閑話
その頃、バロンフォード領でも有望な兵士が突然になって消えてしまっていた。新兵やそれなりに長い年月、領土を守ってきた者たちが残されただけで ここ数年に入隊してきた者たちが消えており 今なら盗賊程度が攻めても簡単に負けるほどにまで武力が低下してしまっていた。
カイトの裏情報を操る情報屋が激しく動き回り、国内各地で身を潜めていた盗賊や魔王崇拝者達が表立って動き出すのであった。影の軍団が消えたと ・・・
翌日から 1つの盗賊団が小隊を狙って商人から多くの物資を奪って行った途端に噂が拡がり、国内で暴動が起こるまでに発展してしまう。それに伴い、村や町までもが盗賊達に襲われてしまうが 冒険者や騎士達程度の武力では、彼等と対等程度の武力しか無く、多くの犠牲を出して勝鬨を上げるのみであった。
多くの者たちがカイトに念話を送るが帰って来る事もなく、念話を使えない者たちがどれだけ願っても叶う訳もなく、空しさだけが残されるのであった。それでも 街中でも当たり前のように人の死が目の前で見れるまでに ギルガイア国の治安が低下してしまっていた。1人の少年との契約を全て解除してしまったお陰で
街の明かりだけでなく、魔導列車までもが動かなくなり、完全に停止してしまっていた。それに伴い、街に蔓延っていた魔力も薄くなり、伯爵領に王都でも観察している者達には理解が出来るが 一般の人達は理解不能であった。それでもケガをしたら半日で完治していたものが 3日も掛かっても未だに治らなくなっていた。自己の回復機能までもが低下する事が分かってしまうと ・・・ ここ数年で庶民の生活までもが変わっていた事を思い出すのであった。
魔導列車が動かなくなってしまって伯爵達は、馬車移動を余儀なくする羽目になってしまった。転移できる者までもが消えてしまって残された者に転移できる者など存在すらいなかったのだ。その為に王都に行くまで馬車移動が当たり前だった時代を思い出すのであった。
転移なら一瞬で 魔導列車なら2日で 馬車だと1週間も走り続けないと王都に到着する事も出来ないし、安全地帯の広場の蝋燭も消えており、安全な場所など存在しなくなってしまっていた。当然、夜に成れば魔物や魔獣が彼等を襲って来て寝ている暇が無くなるし、昼間は移動をしないといけないので多くの犠牲を出して王都に到着するのであった。王都に到着する頃には、兵士の半分くらいが魔獣達の胃袋に消えるのであった。
今迄の王都は、夜だと言っても昼間みたいに煌々と明るく街中を照らしていたのが今では、薄暗く 川の水までもが澱んでおり、廃墟寸前で在った。今迄は、多くの者たちが夜でも普通に出歩いていた者達が夕方になると家の中に入って静かにしてしまっていた。少しでも大きな声を出すと盗賊や強盗が忍び込んできて部屋の家族を殺しまくり財産を全て持ち替えってしまうからだ。
王都が1番の安全地帯だった場所が今では、1番危険な場所にまで落ち込んでしまっていた。カイトがいなくなってから1週間で煌びやかな国が 今では、廃墟の国にまで落ち込んでしまって昼間でも太陽を見る事が出来なくなってしまっていた。黒くて分厚い雲が空一面を覆い、太陽の日差しを遮ってしまうのであった。
影の軍団は、各国に飛び情報収集を行うのであった。いつの日か、カイトが帰って来るであろうと思い。その時に役立つように情報収集をして役立ちたい事を願うのであった。彼等もまたカイトの人体実験の産物であって被害者なのだが この世界では力こそが全てであった為に
カイトの命令なら人を殺しても犯罪者にもならない。国が認めてくれて殺されてしまった奴が犯罪者で それが貴族でも構わなかった。カイトの命令が絶対で在って 部外者が立ち入る事もなかった。立ち入ったら最後で森に捨てられてしまう。死体となって
そんなこんなで伯爵が4人、宰相に国王が6人集まって会議をする事となるのだが ここでもカイトが不在な事を疑問に思う者が現れた。今迄の出来事を初めて知らされた伯爵たちが1番にした事は、頭を抱えてしまっていた。カイトの存在自体がこの国の “ 絶対の力 ” であって 彼等1人1人が兵士、100人分の力を持っていたからである。
力を持っている者、魔力を持っている者、両方を兼ね備えている者、普通の人間では考えられないほどの力を持っており、そんな者達が突然になってすべて消え去ると国としても一大事であった。誰も知らないが彼等の寿命は、200年以上も生きられてしまうのであった。それも常人の域を超えて
カイトが一人いないだけで国が回らなくなってしまっていた。今迄は、裏を回っていた者までもが消えてしまって カイトの命令通りに裏工作を図るのであった。
これから長い冬を迎えると言う時に どんな事態になる事やら ・・・




