偽りの真実
「これで足りるな! 残ったら新人冒険者に飯でも喰わせてやってくれ」
「相変らず、気前がいいな! パトリット」
「イーナスとカイトがいれば、金にも困らないからな! 金の使い道にも困ってしまう。有り様だ」
「イーナスさまは、別としてもカイト坊やがいれば何でもしてくれるからな 俺も何品か、料理を教わったぞ」
「おいっ 猫耳女、お前達は獣王国の冒険者なのか」
「そうだニャ~ それが何なのだ、ニャ~」
「ランクは」
「私だけがBランクニャ~ それ以外のメンバーは、Sランクニャ~」
「獣王国でBランクといえば、我が国ならAランク相当だろう。私と同じだな」
衝撃的な事を言っているが食事に夢中で それ処で無かった。
「おい、猫耳女 獣人化して私と対戦しろ 前に獣人化した爺さんと対戦した記憶がある。その時はおもしろかったから お前でも満足ができるだろう」
「ふう~ん、そんな事があったのニャ~ン。誰と対戦したのニャ~ン」
「確かだな? シラフと言っていたな」
名前を聞いた途端に食べる事を諦めて 青白い顔でパトリットを見つめだした。
「何だ、知っている。爺さんだったか」
「前の獣王様だよ。国民なら誰でも知っている名前だし」
「何だよ。語尾にニャ~を付ける事を忘れるほどの人物か」
「そうだニャ~ 数年前に現獣王様との戦闘の前に大きなケガで引退してしまった。最強クラスの獣王様だニャ~
誰との対戦だったかな 誰1人と知らされていないニャ~」
「それって もしかして3年前の話だったりして」
「何で知っているニャ~」
「そんなにも大きなケガをしていたのか。あの時の爺さんが イーナスに完全回復させればよかった」
「ふぇ?」
全身から汗が吹きだして パトリットの前で震えあがってしまうのであった。
「お前、本当に獣王国の冒険者か、こんな小娘1人に怖がって」
「あんたに怖い人なんて いないでしょう」
「そんな事は無い。シラフの爺さんも言っていたがイーナスが1番怖いと言っていたぞ。私も同意見だ」
「お前って 感知魔法が得意だろう。イーナスの気配とか、魔力量って感じとれるか」
「何で知っているニャ~、それはいいとしてもニャ~ わからないニャ~、初めての人かもニャ~」
「私も感知魔法を使うから分かるだけだ。あの2人からは、気配も分からなければ、魔力量も分からない。鑑定で見ても見る事も不可能なのだよ。
もし、カイトの情報を持って 獣王国に持って行ってみろ、魔獣の餌にして辿り着けないと思え、いいな! あのエルフに言っておけ」
パトリットの殺気で下半身に染みが出来てしまうのであった。当然の様に ニーナの頭が上下に振るのであった。
ニーナがガーナァーの顔を見た途端に泣き出してしまった。安心感が溢れ出たのだろう。その時にニーナの口から色々と真実を知る事となるがカイトの事を口止めされてしまうのであった。
「仕方が無いわ。それでもシラフ様には報告をするわ。
パトリット・フレイア様の件とイーナス・フレイア様の事を そして謎の少年がイーナスさまの弟だと真実をお教えする事も私の役目だから」
部屋の中と言う事もあって 安心しきっていた。ガーナァーだったが次の瞬間、ガロウ、ヒーローの首が床に落ち、蟲使いの女と虫の首が地面に落ちると気持ちの切り替えが早く、血に染まった床の上に1枚の紙きれが置かれていた。
“ 次は、貴様達2人か どうする ” と 書かれており、血の気が引いた。兵士を探し出して事の顛末を伝えると彼女達もまた 尋問を受ける事となるのだが獣王国のSランク冒険者で森の真影を名乗っている事も判明して 大事になる事も無く、無事に釈放されるのであった。
今回の1件を事細かく、シラフに報告した途端に ガーナァーの首がその場で落ちてしまい。真実であった事を告げる。ニーナの首筋にも血の跡が残されており、彼女の言葉と違う声で
“ もし、他の誰かに真実を伝えれば、貴様とこの娘を残して全てを殺してくれよう。感謝する。”
それを最後に彼と彼女の周り全てが切り殺されてしまい。屋敷に住んでいる者までもが切り殺されてしまうのであった。気配も感知も出来ない内に 全てが殺されてしまうのであった。
ニーナが怖がって街中を走り去るだけでも 多くの獣王国民が切り殺されて行き、多くの犠牲者が現れだした時点でシラフに連行されて血の海の屋敷に戻るのであった。
多くの兵士が何も見えない武力に目の前で何度も目にしてしまうと多くの手紙をシラフの屋敷内に投げ込み、必要以上に近づけないようにして 真実を手紙に託したが手紙を読んだ王城の貴族とその王城の者すべてが殺されてしまった。
数日後に 1枚の手紙が届く、ニーナが街中を疾走して死んだ数、王城で手紙を出して死んだ数が記されていた。その中には、シルフの家族一同も含まれており、当然 ニーナが家族一同も含まれていた。嘆き悲しんだが後の祭りであった。この国から離れていた。貴族階級のみが助かる事となるのであった。当然、テレスティーナ達もその中に含まれている事実である。
数日後には、ロダンスウォール国に手紙が届き、真実を知る事となるが誰の仕業かは、明らかになる事も無かった。王族貴族に一般市民も多く死んだが本当に事実を知る者は、2人を覗いて知る事も無く、扉が閉められてしまうのであった。