今回も
クララ達が朝食を食べている間に 周りを取り囲んでいた壁がなくなり、空の魔法陣まで消えていた。この場所を隠蔽で隠す必要が無くなったからである。壁が無くなった途端に周りの状況が分かり、惨劇を見るのであった。生徒に教師が
草原が無くなり、森の1部までもが焼かれている事に驚きを隠せないのであった。そんな中、教師とガランダが話をするのであった。昼過ぎに成ったら冒険者グループの1グループが街に戻って学園に確認に向かう事となった。
大人達が話をしている最中も生徒達は、自分達の課題を取り組むのであった。魔法の練習をしている連中や本来であれば、魔物討伐をする者もいたのだが昨晩の襲撃で魔物に魔獣が全て逃げてしまって 魔物討伐が出来なくなってしまったので教師とパトリットが生徒達に指導に参加するのであった。
その間、クララ達は苦い水を作っている。カイトは本を読み、イーナスは書類の整理に追われるのであった。
カイトが周りの景色を見ていると昔の事を思い出すのであった。この世界に来る前は、毎日が戦闘ばかりしていたのに ここ数年、平和が続いている事を何もしなくても それなりに済む事を思い出すのであった。反対に言い換えれば、人間の凄さを思い知るのであった。
多くの人種が住んでいるのだから 皆が思う事など平和が1番だと思う者や戦争を生きがいにする者達やその日暮しをしている者達、色々といる最中に もう影の勇者など存在しなくてもいいだろうと思うのであった。
カイトが周りの風景を見ているだけで イーナスが心配になり、手を止めてカイトに聞いてきた。
「カイト君は、この国から出て行こうと思っている。の」
口に出しては、いけない事を口に出してしまうのであった。カイトの顔を見ているとそんな事が頭を過ってしまい。
「多分! で無くて絶対に出て行きます。本の中だけではわからなくても 自分の目で確かめたり 実感すれば、見えてくる物や感じ取る事も出来ると思うので
商人をするには、商品の知識が少なすぎて無理だと思います。安易ですが冒険者をして世界を回ってみようかと思うようになってきました。その前に薬草採取の冒険者に成りたいとも思っていますから」
「そうか! それだったら 私も付いて行こうかしら」
カイト君と離れられないし、
「姉さん、仕事は」
「そんな物は辞めるわ。冒険者をしていた方が気楽で済むから 爵位も返上して一般市民に成ってもいいと思っているわ」
私の代わりなど幾らでもいると思いたい。
カイトとイーナスが 先の未来の話をしていると訓練を終えた。パトリットが大汗をかいて向かってくるものの カイトの生活魔法で匂いまで綺麗に消え去り、
「何だ。何を2人で話をしていた」
「今回の事もフレイアお嬢様に押し付けてしまおうと思っています。って 話です」
「また かょ~」
「それと王都から使者が来ます。今回の事とウィストリア教国の件で」
「やはり、あいつ等が絡んでいたのか。今回も」
碌でも無い、奴等だな
イーナスが書類の整理を終えると各部署に今回の襲撃の件を転送するのであった。魔法陣を用いて
今回の襲撃で魔狼の首に国紋が刻まれており、ウィストリア教国の研究機関から脱出したものだと判明した。その様な機関がある事は知っていたが事実で無くて噂程度の類だと考えられていたからだ。前回に引き継いで今回目で2度目で在り、多額の金額を請求する事となるのである。
その辺りは、国通しの話し合いになるのでイーナスが関与する事も無いのだが 巻き込まれる事は、言うまでもない。
「カイト君、お風呂に入ろうか。 ・・・ 2人きりで」
カイトが立ち上がり、周りを確認し終えると
「わかりました。用意してきます」
「そう、そう、フレイアお嬢様、視察団の方々が来ますので対応、お願いできますか」
イーナスが風呂場に入る際にとんでもない事を言いだすのであった。パトリットにとっては、これから拷問が待っているのだと言われているのであった。当然、青い顔になって涙目にまでなりながら イーナスの方を見た時には、既に風呂場の扉が消えており、入り口が無くなっているのであった。
今回、ミルクは参加していない。夜という事もあるが まだ 生まれて間もない性もあって夜目が慣れていない。その為、イーナスの肩の上で鼻息を鳴らしながら寝ているのであった。
そんな、カイトとイーナスが風呂場に入ると天窓から侵入して風呂にダイブした。カイトに抱かれて幸せそうな顔でカイトの胸の中に納まるのであった。当然、横にもイーナスが裸でカイトに抱き付いて来ている
冒険者が王都に向かおうとしていると早馬がやって来て これから この現場を視察を行う事を伝えるのであった。その中の1人がパトリットがいる事を確認し終えるとイーナスの存在に気になるのであった。
「イーナスさまは、何処に」
教師に冒険者達がイーナスを探し回るが見つからずにいると
「今、風呂場よ」
「ありがとうございます。フレイアお嬢様」
「行かなくていいの」
「まだ 死にたくありません。賢者様がいるのであれば、我々の行動など見えております」
「それで 酒を持ってきたのでしょうね。私の為に 手ぶらで来るって事は無いわよね」
威圧を飛ばすと馬までもが震えあがるのであった。大抵の魔物や魔獣にも臆さない馬達がパトリットの威圧を浴びて震えあがってしまうのであった。そんな中、
「街で無い事から 持参しておりません」
「本当に使えない。ボンクラだな! 後でカイトに買いに行かせるわ」
「街で無い処で酒を飲むなど 自殺行為で無いのですか」
「イーナスとカイトがいれば問題が無いわ。それにカイトがこの辺り一面を隠蔽で隠すから問題も起きないと思うし」
さすが賢者様の弟様だと思うのであった。早馬に乗ってきた。騎士達が
その後、騎士に連れられて視察団が到着するもケガ人も居らず、周りの景色が変わっているだけで何の問題も見つからないのであった。それ処か、魔物の死体も見つからない有り様に成っていた。