友達
「よかったぁ~ これでマナもタアルも助かったぁ~!
俺達って この前まで無一文だったのに来年から トリノさんが雇ってくれて1代名誉男爵に成ると教えてくれた。その支度金が金貨500枚を貰える事になったんだけど 使い道に困っていたんだよ」
「「うん うん」」
「ニーナ姉ちゃんが一緒なら お金の管理とか任せられて助かるよ。断られたらどうしようって3人して悩んでいたんだよね。カイトも付いて来てくれないから」
「何で アイツが付いてこないのよ」
「何でも 当分の間は、貴族と関りを持ちたくないと言っていた。
ギルガイア国の財政関連の仕事も兼用していたと言っていた。その為に去年、1度だけ この国に訪れて色々と話し合いの席にも顔を出して交渉も行ったみたい。カイトからしたら この国の財政など杜撰な国だと言っていた。ザルで商売をしているものだとも言っていた。よく赤字にならないものだとも言っていたくらいだよ。
話を聞いてもチンプンカンプンだった」
「「うん うん」」
何となくわかった気がする。私達みたいな飲んでばかりの冒険者など好きでないのだろう。口先ばかりで実戦を知らな過ぎて大口で威張ってばかりの私との相性が最悪だ。私もアイツみたいに何でもお見通しをしている目をした奴が嫌いだった。絶対に負けたくないと思っていたけど
完全にカイトの掌で踊っていたのは私の方だったみたいだね。全てに対して完敗だ。
「ニーナ姉ちゃん、どうしたの 急に黙ってしまって」
「明日の予定は、タケシ! 明日も訓練か」
「明日は、補助魔法の訓練予定。草原に行って色々と教わる予定」
先程まで訓練場の入り口にいたカイトの姿が消えていた。ニーナに取って初めての悪寒を感じるのであった。意味も分からずに その日の夕食に国王陛下まで参加して庶民の料理を堪能するのであった。
突然カイトが
「処で おっさん達は、どうして 街に残っている。自分たちの家に帰らないのだ」
「ミナの魔力が溜まれば帰れる。転移には、膨大な魔力が必要なのだろう」
「そんな事か、飯食ったら帰るか。それとも今すぐに帰るって言うのもアリだぞ」
「飯を食ってからにしてくれ 頼む。昔を思い出していた処じゃ
ワシにも若い時が合ってな ギルバートやアリーとで冒険者の真似事をよくしたものじゃて 色々な町や村に訪れて依頼を熟しながら生活を送るのだが ダンジョンや迷宮にでも潜れば、もっと稼ぎも良かったじゃが ワシは、この国を端から端まで見ておきたいと思っておったのかもしれん」
「その話が長くなるのか。くだらない話に付き合う積りも無い。俺は先に寝る。
ニーナ姉ちゃん、タケシをアンタの部屋で寝かせてやってくれ 俺達の部屋では狭すぎる。アンタも今迄に男の1人や2人に抱かれているのだろう。タケシに色々と教えてやってくれ頼むな!
マナとタアルは、どうする。俺は先に部屋に戻るからな」
「私はもう少し、お話をしたい」
「僕も」
「明日は、冒険者登録をしてから街を出るぞ」
カイトとミントが2階に上がって行くと ニーナが
「アイツって 友達もいないのだろうな! 寂しい奴だ」と 呟くとミナが
「違うと思う。今、カイトは静音を楽しんでいると思うの カイトの場合、僕と違って念話の数が凄すぎるから 多くの者たちから頼られていたし、多くの者たちを助けてもいた。
この世界の住人や僕達みたいな異世界からの来訪者に至るまで面倒を見てくれたわ。僕も多分、カイトと知り合えなかったら どうなっていたかなんて考えたくもない位に酷い有様だったと思う。この世界に飛ばされて右も左も知らない世界で生き方も知らなければ生活の仕方も解らない僕達に無償で色々と教えてくれて 生活の基盤が出来れば、また別の場所に移動してしまう。
カイトがよく口にする事だけど “ 神の糞野郎にあったら 俺の処に異世界人共を送り付けるな ” 僕もそうだけど 夕月やトリノもそうだったみたい。対外な異世界からの来訪者は、カイト経由でこの世界の仕組みを知り、十分な生活を送れるまで育ててくれるわ」
「1つ、いいかしら」
「何」
「念話って 言葉に出さなくても会話ができる奴でしょう。精々、1人か、2人程度で無くて」
「僕の場合は、20人くらいまでなら会話が可能だよ。カイトの場合は、多分だけど万を超えているわ。それも1日を通して多くの者たちと会話をしながら生活を送っていた記憶が在るわね。念話も補助魔法だから範囲がそれほどにも広くないのだけど カイトの場合だけは、ちょっと違っていたのも事実よ。
今現在、ギルガイア国の友達からの念話で知った事だけど ギルガイアは、今 大変みたい。経済がストップしていて物流が何も流れて来なくて魔導列車までもが動かなくなっているみたいなの その魔導列車の動力源は、誰も知らないみたい。中を調べる事も出来ないって言っていたわ。入口が見当たらないと」
「噂で聞いた事が在るのだけど 夜でも昼間みたいに明るい処が在って人の往来が止まないとか」
「それは多分、異世界からの来訪者地区だと思う。僕も行った事が無いから分からないけど そんな事を聞いた事が在る。僕はどちらかと言えば、この国みたいに星空が見える国を選んで正解だった。
僕のいた異世界は気候の変化が激しくて日中は、40度を超えて夜になるとマイナス10度まで下がる場所で それでも人々の往来が止む事もなく、星空など1度も見た事が無かった。地上が明るすぎて空が黒一色に染まっているだけだったし」
「私のいた異世界は違うわ。岩と風が荒れ狂っていて貧困で毎日の食事にも困るほどだったわ。ミナと時代が違う。トリノも私と同じ境遇だったけど 国が違っていたわ。私が黒髪でトリノは金髪でしょう。私達の世界って髪の色で国が違っていたものよ。
ミナは別物だから 当時の色がそのまま姿で転移したみたい」
「結論から言うとカイトの場合は、私達みたいに周りが見える程度と違って世界を見て行動を取っているのよ。範囲が広過ぎてしまうと思うし、知り合い程度にしか思っていないわ。
私もミナも異世界からの来訪者やこの世界の住人に対してもそうだけど 私達が近づけば彼が消えるのよ。1つの場所に留まっていられない性格なのかしら それとも・・・」




