解放されて国をでた
ギルガイア国は、この日をもって すべての機能が停止した。1人の少年との契約が解除されてしまったお陰で
バロンフォード領の魔導列車には、1部の商品が残されていた。カイトと契約をした商品が街に運ばれて終わりである。
真実を知ってしまった。フェアリーラメスも崩れるように地に伏せる。怒鳴る声で
「契約を元に戻しなさい。命令よ、カイト」
「それは無理です。契約が解除されました後では、この国の未来を別の国から眺めると致します。
俺は、この国を出て のんびりと冒険者にでも成ろうかと思います」
「そんな事が許されるとでも思っているの」
周りにいた騎士の半分が身に付けている。鎧や武器をその場で脱ぎ去り、転移で姿が消えると何も聞かされていなかった兵士達に動揺が起こるも
「それでカイトは、何処の国に行く予定だ」
「そんな事が言えるはずが無いでしょう。追手が来ます」
「もう1度、この国に留まる事を思わないのか」
ジーク・トリスタン卿が
「カイトさん、息子が仕出かした事なら何度でも謝罪する。この国に残って貰えないか」
その場から カイトが消えた途端に街が静まり返ると涙を流す者達が続疾しはじめた。意味も理解できないままに涙が止まらなくなっていた。
テレスティア達も同様で自然と涙が溢れ出てきて 両親の下に行って見れば、そこにカイトの姿が消えており、気配感知にも引っかかる事も無かった。
「フェアリーラメス姉さん、もしかして カイトと契約を交わしたの どうして パパは止めなかったのよ。カイトが消えれば、この国がどんな事に成るか、分かっていたのでしょう。
私達程度では無理よ。目に見える部分しか、守る事しか出来ないのよ。少しは理解してよ、姉さんも」
カイトが転移した国は、隣国のトラベスタ国で 何の所縁も無い国で更なる奥地の小さな町に転移した。森に川に少し遠いいけど海が在る。街に転移してくると服装も庶民の服装に剣を持っているだけの少年になっていた。
ギルガイア国が異世界人達の知識で文明開花を行った反対に この国は、何もしないで自然豊かな国作りをしてきた。そのお陰か知らないけど 多くの自然が残されており、多くの動物や魔物も残されていた。1つ難点なのが 知能が低く、能力も低い事であった。
カイトが街の門で兵士に聞く
「1つ、お伺いしても構いませんか」
「どうした。坊主、何を知りたい」
「この道を南下したら海に出るのですか」
「そうだが 坊主は、何処から来た。何処に向かっている」
「俺は、ギルガイア国のトドの村から来ました。海を目指しております。1度でいいから見てみたくて」
「ちょ・ちょっと待て ギルガイアって言ったら文明が盛んな国だろう。どうして そんな国を出たのだ。まぁ~理由を聞いても始まらないか。
野営の準備はしているか。武器は持っているみたいだし大丈夫か」
そこに猫族の女性と見るからに魔法使いの女性が現れて 猫族の彼女がケガをして魔法使いに肩を借りて街に向かっている最中であった。
本来ならカイトが助けるのだが国が違う為に動く事を辞めた。諦めたのだ。そんな中、
「どうした。ニーナ! 何と戦ったのだ」
魔法使いの女性が
「森を散策している最中に突然、森狼に襲われてこの有様です。早く、冒険者ギルドに行って回復をしてもらわないと ニーナのケガを治して貰わないと」
「回復薬を持っていないのですか」
「そんな高価な物を買える訳がないでしょう。冒険者ギルドの回復師に治して貰うのよ。
アンタ見かけないけど何処から来たの?」
「山を越えて歩いてきました。長い道のりでしたね」
本当は、転移で 一瞬で来たなどと言えない。
「簡単な治療を行いましょうか。出血だけでも行っておくと回復師の方も魔力を抑える事になりますよ」
カイトが自分自身のアイテムボックスから薬草と包帯を取り出して 傷口に薬草を添えて包帯を巻いただけで止血が出来てしまっていた。
「これで当分の間は、止血が大丈夫でしょう。普通に歩く事も可能ですがお酒は控えめにしてください。
先に冒険者ギルドに向かわれた方がよろしいかと思います」
「坊主は、凄いな! 何処で習った。その治療を」
「母親から薬草の知識を習いました。俺のいた村では、当たり前の事です。誰にでもできる事なのです」
「この街で治療院でも行えば、儲かるぞ」
「興味もありません。今は、のんびりと暮らしたいと思っているので」
「もしかして ギルガイアにいる時に過酷な仕事をしていたとか、か?」
「そんな処です」
カイトの言葉を真意に受け止めると目に涙が溢れ出てきて カイトと反対の事を思うのであった。過剰労働者だと思ってしまっていた。そして なけなしの金で逃げてきたのだと勝手に思い込んでいた。3人が
「どうだろう。この街で冒険者にでもなって暮らしてみないか」
「それだったら 私達が紹介するからやってみなよ」
門の兵士と魔法使いの女性が進めて来るも
「冒険者もやりたい内の1つではあるのですが 海を見に行って見たくて立ち寄っただけです。1人旅なのでのんびりとやっていきます」
面倒だな! 放っておいてもらいたい。
ここで彼を引き留めないと海を見た途端に身投げしてしまっても目覚めが悪い。
どうしよう。彼が死んでしまう ・・・
絶対に身投げをするわ。自殺志願者よ。引き留めないと
その後も彼等に引き留められて やむやむ街に入り、冒険者登録をする羽目になってしまった。魔法使いの女性が見張っている最中に
「ちょっと! シルビア、彼って何者なの」
魔法使いの女性の名が “ シルビア ” で 受付の女性が “ メープル ” であった。
「自殺志願者よ。1人で海を見に行こうとしていたのを引き留めて連れてきたの
彼が逃げ出さないように私が見張っているのよ」
メープルがカイトを鑑定すると名前以外を見る事ができないのであった。
「俺を鑑定しても見せる訳に行きません。もしかしたら 俺以上の実力者に成れば見る事も可能かもしれません」
何なの この少年は、得体が知れないわ。本当に自殺志願者




