迷路突破
「ニーナ! 見つかった」
不意にカイトさんが私の前までやってくる。気が付かなかった。
「先程から探しているのですが 見つかりません。何処にあるのでしょう」
「灯台下暗しだね。ニーナの足元の下のあるよ。気が付かないわけだね」
自分の足をどかして 良く見ると少しの膨らみを感じ取れた。不思議にナイフを突き刺すと横にずれて 中から多くの魔石を発見できた。
「良かったね。ニーナ! 多くの魔石が手に入って」
カイトさんの笑顔を見ていると吸い込まれそうになる。どうしちゃったのだろう。私
「これから イーナスとお風呂に入るけど ニーナは、どうする」
「骨と皮しか付いていない。私の身体など見せられません。後で 1人で入らせてもらいます」
「わかった。その時は、言ってね。壁を作るから」
ここでも意味不明な言葉が帰ってきた。“ 壁を作る ”
「服を脱いでイーナス! ニーナは、入らないって 後で 1人で入るそうだよ」
「そう残念、獣人の人とお風呂にも入って見たかったな」
2人を見ると自然と着ている服装が消えて裸になってしまった。2人とも服装で分からなかったけど カイトさんは、年齢を感じ取れないほどの筋肉質だし、イーナスさんも豊満な胸とお尻でウエスト何て引き締まっていて 何処が太っているなんて感じ取れない程であった
2人に見とれていると
「どうしたの ニーナも入りたくなった」
イーナスさんが全裸を見せてきた。
「2人に見とれてしまいました。すいません」
「入りたくなったら いつでも入ってきていいわよ」
「どうして 私なんかを」
「女だからよ。もし 男だったら両目を潰して両耳も潰すわ。私がお風呂から上がったら治してあげるけど
それだけよ。男なんて」
イーナスさんの笑顔が怖いと思った。この人は本気でやりそう。
カイトさん達がお風呂に入ると花の香りが部屋中に拡がり、彼等を包むみたいに充満するのであった。その光景を見ながら私は、ウトウトと深い眠りの渦に入り込む寸前で カイトさんに起こされた。
食事の準備が整った。と 洞窟内で食べた料理と違い、私の前世の時でも食べた事も無いほどの贅沢な料理が目の前に並べられており、きっと高級な材料で作られている事は把握できても味までは理解できないのであった。
私は、1人で無我夢中で食べ始めて気が付いた時には、白い板の上で寝かされており 透き通る布らしい物が掛けられていた。一晩で私の体系にも変化が訪れた。
骨と皮だった指先に肉が付いており、胸もお尻にまで肉が付いていた。体調も万全で昨日までの疲れまで無くなるほどであった。料理1つでこんなにも変わる物なのだと思い知らされてしまった。
不意に横を見ると2人が裸状態で抱き合いながら寝ていた。そして カイトさんと目が合うと私の顔が赤い事に気が付く、心臓がバクバク破裂しそうなほどに唸りだした。
カイトさんが左手を差し出すと私がカイトさんに引き寄せられて 私の頬にカイトさんの左手が添えられとその瞬間に イーナスさんが振り向いて
「本気になってはダメ、カイトに遊ばれているのよ。自覚なさい」
「酷いなぁ~ イーナスは! ニーナの顔が赤いから体温を見ただけなのに」
「いつも言っているでしょうに 女の子にそんな事をすれば、赤面するって その証拠にフレイアお嬢様にして御覧なさい。大量の鼻血を出して抱き付いて来たでしょうに」
あの戦乙女さんでも そんな事になってしまうの? 私がカイトさんに見惚れる事って 普通の事なんじゃ~ないかしら
「逆効果みたいだよ。イーナス! ニーナには」
イーナスがニーナの顔を見る。
「あら あら カイトが言っている事が本当ね。痛い目を見る前に諦めなさい。住む世界が違う事を」
イーナスさんの言葉を理解する事が出来なかったが すぐに理解ができた。この場所がダンジョン内だと理由で
私に服装も下着とワンピースだった物が下着を変えられてパンツとタンクトップに変わって胸当てに肩当て 地面に昨日、手に入れたばかりのブーツまで置かれていた。
「この装備って 私に貸して下さるのですか」
「違う。これも取り分として受け取って置いて あっても困らないだろう」
「昨日から もらってばかりなのですがいいのですか」
「死なない為の大事な装備だ。迷路を抜ければ、確実に死ぬぞ。布切れ1枚だと それでもいいのか」
カイトに言われた事が事実であった。実際にニーナは、迷路の先を知らない。迷路を抜けると広大な森が存在している事を
次の改装に降りてきても またしても野営で大量の食事を食べさせられて 5日もかけた時にカイトさんが
「肉付きも良くなったし、筋肉も付いた。後は適度な運動が必要だろう。この先は、ニーナの為にあるみたいな場所だな」
いままで こんな扉がある処なんて 私は知らないわ。何処に通じているのかしら
「やっと 暗い場所から 明るい場所に出れるのね」
何を言っているの イーナスさん
「迷路突破、おめでとう。ニーナ」
カイトさんが扉を開いて 私を導いてくれた。扉の先に広大な森が拡がっていた。森の中に集落みたいな場所がある。あそこに向かうのかな?
「イーナス、あの辺りに横穴を開けて 当分、暮らそうか」
カイトさんが指さした辺りって壁しか、存在していないわよ。それに高いし
「その方がいいわね。大型の魔獣なども存在しているみたいだし、鬱陶しかったら焼き払うだけだし」
「頼むから 食材まで燃やさないでよ。そんな事をしたら甘味は当分、無しだからね」
無しという言葉に反応が早かった。そんな私も甘味に目が無くなっていた。カイトさんの料理の虜にさせられている。