甘辛いタレの味
「手際がいいな 坊主は、知っていたのか。ドラゴンバタフライの事を」
「親から魔法を教わった時に1番の相手が彼等だったからね。飛んでいると言っても浮いているだけだし、行動パターンも昔と変わらないから簡単だったよ。
昔は狩り過ぎて絶滅してしまって 冒険者の方々に怒られた記憶が在るなぁ~懐かしいなぁ~」
やっぱり、この肉には甘辛いタレが1番だよな! 昔は、料理に仕方も分からなかったから塩を振りかけて食べていた記憶がある。
「その若さで魔法を使うのか。もしかして 貴族様なのか?」
「母親が冒険者で魔法を扱っていたから その流れで教わっただけだし、父親からも武器の扱いを色々と教わったよ。俺に弟か、妹でも生まれれば もう少し人生も変わっていたのかもしれないけど 無い物ねだりをしても仕方が無いかな」
「それで 今は、冒険者をしているのか」
「それがちょっと違って 逃亡中。国から勝手に逃げ出した。今頃は、どんな事になっている事やら」
「物騒な事を言う物でない。何をした。国から追われるなんて」
「この国の国王も俺と会見をしたいと言って 何度も使者を送ってきていたなぁ~
俺は、他国の情報をより多く持っているから手放したくないのだと思う。この国にも去年、1度だけ訪れて来ているから その時に国王陛下とも面識があったし、情報提供をした記憶がある。それなりの部署にいて契約が切れたから 勝手に飛び出したと言う事だよ。
やはり、人間は農民が1番だと思って この国を選んで何処かの村で農業をしながら暮らしたいと思ってさ! 最低でも3年くらいは、見つかりたくないかな」
魔王の件もあるし、獣王国との事やエルフ国の事もあって国が傾くかもしれない時に勝手に出て来たから おもしろくなりそうだ。ギルガイア国も
「坊主、何歳だ」
「15だけど」
「苦労したのだな! よっしゃ~ ワシが住んでいる。村でいいなら家を紹介してやる。これも何かの縁だ。
何か、困った事があればワシの処に来い。何でも用意してやるから」
「寝床と風呂があれば、何処でも寝れるし、風呂もなければ勝手に作るから問題も無い」
「村と言う事もあって 薬師や治療師が居らんが近くの街まで行けばいるから心配するな」
「薬師の資格なら持っているし、簡単な治療なら出来ますよ。昔、戦場で多くの兵士を治療していましたから」
「本当に15歳かと疑いたくなるな! その歳で戦場まで体験しているのか。もしかして人も殺しているとか」
「想像にお任せします。肉が焼きあがりましたよ。熱いから気を付けてください。
ミントも召し上がれ、ミントの場合は少し冷やしてからにして置くか」
冷風の風を送って ドラゴンバタフライのタレがしみ込んだ肉を冷やしてからミントに進めた。思いのほか、気に入ったみたいで口の周りにタレが付くほどであった。カイトも昔を思い出しながら 美味しく頂くのであった。
「旨いな! ドラゴンバタフライって こんなにも美味しい食べ物だったのか。たまに街で食べていた物など塩焼きで出されていたぞ。それにしても この甘辛いタレが溜まらないな
坊主、料理人にも成れるのでないのか」
「執事の仕事もしておりましたので一通りの料理くらいはできますよ。料理人に色々と教わっております」
「本当に多才だな! やっぱり、貴族様のか?」
「そうですね。王子や皇女さまや伯爵令嬢や坊ちゃんですかね。その他諸々です。その辺りも契約を交わしていたのですが切れる運びになって助かっております。
自由を手に入れたから 昔から1人暮らしをしてみたかったので楽しみです。ミントもおりますので」
「坊主、何て 言ったら不味かったか」
「名乗っていなかったですね。貴族でないので カイトと言います。このゼブラタイガーがミントです。メスです」
「そうであったな! ワシは、ホコンじゃ、村では、ホコンじぃ~と呼ばれておる。商人をしている。村で唯一の商会じゃ
村に戻れば、息子夫婦と孫がワシの帰りを待っておる。ワシの孫達とも仲良くしてくれ」
「それは、無理かもしれません。ミント見て驚いて近づかないでしょう」
ホコンじぃ~がミントを見ると納得してしまった。本人も怖がっていた。そんなミントもカイトの側を離れないで甘えてくるのであった。
牛のベコとホコンじぃ~が目覚めた時には翌日であり、多くの肉を解体が終わっていて血の香りと死臭がしないのであった。これだけの肉の解体をしたというのに 周りに血が1滴も落ちておらず、匂いもしないのであった。彼等には、防音の結界を張っておいたので朝まで静かに眠る事が出来た。その分、ミントがどれだけ暴れても音が届く事もなく、静かに安全な夜だったと思う。




