酒場 続2
「パルムさん、カイトと会話をしていた人が消えた。どうして」
「転移魔法さねぇ~! それで! カイト、戦争になるのか?」
「何処が?」
「この国がさぁ~」
「今現在、エテスタ国に侵略が始まったばかりだよ。夜に乗じて上陸している処を見ると内通者がいても可笑しくないと思うね。自国で無いから情報が薄いけど、聞いた感じと見た感じでは、そんな処かな」
そうか、だから “ 魔鏡 ”を 使って侵略を速めたのか、氾濫を使って魔人を送り込んで魔物を送り込み、進行を速めるために協力国に知らせていれば、まだ 数十年は、持ち応えてくれるが そうでなければ、数年だな!
まぁ~俺がいれば、魔導兵器も軌道に乗るが どんな事になる事やら
「それで 私等が爺、婆になる頃に この国にも侵略の手が伸びるのか」
「もう 伸びている。水際で解決していたが俺が引退をしたから この国の未来は変わった。
この酒場と同じで 楽しくもにぎやかに酒を飲んでいても問題が無い。と 思う」
子供の俺が考える事でもないから 問題が無いな!
はぁ~~! 五月蠅い面々が来たみたいだ、大軍で
酒場の扉が開き、バロンフォード卿が姿を現しただけで 酒場が静まり、中には 片膝を付く者までが現れる。キョロキョロした後、カイトの席に近づいてくると冒険者や庶民がテーブルと椅子をずらして道を作りだした。その中央をゆっくりと歩きだして 目の前まで来る。
「どうした。鼻たれ小僧が息巻いて 俺達親子と喧嘩でもしに来たのか」
ゼントの目の前で 片膝を付き、頭を下げた。顔を上げると
「お久しぶりです。ゼント様、パルム様、2人とも若々しくお見えで どうか、カイトをもう1度、貸していただけませんか。この国の一大事です」
「そこの坊やが解除したのだろう。いいで無いか! この辺りが潮時だったのよ」
その間、カノン親子とドラペイにグレンまでもが バロンフォード卿とトリスタン卿を目の前にして土下座をしている最中、カイト達親子だけが酒を煽りながら話をしているとテレスが回り込んで カイトの横に立ち
「カイト、王城に行くわよ。戦争よ、戦争」
「テレス、ここの肉が旨い事を覚えているか。まともに食事も取っていなかっただろう。ミリィもスイーツを食べるか、隣がスイーツの店だぞ。残り物を持って来させる事も可能だぞ。どうする。
トリス、カウンターから 樽でエールを持ってきてくれ、まぁ~座れ、座れ、」
「いつものカイトに戻っている」その時、大きな腹の虫が鳴り周りが笑う最中、カイトが皿に肉を載せてテレスティアに渡すと夢中で食べ始めた。それと同時にテーブルを叩いて
「カイト!」
「俺があの席に座る事が無くなっただけだ。これからの国の祭り事は、元々が貴様等が行ってきた事だろう。一々、子供の意見など不要だろうに違うか。
今すぐに国に戻っても 3日後に戻っても状況が変わる訳もなし、現状が変わっても普通に考えて5年以上の時間が掛かるだろう。
トリスタン卿、酒代が足らない。金を出してくれ無理なら現状のままだ」
自分のアイテムボックスから金貨100枚を取り出し、テーブルの上に置くと
「さすが貴族様だ。庶民に支払う金額が金貨100枚程度でいいだろうって事か、出直してくれ おっさんもだ」
嫌味を言うと パルムも
「ケチな伯爵様だね。見下す相手も分からないなんて最悪な伯爵様だ」
その場の空気が凍り出すとトリスタン卿が初めて体験するのであった。学生時代は常に生徒達の見本となっていた筈が世界の広さをしみじみと味わうと下半身が震えだしてきて立っていられなくなり、床に座り出すと カイトが!
「後ろの3人と母親の件、よろしく頼むぞ」
「セバス、3人には武器と防具一式と金貨10枚を支払え、母親は貴様に任せる。よいな!」
気配を消していた。セバスが姿を露にすると
「さすが暗殺者、姿が分からなかったよ」
「わかりました、旦那様。今日は、夜も遅いですので明日にでも致しましょう。
それと甘菓子店の主人達が外で待っております。中に入れても構いませんか。
ミリィーナお嬢様のデザートをお持ちです。新作もお披露目との事ですが如何いたします」
「この街は、異世界人が多いいから好きなのよ。王都にない、スイーツが多く食べられて 今すぐにお持ちして」
「見下されたまま、この店に残るのは飯が不味くなる。店を変えようぜ、お袋」
「カイトも男になったわね。私達は場違いだね」
「今現在、金貨はそれだけしか持っていない。後でいいなら支払うから金額を教えてくれ」
「もうじき、秋の収穫祭だ。孤児や奴隷たちにも食事を与えてやりたい。それだけでも金貨1万とこの街の人口が10万だから1人頭、金貨10枚で金貨100万枚、それと ・・・ 」
「まだ あるのか!」
「それだけの価値があると思うが 嫌なら俺を巻き込むな」
「カイトの事だ、まだまだ 請求してくるぞ。どうする積もりだ」
「庶民のガキに支払う金額なら これだけで十分の筈、それがどうして」
庶民のガキに振り回されて地に塞ぐなど貴族失格だ。貴族界の笑い者になってしまう。それだけは、消しておかなければ
「辞めておけ、おっさん! 殺気が漏れているぞ。テレスも食べてろ」
「だってぇ~!」
「屋敷に到着まで生きて居たらいい方だ。相手が伯爵でも変わらない。ただの人間だ」
トリスタン卿の首元に剣を置かれる。
『おっさん、息子が死ぬぞ』
『もしかして カイトさんですか。息子が何か、仕出かしましたか』
『俺の契約を1つ、解除してくれたお礼だ。どうする、この場で殺してしまっても構わないか』
頭を抱えだすも『私を飛ばしてください』足元が光りはじめた途端に家族団らんから 一瞬でジークの姿が消える。家族一同が驚く最中、妻が “ 問題が無いわ、呼ばれたのよ。この国の影の勇者様に ” その一言で納得するのであった。
「さすが暗殺者、手際がいいねぇ~」
「やめろ、セバス! 俺の顔を泥で塗るつもりか」
「此処で死んだ方が 死んだ原因が分かって 彼も報われますが」




