変!
カイトが少し小高い場所に地面を平らにしてから テントを取り出して設置して その真横に大きな円形の建物を作り出した。中で作業する事、1時間後に出て来ると周りを生徒で埋め尽くされていた。生徒達の周りは、冒険者達のテントが張られており、ここでも訓練対象のようであった。
そんな彼等も貴族のお嬢様が何をしているのか。興味を沸くのであった。
「カイトさん、もしかして お風呂」
クララの一言で生徒達は、普通に思ったが 冒険者達には、理解ができないのであった。いつ、魔物や魔獣の襲撃が在るかもしれない場所で風呂に浸かるほどの余裕が出来るのかを 生徒達からするとカイトが1人いれば、事足りると思っているのか、問題が無いと判断している。そんな彼が風呂を作る処なので安心するのであった。
そんな中、女性達がカイトに了承を得る様に風呂の許可を貰うとお嬢様方の後なら使用の許可を得る事ができるのであった。クララ達をお風呂に勧め、カイトが転移しようとしているとパトリットから 今夜は、魚が食べたいと要望をされるのであった。森の中に川が流れており、可能と判断して行き先が決まるのであった。
閉鎖的空間から 開放的空間に変わっただけで人の心も変わりやすくなり、その場所が安全だと解ると加速するのであった。そんな中、イーナスは書類に目を通して自分の仕事を熟している最中、ミルクは空の散歩を楽しんでいた。パトリットは、何もする事も無く 昼寝をするのである。
冒険者達もまた 夕飯の調達や武器の手入れをするのであった。彼等は、基本 簡単に食べれる物なら何でも良かったのだ。乾燥させた肉が1番多く食べられており、それにスープが付けば大喜びであった。そんな程度である。生徒達の大半もそんな処である。
イーナスとパトリットは、カイトの気配を感知しており 移動するたびにピクリと反応する。甘える時間か、酒の時間だと思って それでも30分ほどで戻ってくると既に錬成空間が出来上がっており、料理を作りながらの移動をしているみたいであった。
多くの野菜を茹でながら ソースまで作り、煮物まで作り上げての戻ってくると同時に大きな窯を作り出して 温度を上げてパン生地を窯の中に入れて一気に焼き上げる。その都度、その中で色々と焼きながらフライパンを振りながら 揚げ物もして料理が出来上がって来る頃には、クララ達が風呂場から出て来るのであった。
風呂場から出てきた途端にカイトの調理作業と料理の匂いを嗅いだだけでお腹が自然となり、周りで見ていた生徒達もまた恨めしそうに眺めるのであった。
「姉さん、パトリットお嬢様、御風呂に入ってきてください。御風呂に入らなければ、夕飯は無しです。ミルクも洗ってやってください。少し汚れてきました」
優雅に飛んでいた。ミルクも自然とイーナスの処まで転移させられて嫌がる、ミルクを風呂場に連れて行き、悲しい鳴き声が聞こえてくる最中に料理が出来上がるのであった。
そんな中、ジンが今回の野外訓練の冒険者側のリーダーの処に来ていた。
「リーダー、彼って何者なのですか。イーナスさまの弟だと聞いたのですが」
「カイトか」
「彼を知っているのですか。俺と歳も変わらないのに」
「カイトは、オールラウンダーだ」
「オールラウンダーって 何ですか」
「武器も扱えて 魔法も使える。回復も可能で おまけに薬師の資格持ちだ。最近知ったのだが武器作成もしているみたいだな! カイトに客も付いているらしいぞ」
「それって既に Bランク以上って事ですよね。冒険者に成ったら」
「そうだな! 噂で聞いたのだが カイトが4日後の新人研修を修了するとSランク冒険者に任命するらしいぞ。国も認めているみたいだ。国としても人材不足は補いたいのだろう。
イーナスさまも国での重要な箇所に入れて国の起動させているし、カイトもそれなりの場所に付くと思う。
あの兄弟を手放す訳が無いと思う。国としても」
「俺と大して歳も変わらないのに 学園を卒業と共に官僚の仲間入りか」
羨ましい限りだろう。
「俺も信じられないのだが パトリットさまに聞いた事だが」
おもむろに懐からギルドカードを取り出すと
「ジンも持っている。ギルドカードだがな これって魔道具だと知っているよな」
「はい、新人研修の時に教わりました。無くした際などは金貨1枚で新しいギルドカードを作ってくれると」
俺達からすると1ヶ月ぐらいで取り分だ、取り戻そうとしたら半年から1年以上も掛かってしまう。絶対に無くすことを許されない代物だ。
「これな! カイトにとっては、簡単な魔道具らしくて 簡単に書き替えも可能みたいだ。現に何度もイーナスさまのギルドカードを 書き換えを行っていると言っていたぞ。
俺達みたいな平凡な冒険者と頭の中の作りも違うみたいだ」
国もギルドも知っていて 何も言ってこない処を見ると認めているのだろうな
「もし、そんな事が簡単に行えるのであれば、誰でもして高ランクに成りたいと思うのではないのですか」
「イーナスさまは、今更 ランクを上げたいなどと思っていないみたいだ。国が認めた。賢者だし、魔王を討伐した際にもその場にいて 食事を楽しんでいたと聞いたぞ。
それとか、死体に囲まれても食事の手が休む事も無いとも聞いた事もあるな! 自分の仕事をしている以外は、基本 食べるか、寝るかの2つしか存在しないのだろう」
まぁ~ カイトの飯を食べ始めてしまうと周りなどに構っていられないよな 俺も久し振りに食してみたいものだ。
「リーダーは、カイトの料理を食べた事があるのですか」
「1度だけある。冒険者ギルドの酒場の料理の中に数品がカイトの提案料理だ。試作段階の料理を食べた時など頬が垂れるほどにも美味しかったぞ。少ししてから 親父が作った料理を食べた時には、減滅したものだ。
作り手で これほどにも変わるものなのだと思ったよ」
「だったら あそこで作っている物って」
「あれこそ、別格だ。俺達が食す事も無い物が並べられていると思うぞ」
ジンは、見てみたいと思うのであった。貴族のお嬢様が何を食べているのだと思って
そんな事を冒険者達が試行している最中もカイトの料理の手が休まる事も無く、多くの料理がカイトのアイテムバックの中に消えるのであった。
イーナスとパトリットが風呂場から出て来るとミルクが疲れ切って イーナスに撒き付いていたが外に出てきたと同時にカイトの処に逃げて来るのであった。肩に止まり、周りから美味しい香りが漂っていたのか、鼻をクンクンと嗅ぎ始めるとクララ達が席に着き、イーナスとパトリットも席に座る。
色とりどりな前菜と焼きあがったばかりのパンとスープも並べられると席の処にグラスも用意されており、カイトが回り込んで注いでいく頃には、彼女達のお腹もなり、口から涎が零れ落ちるほどに溢れ出していた。
そんな仕草を見て パトリットが
「完全にカイトの料理にはまったな」
「今回は、冒険食にしておきますか。それもいいのかと思いますが パトリットお嬢様」
「何を寝言を言っていやがる。貴様の料理を食べる為だけに来ているというのに そんな事を言っていやがると街に戻るぞ。私が」
カイトに威圧を飛ばすも周りの生徒に教師たちがビビッている最中も平然な顔で料理を出している。
「それでは、パトリットお嬢様の料理とお酒は、出さなくていいですね。お下げします」
「私が悪かった。料理と酒を出してくれ、頼むよ。カイト」
すぐさま、切り替えて カイトに対して媚を売るのであった。パトリットもイーナスとカイトに対しては、頭が上がらないのであった。反対に身体を使うのがパトリットで イーナスとカイトが動く事も無く、使われる事が良くある事でもあった。