答えられる程度の問題です」
「君の周りに君と同じくらいの奴が存在していたか」
「学園に通っておりましたが その時でも学園で真ん中の辺りでした」
手を抜いていたから本当の順位など知らない。
「君よりも頭がいい奴がいたのか。学園に」
「そうなりますね」
新鮮な反応だ。おもしろい。けど それで終わりか。驚きの顔でカイトを見るが
「下らない話に興味が無い。残りの空瓶分を全てもらえませんか」
「カイトと会話をしていると カイトが普通で俺達が物事を知らないみたいだ」
「それは仕方が無い事だ。教育を何も受けていない者との会話など交わる事もない話が続くだけだ。無駄な時間もたまに味わうのも悪くないのかもしれない。そう言う事にしておこう。
それで何を教えてくれる」
「だったら この村の男達が出稼ぎに行かなくなる方法を教えてくれ」
「知らん。この村を出歩くのも2回目で何も知らない。俺は、基本 ラボから出るのも珍しいのだ。村の状況まで考えた事が無い。しいて言えば、どうして畑を遊ばしているのか。理解不能だ」
「何を言っている。この時期に野菜が育たないから畑を休ませているのだろう。俺は、両親からその様に教わったぞ」
だから 村を出て冒険者になったのだ。村にいたら食い扶持が1人増えてしまって生活が大変に成ってしまう。だから 親父だって冬の間は、街に出稼ぎに行かないと生活がままならないから仕方が無く、仕事を探してくるのだ。
「俺と根本から考え方が違うみたいだ。野菜は、時間を掛ければ育つし、魔力水を与えても大きく育つ、冬でも雪が降っていても育つ野菜もある。決めつけて諦めている奴に何を言っても理解ができないであろう。
それに育て方1つで野菜の成長も良くなるし、悪くもなる。作り手の昔からのやり方が全て間違えているとは言わないが新しい事を取り込んで楽に仕事を熟した方がいいのでないのか。まぁ~素人の俺が行っても誰も信じないがな」
「今、墓穴を掘ったな 自分から素人だと」
「本当の事だからな 隠す必要も無い事だ。そうだ、冬になってやる事が無くなったら見に来たらいい。俺の農園に昼頃に畑にいるようにする」
「わかった。真冬になったら見にきてやる。実が菜っていなかったら旨い物でも俺達に食わせろ」
「だったら 実が菜っていたらどうする」
「おれに出来る事なら何でもしてやる。それでどうだ」
「それでいいよ。俺からも一つ、忠告だ。隣の国では、真冬でも新鮮な野菜が取れる。その技術力がある。その開発に俺も加わっているって事だ。
そして 誰にでも使えるように改良もしてあるから多分、この村でも十分に使えると思うぞ。それと野菜の収穫量が倍の効果でどれだけの収穫か、俺も楽しみだ」
「ちょ・ちょっと待て 何だ、その収穫が倍って?」
「数日前に教えたが この村での野菜の収穫が倍になると教えたと思います」
ホコンじぃ~を見るとカイトの言葉を疑っていた。
やれ! やれ! こんな大事な事を疑うのか、仕方が無い事か。信用が何も無いからな!
「来年の夏になれば 俺の言った意味も理解できるであろう。そんな事も忘れて自分の成果だと思ってもらっても構わない。そんな事でも村が裕福に繋がるのであれば、子供達に遊びの時間を作ってやれるだろう」
あれから3か月の月日が流れた。この大陸の冬が到来したのだ。今年は例年よりも寒波が続き、各国で大雪を齎し 食料が底をついてしまっていた。そんな中、カイトが暮らしている村のみが雪も降らないで乾いた風が吹く事はあっても少しの我慢で乗り切る事は可能であったが 子供たちに食料が回るのも少なくなっていた。
村の人間からすると白い建物を建てて何をしているのか。不思議に思っていた。それも3棟も
そんなある日、タクトとシズカがカイトの家にやってきた。家と言うか、隣でスライムハウスの戸を叩いた。スライムハウスとは、この世界のビニールハウスの略である。この世界には、ビニールが存在していない為、白い布にスライムが吐き出す粘液を白い布に塗っただけの簡素な代物であったが十分に役立つのであった。そこに魔道具で温度管理までしてあげれば、現在のビニールハウスよりも快適に管理が可能であった。
このスライムハウス内で野菜を育てて実験を繰り返していたのがカイトである。そこにタクトとシズカが訪れた。




