表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
190/445

 イーナス・・・


 イーナスが王城に戻って笑顔で廊下を歩いているだけで 皆が蒼白な顔で頭を下げて来るのであった。会見の場に訪れてみれば、震えあがった貴族などは イーナスの顔を真面に見る事も出来ない者まで現れる不始末であった。


「それで 私をここに呼んだのは、どの様な御用件ですか」


「君の弟も冒険者に成ったと聞いた。武力もあり、魔法も使えて 多くの功績も上げている処でSランクに昇格する事となった。

 カイトに王城に出向いて 国王陛下より、一言 述べて貰う予定である。


 弟の門出だ、君も出席してもらえないか。賢者 イーナス」


「面白い事をおっしゃいますね。私は、先程までカイト君と冒険者ギルドの訓練場で話をしていたのですが 誰をこの場に連れて来たのですか。


 大方、ギルドカードを確認することもしないで Sランク冒険者を連れてきたのでしょう。私もこの国を出て自由に暮らしたくなりましたわ。


 今回の10件の案件が終わり次第、3か月ほどの休みを頂きます。その間に死なない事をお勧めいたしますわ。悪い噂が私の耳にも入ってきております。くれぐれも御自身を大事にしてやってください」


 イーナスが その場から消えるのと同時に 入口の扉が叩かれて扉が開かれる寸前で中から 扉を開く事を拒むのであった。


 それと何時もイーナスの肩に乗っている。ホワイトドラゴンの幼体が 本来の大きさまで大きくなって王都の真上で戦闘を行っていた。ワイバーンを一口で食べている姿を王城のみならず、領民も目にした時点で “ ガッオウォ~ ” と 鳴いた途端に人々が腰を抜かす有り様になってしまい。


 イーナスの現状を見て取れるのであった。それだけに恐ろしく捉えているのであった。


 ミルクがそんな状態になっているにも関わらず、カイトに取っては何も変わらない。


 鍛冶屋の女将さんが 空を見上げて


「あれって ミルクちゃんでしょう。カイト」


 カイトが見上げるまでも無く、答えるのであった。


「姉さんの状態と同じですね。いつ爆発しても可笑しくありません。が! 問題がありません」


「何だ、カイトがいれば問題が無いね。


 お前達も空を見上げていないで さっさと商売しろ、カイトを見習え! 今夜の酒代を稼ぐのよ。この店は、大酒飲みの溜まり場なのだから しっかりと稼ぎな いいね。お前達」


「「「 はい、女将さん 」」」


「カイト、そのお客の付与が終わったら 次は、このお嬢さんだ」


 僕が付与魔法で武器にも付与できると言った途端に これだよ。自分の武器を完成させたいのに やっぱり、宝石を付けないと切れ味が今一なんだよな! どうしたものだなぇ!


 この日は、夕方まで付与をさせられて 自分の工房に入ったのは、夜になっていた。外では、酒盛りが始まっており カイトを呼びに来るものが多くいるが中まで入って来れる者が誰1人としておらず、悩みの1点張りだった。


 イーナスが顔を出すまで 3日3晩もの間、武器作成に取り組み。工房全体を凍らさせられて 強制的に終わりを迎えた。


 カイトが工房から出て来ると太陽が真上にあり、黄色く見えた。大きく背伸びすると


「何か、用でもあった。姉さん」


 自分自身に状態異常回復魔法を掛けると疲れが綺麗に取れるのであった。それと同時に空腹感が迎えに来るのであった。


 肉を焼き、酒を煽り、焼きあがった肉を食べながら姉の話を聞いていると 工房に潜っている連中までカイトの話し声が聞こえてくると肉を摘まみながら 酒を飲み始めるのであった。夕方には、早終いで店をやっていられなくなるのであった。


「明日から5日間は、私に付き合いなさいよ。カイト君」


「そう言えば、カイトよ。学園に行かなくていいのか。既に1週間も家にいるけど」


 全てから解放された。パトリットがイーナスを見つけ出して裏口から何も知らないまま、入って来るも


「イーナス! ここにいたのか。随分とさが・・・」


 イーナスと声を出した途端に 話が終わる前にフレイヤ伯爵領に転移させられて姿が消えるのであった。本人も驚きである。先程まで王都の鍛冶屋の裏口から入って来たのに 目の前の景色が変わって自分の部屋にいるのであった。意味も理解できない内に飛ばされてしまったのである。


 この4日間、王都から冒険者が消える事件が起きた。影で賢者 イーナスの悪口を言っていた連中が突然、森の苦深くに飛ばされて帰らなくなったのだ。森だったら無事に帰って来れるのかもしれないが 無人島に飛ばされた連中までいたという。


 当然、冒険者だけでなく 貴族連中も同じように誰も知らない無人島に飛ばされて 半年間の無意味な孤独を味わうのであった。国でも誰の仕業かを把握できていても 文句、1つも言えないのであった。明日は我が身だからである。


「いいのかい。今の人って フレイア伯爵さまのお嬢さんだろう」


「いいのよ。今回の元凶の原因だから」


「何が原因なのだい」


 カイトが説明した途端に この場にいる連中全員が青い顔になって イーナスを真面に見れなくなってしまうのであった。この日は、夜遅くまでお酒を飲む事も無く、早々と就寝するのであった。


 翌日から カイトとイーナスの姿が消えており、半年先まで現れる事も無くなるのであった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ