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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第2章  雷神と観覧者
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 一難去ってまた一難


 未だに動こうとしない。ミドルワームから起こる、振動で波が出来はじめてもいた。動きたくても動けない状況下にあった。カイトの結界で拘束してあり、結界が破れるのも時間の問題であった。

 船全体を結界に収める。浮遊まで指せて


「邪魔な存在は、高みの見物でもしていろ!」


 カイトが浮遊状態で船の外に歩いて出る。その頃には、船の揺れも無くなっており 水面から5メートルの高さで止まっている状態でもあった。多くの者達も自分達が置かれている事にも理解する。そして 祈るように彼を見つめだす。


「そう言えば、お前を使うのは これが最初か?」


 多くの記憶が走馬灯の様に流れてくるもカイトに持たれて戦闘の記憶が今までに1度も訪れる事も無かった。自由に戦闘を行ったり、ゼブラタイガーのミルクの尻尾に絡まり、戦闘を繰り返し行う程度でカイトに持たれての行為を体験した事も無かったのだ。性能が在り過ぎるのも使い道にも困るほどの武器でもあった。それは、リビジョンも同様に言える。カイトが握るだけで性能が 10段階ほどレベルが上がり、使い道にも困りだすのであった。


『そうですね』


 気持ちの高ぶりを感じ取るもそんなにも甘い考えを忘れるほどにカイトから流れてくる魔力の質が変わっている事に実感する。出会った当時の魔力の質が変わっており、一皮剥ける感覚に陥った。ガウェインがこの世界で成長をする。本来のカイトの体格で扱える武器の大きさに変化を齎し、


「成長したのか? ガウェイン?」

『初めての戦場です』

「止まっている敵を一撃で終らないでくれよ。久しぶりに暴れる事ができそうだ」

『無理だ、この人の敵と成りえる存在など 現れる訳が無い』


 軽い気持ちで振った剣が次元まで切り裂き、次元の中に存在している彼等もカイトの存在を知るや否や逃げ出す有り様であり、簡単に横一文字で輪切り状態で切ってしまうのであった。神々達も同様に驚愕を体験していた。この世界でも最強種の一角に値する。神話にまで載せて置いた。存在が簡単にも討伐されてしまったのである。


 それでも心臓が残っているという事もあり、魔石も切られていないが為に水面下を泳ぎ、カイトに迫り 上半身を鞭のようにしならせ直接、一撃を与える筈だった。


「トール、この者達を守れ!」


 大きな盾が姿を現す。ガウェインも驚くが気に止む事も無い、カイトの魔力を感じ取ってもいた。大きな衝撃音が鳴り響く盾とミドルワームが接触した際に訪れた音が原因でもあった。


「未だに身体の6割が海の中に存在しているのか、面倒だな!」


 大きなエアーボムが炸裂する。ミドルワームの本体が水面下から飛び出し、空に舞うように現れる。カイトのストレイジの中からリビジョンが現れ、


「全ての心臓を貫け!」


 船の乗員が見ている状況は、ミドルワームの全体が見えており、自分達が米粒以下の存在だと理解もできた。水面から出ていたのも本の僅かの事だとも理解ができた。


 光りが移動する、全ての出来事が何が起きているのかも理解できない。何も無かったかのように静かな海に変わり、カイトが甲板の上に歩いて降り立つ、船も水面下に降りて揺り籠のように揺れ出す。カイトが座る素振りをすれば、ガウェインが受け止める。海賊の船長の前で


「さて 君達が奪ってきた。お宝を俺に進呈してくれるか」


 神を前にして何も言えないのも事実であった。そんな彼の頭を掴み、全ての記憶を記録する。


「セドリニアさん、あなた方の国でも海賊のお宝は、早い者勝ちですか。それとも俺が奪ってきた物を横取りするとか」


 乗組員全員がセドリニアを見る。この場で言葉を間違えでもすれば、確実に死が待っている事が明確でもあった。それでも


「王家に係わる物が無ければ、全てを進呈できると思います。その辺りに関しましても私の一存で出来ません」


 第6王子が

「カイトの自由でいいよ。この場に集まる彼等も何も言わない。言わせない! カイトに守って貰った命!」

 第7王女も

「当然です。それと私を妻に招き入れる事も許します」


 とんでもない程の爆弾発言に この場が蒼白になる。が!


「却下だ。興味が無い」

「どうしてよ。私を妻にすれば・・・」


 この場で泣き崩れる。自分達の国を守る為なら彼女も自信を犠牲にしてでも国民の民達を守りたいとまで思ってもいた。カイトの存在を知らなくも見てきた物が大きすぎたために


 海賊の頭を掴み、

「エル、行ってくる。そうか、このまま戻って来なければ お前ともここでお別れだな!」

 カイトにしがみ付く。

「私は、カイト様と共に行きます」

「無駄だ、俺に触れても捕まえる事も不可能だ」


 エルの頭を触ったと思った瞬間、カイトと海賊が この場から消える。何が起きたのかも分からない内にエルの目からも大粒の涙が溢れ出てきて遠吠えが漏れ出す。


 カイトが現れた時が 何処かの国の海軍と戦争が始まる。一色触発の場面でもあった。陣地内にカイトに頭を掴まれた状態で現れれば、仲間達もまたカイトを敵と認識もする。武器を握り締め、襲い掛かるも風が吹き抜ける。それだけで多くの者達が壁に激突をし、何が起きたのかも理解ができない。


「あぁ~怖い、怖い、お前の仲間達は物騒だよな! こんなガキに対して!」


 彼も何が起きたのか、見えていても理解ができないのであった。洞窟内に風が流れる事自体、普通の出来事でもあっただけに恐怖が込み上げてくる。それでも大粒の涙を流し、


「全てを差し出します。彼等を守り、我々を彼等から逃がしてもらえませんか」


 海上で待機をしている彼等が中の様子など知る由も無く。砲弾が飛んでくる、警戒していた仲間達が何いる仲間に知らせに行くも既にカイトが結界を張っており、結界に触れると同時に倍の速さで元の位置にお戻される。当然、威力も倍に成る。受け止める側にも耐える術が無く。簡単に沈没をしてしまうのであった。


 5隻もいた、海軍の船が4隻も船に大きな穴が開き傾きだす。カイト1人のみが魔法の世界は、これだからおもしろいと思っているのである。


「取り合えず、お宝を見せて貰おうかな!」


 海賊の頭を外す、彼にも自由ができる。逃げ出す事もできる筈が逃げ出さないで言われた場所に案内をしはじめる。


「こちらです。足元が滑りやすくなっております」


 海賊王の言葉とは思えない。この場に集まっている者達にも理解が早かった。その反面、絶対に勝てない敵だと彼等にも伝わる。この場で平伏して待つ事にした。動けば、自分の命だけでなく仲間の命も無くなるとまで勝手に思ってしまっていた。カイトの存在が大きすぎる為に


 途中で作りかけの船が目に入る。帆船だと勝手に思い、


「この世界にも魔導船があるだろう。魔石の力で動かす事ができる船が」

「冗談を言わないでください。カイト様! 我々みたいな者に売ってくれる商人が存在しておりません」

「だったら 貴様等も見た目だけでも商人に成ればいいだろう。無駄に裏ルートで高い金額で仕入れるのであれば、正規の金額で正規のやり方で手に入れて 王族貴族から金銀財宝を奪い。あくどい商人の船を襲い、全てを殺して奪ってしまえよ。

 それに味方も増やしていけばいいだろう。敵に成る奴等など1人残さず殺せ! 出来るか!」


 カイトの瞳が一瞬だけ、金色に見えた。それだけでも理解する、神が自分の為だけに見せてくれる世界を導くかのように そして この場に平伏してしまい。


「貴方様の言うとおりに表舞台で荒稼ぎをして見せます。当然、本業も忘れません。王族貴族を敵に回してでも返り討ちにして見せます」

「そうか、困った事があれば 指輪に魔力を込めて願え! 助けに来てやる」


 カイトから 何の変哲もない。指輪を頂く、それでも指に嵌めてみれば実感する。指輪に魔力を感じ取る。不思議な感覚に陥る。ここに来て 腑に落ちない事に気が付く。


「アッシを殺して 宝を奪う事が目的だったのでは?」

「誰がそんな事をするといった。勝手に処分するとは、言った記憶があるが俺の自由に使わさせてもらうだけだ。死んだら誰が俺に金を貢いでくれる。お前なら俺に不自由が無いほどに貢ぐだろう。違うか!」


 目の前の少年が神に見えていた彼は、躊躇なく。


「貴方様の役に立つのであれば、何なりとお申し付け通りに致します」

「そうか!」


 カイトの指が鳴る。“ パッチン ” 船が完成しており、見た事も無い帆船が出来上がっていた。大きさも3倍にまで膨れ上がり、海賊王も驚く。


 宝物庫に来る。カイトが想像していた以上に多くの物が存在もしていた。金貨と銀貨、それと使えそうな物だけを頂き、後の物はそのままにして置く。当然、香辛料はすべてを頂く。料理の材料にも使えるが薬の材料にも役立つために


「その指輪は、アイテムバックにもなっている。この空間ぐらいは入るだろう。上手く使えよ。場所を移動しよう」


 指輪を見ている間に顔を上げた時には、既に場所が変わっており 島の上空に来ていた。足場が無く、震えてカイトの足を掴んでしまうが 気が付く。この場に普通に立つ事ができ、それどころか多くの船に取り囲まれている事にも気が付く。多くの船が島に近付いてくる事も






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