神界
ロダンスウォール国が抱える。病気をカイトが全て 解消させてしまい。晴れてイーナスが開放されてしまうのであった。どの様な薬を調合しても治す事が困難だった病気を一目見ただけで解決策を見出して直してしまった為に ・・・
「カイト君、何処に行こうか。2人での冒険なんて 初めてよね」
「ダンジョンに興味があります。未知の食材に興味が湧きますし、中の仕組みにも興味があります」
「ダンジョンなら 最近、見つかった。ウィストリア教国がいいわね。まだ 誰1人として最下層にまで到着していないと聞いたわよ」
ウィストリア教国か、興味が湧く。どんな国なのか? そう言えば、異世界から聖女召喚を行った国だったな! あの女は元気にしているのか。
何を部屋の隅で丸くなっている。昔のままだな!
「そう言えば、ロダンスウォール国とウィストリア教国の間に小国がありましたよね。まだ 存在しているのですか」
「あの国は、国としても街としても中途半端な処よ。情報のやり取りだけで生業を建てているようなものだから」
『カイトさん』
糞女神か!
『カイト様 ・・・ 』
ミントか? どうして 異世界だぞ、ここは
「姉さん。済まないが野暮用が出来た。付いて来る」
「何処に連れて行ってくれるか。おもしろそう」
カイトと手を繋ぐと足元に魔法陣を展開させる。2人の姿が消えた。
イーナスが瞼を開くと見た事も無い場所に来ていた。目の前に 見た事も無いほどの美女が両膝を付いて カイトに対して頭を下げている。それと先程まで カイトと手を繋いだまでの記憶を持っていたが 今現在は、他人と手を繋いでいる。横を見ると見た事も無いほどの美男子で引き締まった身体、胸板まで厚くて抱きしめて貰いたいと思うほどでもあった。
周りを見渡しても 多くの人の姿を感じられるが誰1人として近付いてこない。それどころか、避けられている。
「どうした。姉さん」
諸に好みの男性から 姉さんと言われて誰の事か、意味不明の顔をしていると
「すまない。姉さん! これが本来の俺の姿だ。俺は、異世界からの転生者だ。
そして この場所は、神界で目の前の糞女神が 転生女神だ。爺も姿を現せよ」
『パパは、神様だったの』
ミルクが突然、しゃべりだして 更にイーナスが困惑する。
「普通の人間だよ。ミルク」
えっ? どうして 普通に答えるの?
突然、とんでもない程の威圧を感じ取り、全身で震えあがる。イーナスの肩の上にいた。ミルクまでもが震えあがった。本来の姿で尻尾に ガウェインを巻き付けた。ゼブラタイガーが姿を露わにした。
この世界の転生女神も全身で震えあがっており ミントを見る事も出来ないのであった。
『カイト様、寂しかった。逢いたかった』
巨体のまま カイトに抱き付くも普通に受け止めるのであった。隣でカイトと手を繋いでいる。イーナスとミルクが震えあがっている。
ミントがカイトに抱き付いて ワンワン泣き出した。今迄の寂しい思いを埋める様に甘えるのであった。少しの間を置いて
『カイト様、私にお土産を持ってきてくれた。食べていい、これ』
ミントがミルクを見ただけで 更に震えあがって震えが止まらなくなる。
「ミント、ミルクに加護を付けてやれ」
『うん!』
ミントがミルクを一舐めする。光り輝き、神獣の加護を持つ事が出来た。途端に景色が変わり、今迄の震えまで消えていた。
『パパ、不思議』
「やはり、この世界の生き物達って 全てが弱すぎる」
目の前の糞女神を見下ろす。
「そんなにもイジメるな! 彼女もそれなりに頑張っているのだぞ。どれ ワシの加護は、その人間に付けてやる」
イーナスに創造神の加護を貰うと震えが止まり、周りの景色まで見る事が出来るようになった。が!
「良かったな 姉さん。この世界の創造神の加護を持ったら “ 使徒 ” 確定だな」
妄想の中で “ 使徒 ” の言葉が木霊する。文献などで出て来る。使徒とは、神の使いだと言われていた。記憶が蘇った。それでも 未だに頭が混乱している。
「爺さんの加護を簡単に付けてしまっても良かったのか」
「問題が無い。その人間の行いなら 何かが在ったとしてもお主が側にいるのであれば問題が無い。それに生き物が半数以上、死んだとしても500年も過ぎればまた増えだす。
この世界などそんな物だ」
ミルクは、イーナスの肩を離れて ミントの背に乗って甘えだす。ミントもカイトに自分の匂いを擦り付けてくる。
「そんな物か」
「それでどうする。1度、里帰りでもしてくるか。
お前の世界がとんでもない事になっているみたいだぞ。女達が大暴れしているみたいだ」
「だろうな! どうせ! 神など死なないのだろう。少しくらい痛い思いをすれば、俺に対する扱いも変わるかもしれないからそのままで構わない。
どうせ 死なないから問題が無いだろう」
「どうじゃ、そのホワイトドラゴンにも神獣の加護を与えてやる。世界がおもしろい方向に変化の時期かもしれないな
ワシの世界にも変換気が行われるなど思いもしなかったわい」
カイトが糞女神の頭を掴み、勝手に魔力融合を行い。2人の魔力を合わせて分裂させてから彼女に魔力を返すと穴という穴から血が噴き出して汚い物を洗い流すみたいに 魔力の奔流が収まると1人の女神が出来上がるのであった。
そんな中、創造神フェルトリオ・エイベルが感心していた。
「面白い事をするな! 加護を与える事もしないで進化しおった。実に面白い」
「この糞女神は、放出していれば痛い思いもしないのに どうしても溜め込みたいみたいだな!性格の性か」
「わっはは~ そんな処じゃ、仕事に対しては真面目なのじゃが 普段が良くない。それもいいか。
主の加護を与えてやれば、良いじゃろうに」
「俺は、普通の人間だぞ。200年ぐらいで死ぬ筈だ」
「面白い事を言いよる。カイトよ。主は、“ 神近し者 ” に選ばれてしまった。数万年の時を過ごす事になるじゃろう。それも定めなのかもしれないな!」
「この糞女神も本物の神に成れたのか」
「あと数度って 処か」
「それも面白い。そのまま放置だな」
すがる様な眼差しでカイトを見上げてくる。
「私も神の1人にしてください。カイト様、御慈悲です」
「俺で無くて 爺さんに言えよ。お前を作った。爺さんに」
ミントが一舐めしただけで 下半身に染みを作りながら気を失うのであった。
「ダメだな!」