反逆
彼等が話をしている。机の上に魔法陣が書かれると突然に1人の男性が大きなカバンを持って現れると そこで詠唱が終わって発動するだけの状態であった。ドルマリンが手を差し出した途端に トリノの従者の1人の猫族のタマが彼の腕ごと切断してしまった。魔法を消してしまい。転移して来たものを救うのであった。
ミナ経由で 念話で伝えてあったのだ。詠唱が始まった時点で怪しいと思っていたし、前々から黒い噂も流れていたので警戒もしていた。他
国との繋がりも普通の繋がりならまだしも トラベスタ国を陰で操っているとも疑われており、謎が多すぎたのである。
そんな時にカイトからの念話と事件をきっかけに真相がわかるかもしれないと勝手に判断したのであった。シエルジート・トリノは、この国を愛している1人で在り、彼の師匠が紹介してくれた唯一の国である為に ・・・
「どうした。トリノ、夕月、そして ガイアも」
経験値の少ない彼等には、波動を感じる事もなかった。
「ウギャ~~! 獣人の分際で我が腕を切り落とすとは、誰の指示だ」
切り落とされた腕に水魔法のヒールを掛けて止血のみを行うと 全身の震えが止まらない。トリノが
「先程から ウオーターカッターの詠唱と薬品を投げつけようとしておりましたよね。もしかして証拠隠蔽ですかな! ドルマリン卿、そんな事が許される国などありませんよ。ガイア殿」
この男性もトリノと同様で国を愛しており、ドルマリンを疑う1人であった。名をガイア・ギルガーガといい。老体ながらも多くの戦果を乗り越えて来た猛者である。その為、魔王覇気を身に染みて感じているのだが 耐え忍びながら兵士たちに命令を下すのであった。
「このドルマリンを捕縛しろ、止血は自分自身で行っているから その場に立たせておけ」
数名の兵士がドルマリンの両腕を持って 椅子の後ろに立たせる。
転移して来た男性の首元に多くの剣が向けられると カバンを開いて中を見せろと命令を下す。国王であった。出るわ。出るわ。金の流れや奴隷の流れ、その他諸々が多いに出て来るとドルマリンの顔が段々と青白くなり、転移して来た男性は、静かに深い眠りに付いてしまっていた。その場に耐えられなくなり、下半身を濡らしながら気を失うのであった。彼を殺すには、もう少し聞き出してからであったからである。
ドルマリンを前にして 国王が
「そうなるとドルマリンの支配下の領土を誰が仕切るかになるな」
トリノを見てニヤリと笑みが零れるも理解が出来ないでいると ガイア・ギルガーガが
「私に1人、紹介したい男性が居ります。1代名誉子爵で在り、この国唯一のSランク冒険者でもある。
シエルジート・トリノをこの国の伯爵にして 時期を見て我が跡を継いで近衛騎士団団長を務めてもらいたいと思っておりました。如何ですかな 国王陛下」
国王が宰相を見ると
「異論など下よりありません。彼なら 近衛騎士団でなくても私の右腕に成って貰いたいくらいです」
「ちょ・ちょっと待ってくれ 俺は、異世界からの来訪者だぞ。そんな男がこの国の伯爵になるなんて間違っているだろう。他の貴族からの非難を考えれば、俺でなくても他にもいるだろうに」
意識を取り戻した。ミナが突然
「トリノが貴族なるなら 私は、メンバーから出て行くから カイトの下に行く」
「なら 私も抜けさせてもらいます。ミナとなら話も合いますしね。大好きなカイトと共に死ねます」
猫族のタマは
「私は、御主人さまの奴隷だから 何処までも付いて行きます」
犬族のポチは
「私もタマと同様、何処まででも付いて行く。それに毎日、美味しい物を食べさせてくれる」
忽然とイドブッカの街の気配が消えて 生存者がいる事が分かるとミナが
「私と夕月は、イドブッカの街に行く。カイトと共に戦うから
行こう。夕月!」
手を差し出す。喜んでその手を繋ぐ
「カイトが貴族を嫌っている事は、アンタも知っているわよね。その貴族に成るって事は、金輪際 アンタに係わる事が無くなるわ。私もミナも よ!
私達は、カイトと共に行動するわ。その先に死が待っていたとしても」
「ならば、このワシも連れて行ってくれぬか、ミナよ。死に場所としては相応しいだろう。この老体で何処まで戦えるか分からんが夕月の盾ぐらいには成って見せる。とも
ワシの後もトリノに任せてある。いい死に場所が見つかった」
「なら 3人で行こうか。大好きなカイトに会いに」
「その言い方が好きよ。“ 大好きな カイト ” が」
「一矢報いて見せる。そのカイトとやらの為に」
この場から3人が消えると 国王が
「良かったのか。トリノよ。お前も行きたかったのでないのか」
「先程の件は、お断り致します。貴族に成る件です。俺は、師匠の弟子です。あの御方が貴族に成らないのであれば、俺にも権利もありませんし、筋が違う。それに貴族をやるよりかわ。冒険者稼業の方が俺に向いていると思うのです。
それに貴族にでもなってしまったら 師匠に剣を教わる事が出来なくなる事の方が大事だと思うのです。俺は、今回の貴族に成る件は、お断り致します。それに夕月とミナとも離れる事も出来ません。
彼女たちの支えがあっての仲間ですから 仲間の反対を押し切って貴族に成っても多分、失敗をする事が目に見えていると思うのです。俺は」
「シエルジート・トリノの貴様の気持ちは、よくわかった。前向きに検討しよう出ないか」
宰相を見ると 頷くのであった。




