念話
「何をしけた話をしているのだ。
カイト、今日は 新人冒険者たちに魔法を教えるのだろう。ついでに ドラペイとグレンにも魔法が使えるか、確かめたらいい」
「冒険者に成るにしろ、騎士に成るにしろ、殺しをしていかないと街の住人を助けられないのだからな 覚悟を決めろよ。元冒険者の言い分だ」
「まぁ~~私達は、飲んだくれだから 関係が無いがな」
そんな時、
「やっと見つけたぞ。カイト! 俺達に魔法を教えてくれるのだろう」
「私達みたいな新人冒険者に話を通したら 彼等も参加するって
今、教会に集まっているから カイトも付いて来て」
『カイト、何処にいる。今すぐに王城に来い。現状を教えろ』
『カイトさん、国王が物に当たっております。どうか、国王様に御会いしてください』
『洞窟内を隈なく探しましたが何も見つけることが出来ませんでした。次元の位置は、解りましたが中に入る手段が解りません』
『森での戦闘のあとを確認しましたが使い物になりません。暴れすぎです』
『アントの素材は、使える物は冒険者ギルドで引き取ってもらいます』
昨日の金貨5枚が効いたせいか、思いのほか 良く働く。
それ以外にも 商人から商人へと物流の流れが入って来たり、各地で欲しい物がカイト経由で飛び交うのであった。カイトの支配下に入っている。商人たちに “ 損 ” という言葉が存在しなくなっていた。
商品を運んだだけ、全てが買い取られてしまって その土地の名物が各地に運ばれるのであった。その全てが王都経由で魔導列車を使って 迅速に行われるのであった。商品ばかりでなく、人間も運ぶのだが人間が運ばれる際には、金貨5枚が料金であって それも片道切符だった。
金貨5枚と言ったら 庶民の生活費1ヶ月半の金額と同等で在って 誰でもが使えることが出来ないのである。その為、大抵の商人や庶民たちは、徒歩や馬車で王都を目指すのであった。
日の出と共に念話の嵐が鳴り響き、夜中まで受注の受け答えを繰り返すのであった。あと3年後に この念話が出来なくなったら彼等は、どうなってしまう事やら
カイトにとっては、情報収集の1巻から始めた事であったのだが 何時の間にか、商人達に占領されてしまい。湯水のごとく、カイトに金貨が舞い込むようになっていた。何もしないで情報を流すだけで
そして “ 廻 ” の 印が入っている物に関しては、魔導列車を使い。王都経由で各地に運ばれる仕組みになってしまっていた。その辺りも国王の刻印が捺されており、1貴族であっても中を勝手に見ることが出来ないのであった。
彼等に付いて行く最中、城壁を出てみるとドラペイとグレンが驚くのであった。草原や森が無くなっており、荒れ地になっていた、昨日の惨劇が目に飛び込んでくるのであった。
「カイト、昨日って こんなにも酷い有様だったのか」
「俺は、回復師で呼ばれただけだから のんびりと眺めていただけだ」
「昨日ね。綺麗なお姉さんが魔法を放つと辺り一面が火の海に変わったんだよ。凄かった」
テレスだな! 相変らず、やり過ぎだ。
「ちょっと待ってくれ、昨日は あんな大岩なんてなかったぞ! 何処から来たのだ?」
「あれなら知っている。空から降ってきたよ。凄い勢いで魔物達が消し飛ばされていった」
トリスか、もう少し 真面目な奴かと思ったが自我を隠しているな
この亀裂は、風だな! ミリィか。ケビンの水関連も含まれているみたいだ。本当に暴れすぎだ。今頃は、説教を堪能してくれると俺的に助かるのだがな
そんなこんなで教会に付くと そこには、既に新人だけでなく、冒険者達までもが集まっており、武器の扱い方や魔法の仕組みを教えていた。けど 新人冒険者に詠唱を教えても理解が出来ないのであった。
体内に魔力がる事は何となくだが解っていても理解する事が不可能だった。
そこに司祭様が現れて
「カイトさん、彼等に生活魔法を伝授してやってください。あなた様なら出来る筈だ」
「それは、司祭様の仕事の筈」
「私がどれだけ頑張っても5人が限界です。それ以上は、神の御加護が付いてこれません」
「神の御加護って」
「魔力の事よ」
「だったら 魔力と言えよ。神父の爺ぃ~」
「オッホン、それ程にも魔力を使用するのですよ。君達も魔法を使うようになれば理解が出来るでしょう」
「それだったら お金だけでも引き取って下さい。それに領主様も寄付をしてくださるかもしれないのだから」
「それは、ありがたい事です。神の御加護が在らんことを願います。
そうそう、教会の裏の薬草畑に大量に実った薬草を帰りに持って帰って下さい。せめてもの ・・・ 」
「お金を支払いますよ。婆ぁ~に空瓶も請求してあるから 受け取りに行くから用意しておいてください」
「何処の教会でも カイトさんからの依頼なら喜んで引き受けます。
出来ましたら 薬の補充も頼めますか」
「その積りです。それと空瓶も用意しておいてください。
洗浄が間に合わなければ、勝手にやっておきます」
「分かりました。我々の魔力量では、1日に作れるポーションも限られておりますから よろしくお願いします」
「回復ポーションって 魔力で作っているのかよ。知らなかったぁ~」
「カイトって もしかして凄い人だったりして」
「あの親父とお袋の子供だぜ。俺達と変わらないさぁ~」
「そう! そう!」
「それでは、始める前に銀貨5枚を支払ってもらおうかな! 教会のしきたりだ」
新人冒険者に 冒険者達までもが銀貨を支払う
「おっさんたちは、生活魔法ぐらいできるだろう」
「実を言うとな 俺達のほとんどが魔法を理解していなくてな! でなく、意味が理解できないのだよ。ティナが教える魔法が解らないから 新人と共にカイトに教えてもらいたくてな
いいだろう。ダメか、やっぱり、おっさんが相手では」
「それは、構わないが 俺が教えるのは無詠唱だ。詠唱は、理解が出来るが時間がかかり過ぎて戦闘に不向きだしな 但し、無詠唱だと威力が落ちるが それを補う事も可能だ。
それも理解が付いて これればの話だ。それでも構わないか」
「「「あぁ~~」」」