神獣 ブラックドラゴン
子供達の話し合いの結果、リーダーの女性がダンジョンの道案内をしてくれる事となった。猫族のニーナと教えてくれた。不思議とその場には、同じ名がもう1人存在していた。どうも 猫族だとニーナと名を付ける事が一般的みたいだ。
時刻も夕方になっており、彼等の住処に連れて行ってもらうが山の洞窟内で暮らしていた。街に戻る時に魔物に襲われる事もあるそうなのだ。その為に此処を住処にして暮らしているそうだ。
昼に取れた。ギガントボアの肉を焼いてやると子供達のトドが出来上がるのであった。お腹が膨らみ 身動きが取れなくなるまで食べ尽くすのであった。
カイトが立ち上がるとミントまで立ち上がる。
『夜は、私の世界。存分に狩り取るわ』
「面白い時間だ。凶暴な魔物と遭遇する事を願って」
ミルクは、イーナスの足の上で寝ている。夜になると目が見えなくなるからである。反対にミントは、夜になると冴えてくる。夜に同化するかのように姿が見えなくなるのだ。
「ミント、この世界には 掃除人が居る。食べたい物だけを持って帰れ、それ以外の物はその場に置いておけ、彼等が掃除してくれる」
ミントが不思議な顔をしているとカイトの影から1人の男性が出てきた。
「カイトさまに作られた。“ 物 ” でございます。お好きな様に暴れてください。ミント様」
『ふ~ん、まぁ~いいわ』
『我も参戦しても いいですよね。主様』
ミントの尻尾に付いていた。武器が会話に入って来ると影の主も驚きを隠せないのである。
「ガウェイン、寝ていてもいいのだぞ」
『何を 御冗談をこの世界の魂の味も堪能しとうございます』
「そうだな! 範囲は、この場所から見える範囲で日の出までとする。それでいいか」
無言が返って来て2人が消える。ミントとガウェインが
「それじゃ~行ってくる。留守を頼む」
カイトも消える。と
「イーナス様、あの者達は何者なのですか。あのゼブラタイガーに睨まれただけで死を自覚させられました」
「ウフフ~~ 内緒よ。あなたも頑張ってきなさい」
「夜は我等の領分です。問題がありません」
「いい事を教えておいてあげるわ。彼等にとっては、この星など小さすぎるのよ。
ミントなら3秒で走り切るらしいわよ。世界1周が」
何を御冗談と捉えていたのだが 既にこの山の周りにいた。魔物に魔獣の姿が消えており、辺り一面にも生き物の存在まで消えている事に気が付くのであった。
東から太陽が昇り始めるとカイトとミントが森から出て来るのであった。既にミントの尻尾に絡みついている。ガウェインがそこにいた。
戦利品を出し始めるとカイトが狩ってきた。ブラックドラゴンが息を吹き返して生き返った。ケガも全て治っており、称号に神獣とも成っている。
「カイト、このブラックドラゴンって 神獣じゃない」
「だから 何だ。ただの鶏肉だ」
『神獣の魂の味を堪能したい』
『美味しいのかしら 味わってみたいわ』
息を吹き返して周りを見渡せば、既に取り囲まれており 肉として見られている事に気が付く。3体の称号を見ても人間、魔獣、武器、としてしか 分からない。それ以外が何もないのに自分よりも強者で狩る者だと判断できた。
洞窟の方を見れば、使徒、神獣となっているが それだけでも驚きであったが それ以上に脅威なのが目の前の3体であった。神獣の鑑定を持ってしても彼等を見ても名前と称号しか見る事が出来ないのであった。それ以外のもが全て消えており 更なる恐怖を与えるのであった。
「ガウェイン、来い」
久し振りにカイトに呼ばれて 気合十分でカイトに持たれるとカイト自身の魔力を注ぎ入れただけで数倍の大きさになり
「魂まで喰らいつくせ ガウェイン」
カイトが動く寸前で止められた。
「まてまてまてまてまてまて 我は、神獣だぞ」
「この世界は、神獣を食べてはいけないとでも言っているのか。弱者が狩られて食べられる物だろう。貴様もそうやって生きてきたのだろうに」
ブラックドラゴンに天啓が下りた。“ 無理 ” と 一言だけだった。それを聞いていたカイトが
「ワッハハ~~、どうする。神獣の称号まで消えているぞ」
自分自身のステータスを確認すると称号に神獣と成っていた場所がドラゴンに変わっていた。それを見た、ブラックドラゴンは、混乱する中
「おもしろい物を見させてもらった。ダンジョンの地下で寝ていていいよ」
「ちょ・ちょっとまて 貴様は何者だ。ただの人間の分際で我を ・・・ 」
最後まで言葉を述べる前に消えていた。強制転移でもう1つのダンジョンの地下に送られてしまった。彼の下にまたしても天啓が下りた。“ 異世界の神 ” と告げられるのであった。全身を震わせて深い眠りに付くのであった。彼等がこの世界から消えるまで地上に現れる事を拒むのであった。
「ミント、身体を小さくしろ 子供達が起きる」
ガウェインもミントの尻尾に絡み付くと共に小さくなるのであった。
ミルクも起き上がるとイーナスから離れて カイトの肩に止まり、眠りに付くのであった。
「あら、あら、ミルクも最近じゃ~ カイトの肩の上がお気に入りみたいね。
そうだ。私の執事にメイドも暇しているから 彼等の面倒でも見させておきましょうか。カイト」
「いいんじゃないかな こんな場所で暮らすよりかは、安全な場所だと思うけど耐えられるのかな」
「嫌なら逃げ出すでしょう。食事と寝れる場所を与えてあげるだけだし」
彼等に説明すると “ 安全な場所 ” の フレーズに引かれてイーナスと共に転移していった。
「カイトさん、あなた方は何者なのですか」
猫族のニーナが聞いて来る。
「普通の冒険者にでもして置いて その内に分かるよ。多分」